ー
さよなら、うつつ。
「あなたはこの世界を救わなければなりません。それは私の気まぐれではなく、世界自体がそれを望んでいます。」 美奈代という転校生はそう言って一樹に注射器を渡した。それを使うことで、彼はある意味現実に似た異世界「ムンドス」へ旅立った。そこで彼は救世主として、彼が知っている現実の構造そのものを破壊する「モータリス」と呼ばれる怪物と戦った。それは、彼がうんざりしていた彼の「役割」と「日常」に終わりをもたらした。彼は狂ったように世界を救うために戦う英雄としての時間を過ごした。一見すると薬物による幻覚に似た実話。