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Hospitalize

病院を建設し、管理するための最も効果的な方法を見つけてください。病院を賢く構築し、不必要な患者の検査に費やされる余分な時間とリソースを回避します。患者を細かく管理することも、医師が症状の原因を特定できることを期待することもできます。 医療過誤を回避し、世界一の病院管理者を目指します。

PC
2016年9月21日
シングルプレイヤー

みんなのHospitalizeの評価・レビュー一覧

fiinion_es-03

fiinion_es-03 Steam

2017年11月25日

Hospitalize へのレビュー
5

往年の名作「teme Hospital」を「Prison Architect」のシステムでやる、みたいなゲーム。
 まだ未完成感があるが面白い。

 建物の建設・解体は自由に行えるので、変な形の建物にいかに治療室を納めるか頭を悩ませた「テーマ・ホスピタル」みたいな苦労はしなくていい。
「ホスピタル」が面クリア型のキャンペーンだったのに対して、本作は(今のところ)サンドボックスモードだけ。病院をゼロから大きくして、自分の理想の病院を作るゲーム。
 最初のうちは扱える機械や治療できる病気が少ないが、条件を満たすとアンロックされていく。
 アンロックの方法はリサーチとかではなく、「この施設を建設しろ」「この病気を~人治療しろ」とかで、まあ普通にやっていれば段々解除される。
 病気の種類は心臓発作とか扁桃腺炎とか、基本的にリアル寄りで、「ホスピタル」の「透明病」「ツルピカ病」みたいなのはない。
 同時に、「ホスピタル」のような「見た瞬間にプレイヤーに病名がわかる患者」はいないので、基本的にはゲーム内で検査と問診が繰り返されるのを待つしかない。
 容態の悪い患者の優先度を上げる、といったことも今のところできない。
(一応、症状と検査結果を見ることはできるので、「熱があるなら抗生剤出しとけ」とか「もう狂犬病ってことでいいだろこの患者」とか介入することもできる)
 診断が確定するまで、わりと色々な検査を何度も何度もたらい回しにされる(特に、医者や看護師のスキルが低い序盤は)。
 ちなみに、従業員のスキルは、時々メールで依頼(被災地への医者の派遣要請とか)が来るので、それをこなすと上がっていく。(依頼を同時に2件までしか受諾できないのはツラい……増やす方法が欲しい)

 で、まあ、確かに面白いのだが、不満点も。

・難易度が低い。
 建設費と人件費しかかかる費用がなく、人件費も抑えめなので、一度経営が軌道に乗るとつまづく要素がない。
 評判が上がると来院者が増える……らしいのだが、正直言ってさばききれないくらい患者が来るので、設定で数を抑える必要があり、それでも充分に稼げる。
 もっと評判の上下をシビアにしたり、検査機に維持費を設定したり、院内感染とかランダムイベントがあっても良いように思う。

・やることが少ない。
 金を稼いで病院を大きくしてこれを買いたい、解禁したい、という目標に乏しい。
 例えば「Prison Architect」なら、粗末な刑務所から始まって、充実した更生プログラムと厳重な警備で再犯率が低く安全で囚人の満足度が高く脱走不可能な刑務所を目指す、ということができる。
 都市運営ゲームなら、街が大きくなると渋滞とかゴミとか新たな問題が発生し、さらに空港とかより上級の施設が欲しくなる、という循環がある。
 しかし本作では、設備に「快適なソファー」とか「痛くない注射器」みたいな上位施設はなく、患者は待ち時間さえ短ければ序盤から満足していて、死者も誤診も滅多にない。
 つまり改善すべき要素がなく、「満足した小さな病院」を「もっと大きな満足した病院」へとひたすら面積を拡大する以外にやることがない。
(あとはスタッフのスキルをカンストさせるくらいしか目標がないのだが、その手段である依頼は同時に2件しか受けられないので、病院の規模が拡大するほど平均的なスキルの成長は遅くなる……)
 例えば、患者の満足度を高めると賞がもらえるとか、満足度を高めるにも色々工夫が必要だとか、より高度な機器を導入すれば早く正確な診療ができるが高価だとか、目標があると良いのでは。

・絵面が地味。
「テーマホスピタル」と異なり、どの病気も手術室と診察室と薬局で治る。医療機器も派手に動いたりしない。
 まあ、リアル寄りだから仕方ないのだが……。
 
・ユーザーインターフェースが不便。
 微品の撤去、建物の解体作業をキャンセルする方法がないとか。
 建設したいエリアに木が生えていると(いっぱい生えてるんだこれが)建設できないので、事前に除去する必要があるとか。
 自動で除去してくれたらいいのに……。

 一番不便なのは、部屋に機能を割り振る方法。
 例えば、ある部屋をX線撮影室に指定するには、X線撮影機と机と椅子が必要なので、先に備品を配置してから指定しなきゃならない。
 しかし、どの備品が必要か確認するには、いったん部屋を指定するメニューで何が必要だったか確認しなきゃならない。

「この部屋を手術室にしたい」
→「手術台と医療キャビネットとシンクとバイタルモニタが足りません」
→「手術台とシンクと…薬品棚だっけ?」
→「医療キャビネットとバイタルモニタが足りません」
→「医療キャビネットと…しまったこれバイタルモニタじゃなくてEKGモニタだ」

 で、作業員が備品を全部配置するのを待って部屋の用途を指定。
 しかも、配置中作業中なのか配置し終わったのか、今のバージョンでは外見上区別できないので、部屋が指定可能なのかどうかわからない……。
 改めて「Prison Architect」は洗練されてるんだな、と感じる。
 今後の改善に期待。

 一つの部屋を複数の用途に指定できる(例えば、EKGモニタと超音波ソナーを同じ部屋に置いて、「EKG兼超音波検査室」とかにできる)システムは便利だし名案だと思うのだが。

・グラフィックが地味。
 床は白いタイルかコンクリの2種類のみ。壁は白のみ。
 植栽だけはやたら種類があるけど、屋内の装飾は観葉植物と、壁に掛ける時計やカレンダーなどだけ。
 
 看守・囚人のグラフィックが何種類もある「プリズン・アーキテクト」に対して、キャラクターのパターンが乏しい。
 医者は全員同じ顔の白人のお爺さん。
 看護師は全員同じ顔の白人のお姉さん。
 患者は全員白人の男か女、各一種類(ただし病状によって顔色と表情が変わる)。
 救急隊は全員変なサングラスを掛けた金髪の女。
 掃除人は全員黒人の女。

 掲示板では「レイシズムだ!」という声が上がってるようだけど、それは別としても単調。
 キャラクターは全くアニメーションしないし。

 というわけで、まあ今でも面白くはあるのだけど、今後もっと改善されることに強く期待したい、という感じ。
 現状では値段相応の価値はないけど、これからに期待するなら、買っても良いと思います。
 まあ、私は後悔はしていません。

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