












Saint Kotar
『Saint Kotar』は、クロアチアの古代の田舎町を舞台にした心理ホラー アドベンチャーです。町のオカルト的な出来事と親戚の失踪の背後にある恐ろしい真実を解明しようとする二人の敬虔な男性の役割を引き受けてください。自分の人間性を見つけ出すか、さもなければ狂気と死に陥ってください。
みんなのSaint Kotarの評価・レビュー一覧

seika
2024年10月31日
システム:マウス操作のみ。コントローラーでもできないわけではないけれども、結局、対応しきれない操作があったり、そもそもコントローラーに不向きな操作が基本となるためオススメしない。
探索(持ち物を利用するような場面もある)をしたり、NPCと話して情報を仕入れたりしつつ話を進めていく。およそこういった操作の中で夥しいEDのどれかに行きつくことになるが、テキスト選択は話がちぐはぐになろうとも結局選択肢全部選ばされる羽目になる場面がやたら多く、かと思えばそうではなくなるという場面も稀にあったりして、惰性的に選択させたいんだかさせたくないんだかが分からない。探索に関しても何をどうすればいいのかというのがかなり不親切で先へ進むのも大変で彷徨っている時間のほうがやたらとある。そこをクリックすることでプレイアブルキャラクターが何をするかがまるで分からないので、試しにクリックしたところでNPCをいきなり撲ったりするので戸惑う。
また、本作は日本語訳対応扱いとなっているものの、Google翻訳をそのまま当て込んだような訳なのでだいぶ読みにくい(あれでまさか翻訳者を介しているのなら、制作側はその翻訳者の仕事がいかにやっつけになっているのかを理解したほうがいい)。それでテキストベース的な文章量で攻められるので、やっていてたまったものではない。頑張って原文(が何かは知らないが、取りあえず英語として)で読み進めたくとも、自動文字送りなので私の英語読解能力ではそこへの逃げ道もない。そもそも話が退屈な割に込み入っているのに翻訳もこれなので、およそまともに内容がこちらの頭に入ってこない。
グラフィック:3D。雰囲気はあると思う。
あらすじ:主人公は妹とその夫と共にクロアチアの田舎を訪れる。だが、滞在初日から何やら邪教の儀式めいたものを(恐らく)目撃することになった上、不気味な貸家で一泊する間に妹も姿を消してしまう。妹を探す過程で彼らは妹の不審な点やこの村が妙に気味が悪いことに気が付いて行く。そうしているうちに妹の夫がよく分からん邪教徒に連れ去られたり、探索するうちに主人公も奇妙なものに巻き込まれたりとしていくのであった。
+++
感想:クロアチアの田舎を舞台にしたホラーとのことでめちゃくちゃ楽しみにしていたのだけれども(だって面白くなるしかない)、最初からずっとシナリオも操作性も映像表現もひどい作品だった。まず、最初からずっと絵としてこちらに見せるべき様子を一切描かずに「こういうことがあったのじゃよ」という(重要な)場面がやたらとある。あとは上述の「システム」でも大体触れたとおりでもある。ストーリーがまるでちぐはぐで意味が分からんまま(そしてどういう行動が求められているのか、主人公がそれをしたらどうするつもりなのかも分からんまま)なのもだいぶ致命的である。世界観は恐らくちゃんと設定されているだろうに、それを伝えることが致命的にへたくそとしか言えない。マジで何の話してるのか分からない。
冒頭で恐らく親がやたらと厳しいのに対してその支配下にある妹と兄の関係は良好だったような節があるのに、いざゲームを始めるとそれまでの二人の過程が見えないまま、妙に主人公が妹に対してドライであったりするのも本当に意味が分からないまま話を進めていくことになる。異常状態に巻き込まれているのに妹をさっさと置き去りにして帰ろうとする敬虔な聖職者の兄って、いきなりプレイアブルキャラクターとして突き付けられても、その曖昧さに戸惑うばかりだったし、その戸惑いを残したままでも先へ進めようという意欲を持たせられるようなストーリーテリングができていたわけでもなかった。
聖職者である主人公が教会の隠された地下を気味の悪いものとして捉えるだけなのも意味が分からない。なぜ隠すのかは分からないけれど、カタコンペとか地下聖堂かなとか普通思わんかという。そんな感じで登場人物の思考回路が意味不明過ぎる箇所も多い(異様にこの地の教会に一方的に嫌悪感に近いものを抱いてるのも意味が分からん)。主人公の異様なまでの態度の悪さも意味が分からない。
あと、クロアチアの習俗とかしきたり、宗教、民話(ついでにできれば歴史、政治、国民性)等々をがっつり絡めて描いているのかと思えば、特にそんなこともない。中世の価値観がまだ頑固に残っているような村という設定の中で邪教要素や魔女裁判要素とかも織り込んでいるけれどもそこも設定が押し付けられるばかりで習俗などがストーリーの中に丁寧に織り込まれているとも思わないし、それらもそもそもクロアチアであるだけの意味もない設定でもあったりする。挙句の果てには邪教要素がロバート・W・チェンバースなりクトゥルフなりの『黄衣の王』ネタだったり(恐らくはそれだけが全てというわけではないのだろうが、いかんせんストーリーテリングが破滅的なので設定が意味が分からない)、ここでだいぶガクーッとくることになった。
とにかく開始30分以内に既にやる気がだいぶ削がれ、システムの最悪さもあって(本当に先に進める気概をいちいち削ってくる)物語に興味も何もなかったのだけれど、それでも我慢してEDを一つ回収するまでは頑張った次第であるなんだけれども、これも、また何をせえいうねんということで何度目かの村内放浪を強いられたときに新たに(ただ進行上の理由で不自然に行けなかった)エリアに行ったときに、なんとなく扉を叩いたらとっつかまって「おまえはイケニエにされましたEND」みたいな唐突な死でオワリっていうEDだった。何はともあれ、もう楽になっていいよね……と思って、これで本作は切り上げ、こうしてレビューを書いている次第である。
セールで買った作品だったとはいえ、それでも返金してもらいたいほどにやっていて虚無を食んだのはさすがに本作が初めてであった。

