




Strangeland
Wormwood Studios による Primordia の次回作: 病的な異世界のカーニバルを舞台にしたポイント アンド クリック アドベンチャー ゲームです。
みんなのStrangelandの評価・レビュー一覧

Sayoko Morita
2021年05月31日
[h1]不穏で奇妙でユーモラス [/h1]
本作はポイントアンドクリック型のアドベンチャーゲームです。
システムとしては主人公を操作してアイテムを集め、活用して進んでいくというスタンダードなもの。
本作は、そういったアドベンチャーゲームの要となる世界観、キャラクタービルディング、展開、いずれも良く練り込まれています。
ビジュアルデザインはスクリーンショットでご覧になればわかる通り、グロテスクさも感じるかなり不穏なものです。
ギーガー調の悪夢のような世界に、記憶喪失の主人公。ワンクリックで死に至るお手軽さ。妄執を糧に、罵られながらもがくように道を開いていく主人公。
これだけの紹介では、非常に暗いゲームプレイを想起されるかもしれませんが、内容は奇妙に明るいものです。
というのも、登場人物がかなり多彩でユーモラスなのです。会う度にジョークをかましてくる門ピエロや、意味深で軽快な漫談をかましてくる3人娘、盲目の物書きとカラスの奇妙な関係。果ては1人ツッコミの上手い主人公まで、重苦しい世界観とテーマを彩ります。
そのため、筆者の感覚としては「この状況をどうにかしなければ」というよりも、「このアイテムはどんな反応が帰ってくるだろう?」「こうしたら主人公はなんて言うだろう?」という好奇心に突き動かされてプレイしていた感覚でした。
途中のパズル要素なども、物語を邪魔せず、ちょっとしたスパイスになるよう調整されていたように思います。
とにかく全体的に小気味よく、そして奇妙に愛着が湧く作品でした。
見た目の印象が気に入った方、不穏でおかしなキャラクターが好きな方はぜひ、手に取ってみてください。
なお、レビュー執筆時点で本作は日本語未対応。そこそこの文章量なので、英語がわからない方は遊ぶのがなかなか大変だと思われます。
しかしながら、まだ公式には発表されていませんが、日本語対応にも取り組んでいるとのことなので、英語の苦手な方でも楽しめる日が来るかも。期待しています。