






The Last Express: Gold Edition
第一次世界大戦勃発直前のヨーロッパの列車を舞台にしたポイント アンド クリック アドベンチャー ゲーム、The Last Express の改良版。 ゴールド エディションの機能は次のとおりです。 - 高度なヒントシステム - ゲーム内でロック解除可能なキャラクターの伝記 - ユーザーインターフェースとインベントリインターフェースを刷新 - 実績とクラウド保存
みんなのThe Last Express: Gold Editionの評価・レビュー一覧

Gomgyo
2022年02月25日
おすすめの優良海外ADV
海外では有名タイトルなようで、入手困難だが日本語版も昔に出ている。しかし、日本では知名度が低く、steamで安く買えるものの埋もれてしまっている。日本語非対応で敷居は高いが、多少のリーディングができればクリア自体は可能であるため、プレイする価値はあるだろう。
そこで、拙い文章になるが、日本のゲーム愛好家にも少しでも興味を持ってもらえたらと思い、自分なりの評価を投稿しようと思う。レビューは四部構成で、それぞれストーリー、システム、良い点、問題点を簡単に記述している。この作品は推理を楽しむというより、システムや演出を楽しむ作品であると考えられ、購入を検討している人はシステム面を事前に読むとミスマッチが減らせると思う。そのため、レビューでもシステムの紹介を中心に位置付けている。
ストーリー概要(あらすじ)
舞台は第一次世界大戦開戦直前のオリエント急行。主人公は急行に忍び込み、旧友の部屋を訪ねるが、彼は客室内で死亡していた。友人の死の謎を解くため、主人公は旧友になりすまし、急行内の探索や他の乗客との駆け引きを行う。
システム概要
イメージとしては、1. MYSTライクのADVで、 2. 謎解き要素は少なくして、 3. リアルタイム進行を導入し、 4. 会話により音声面を充実させたもの、というところだろうか。以下、四つについて順に述べる。なお、この作品の特異なところは後の二つであろう。
1.ここで言うMYSTライクのADVとは、テキスト主体ではなくグラフィック主体(+サウンド)で、ポイント&クリックにより進行するゲームのことを想定している。舞台は擬似的な空間が想像できるような複数の静止画により構成されている。そして、プレイヤーには現在いる地点の静止画が表示され、その地点から移動するか、画面内で気になる物体や人物を指して調査や会話を行う。
2.MYSTは謎を見つけて解くという側面が強いが、この作品は謎解きで頭を使う類のゲームではない。この点ではMYSTというよりは日本でもよくあるポイント&クリック式のADVの方が性質的に近いかもしれない。難しい謎解きがないため、誰でも容易にクリアできる。
3.作品全体を通じて時間の概念がある。操作のたびに進行するのではなく、現実の時間と連動して変化する。各登場人物はそれぞれ決められた時間に決められたルートを通って決められた場所に移動し、決められた行動を自動で行う。
4.主人公以外のキャラクターはプレイヤーの行動に関係なく互いに会話しており、プレイヤーは近くの会話を聞くことができる。会話の内容は攻略上のヒントを得るために有用なだけでなく、人間関係を明らかにしてストーリー面の深みを増す役割も果たす。
その他のシステム面の特徴としては、時間の巻き戻し機能によりやり直せること、ヒント機能で何をすれば良いか具体的に指示を得られること、随所でアクションパートが挿入されていること、などが挙げられる。
良い点
生き生きとした世界観の演出に成功している点が最も印象的だった。リアルタイム進行と登場人物同士の会話により、オリエント急行内が活気に満ちた空間となっている。音声にフランス語やロシア語のような複数の言語が採用されていることも、多様な国の人物が混在している急行の雰囲気作りに貢献している。
また、立ち回りに慣れると他人の会話を聞くのが上手くなり、理解が深まったことに対する実感を伴って楽しめる点も良い。
問題点
リアルタイム進行するため、やるべきことが終わったら空き時間が生じる。特に、中盤には周回プレイヤーなら暇になる章が存在する。
理解しやすいよう英語にも字幕はつけてほしかった(音声が重要な作品であるため、この点は英語圏のプレイヤーにとっては全く問題とならないだろう)。
補足:ストーリーがよく分からなくなったら、英語のWikipediaのplotを読むのがおすすめです