LamNot
2021年10月29日
[h1] 謎が謎を呼ぶ謎のゲーム [/h1]
東欧/バルカン半島に在る『クロアチア』が舞台のオカルティズム主題のミステリー/ホラー/アドベンチャーゲーム。
ローマカトリック教会圏内でありながら、すぐ隣には正教会が、その後はオスマン帝国に攻め込まれたり...。
そんな多民族と他宗教が混在するクロアチアが舞台のカルト教団を扱うゲーム!?
絶対面白い作品になる可能性を秘め、未だにそれを秘めたままにしてしまっている謎のゲーム。
[b] ココがダメ!! [/b]
[u] 世界観造りにバッチリの舞台設定なのに、『ストーリーテリング』をさっぱりわかっていない様子。 [/u]
プレイヤーが一切体験していないし、見てもいないイベントをプレイヤー「知っている体で」話が進んでいく。
その上、それらの知らないイベントのほとんどが超常的で、"独特"な日本語訳ではイメージが湧きにくいという曲者...。
(しかも、そのストーリーが始まる前夜のバックストーリーをDLCとしてリリースすると約束してたけど、バッカーに対してだけなのかもしれない。現状では未発売。)
「いったい君は何の話をしているんだね?」と毎度突っ込まざるをえない。
[u] 上記の通り、過去が謎過ぎて兄貴の謎の妹への疑いと嫌悪感がさっぱり理解できず共感できない。 [/u]
ゲーム冒頭で少しだけ、子供時代を知ることができる。お兄ちゃんが大好きな少しいたずら好きな妹。
それなのに、ゲームが始まると、妹を疑いまくり嫌悪感丸出しの兄貴をプレイさせられる。
おそらく、過去のどこかで何かがあったんだろうけど、それが明かされるまでずっと「なんだこのクソ兄貴は?」となる。
(2時間半のプレイではまだ明かされていない。今後もその過去のわだかまり的なものが明かされるかは不明。)
[u] ダイアログ・チョイス?そんなものはない!(ちょっとだけある) [/u]
本来であれば、本作の売りとなっていたダイアログ・チョイスは完全に死んでいる。
ほとんどのダイアログは、すべて選択しなければ先に進まない。
自分でダイアログを選択する意味はほとんどない。なんなら、ダイアログ選択の順番を間違えれば、支離滅裂な会話になるレベル。
[b] 良いところ? [/b]
サウンドトラック(BGM)は、陰鬱でミステリアスな世界観にマッチしていて、今のところ中々いい感じ。
日本語訳の"独特さ"。これは、一周回って楽しめている。言葉のチョイスが凄い、とりあえずすべてが難しく聞こえる。
誤訳もいっぱいある。
例えば、"You are not a man of words."は本来「あまり喋らないんだな(物静かな人だな)」程度に訳されるべき文章を『あなたは言葉の人では無い』みたいな直訳になっていることもしばしば。
『言葉の人』とか一周回って今後どこかで使っていきたい日本語。
そういうのが楽しめちゃってる。
[h1] 総評 [/h1]
開発者は今後Fixかけて、修正していきます!!とそれぞれのレビューに返事をしているけれど、正直このダイアログの感じは修正でなんとかなるものではないと思う。
唯一の救いの道は、前日の出来事をプレイできるバックストーリーを一般プレイヤーも遊べるようにすることぐらいでは??
(過去に配信されたプロローグと称されたデモ版は現在ダウンロード&プレイ不可)
値段と照らし合わせても、このクオリティーでは割高感はある。決して万人にお勧めはできない。
レビューの荒れ具合は、単なる荒らしとかでもなく、妥当なレビューに思える。
何周か回って、悟りを開いた結果、私はなんとなく楽しんでいる。
気になる方は、こちらの実況動画を見てみてね。
https://www.youtube.com/watch?v=AyFuywBJnAU