The Procession to Calvary
ゲーム「フォー・ラスト・シングス」の続編。 現在キックスターター中です。
みんなのThe Procession to Calvaryの評価・レビュー一覧
EHK
2022年02月24日
ポイント&クリックアドベンチャー方式のインテリバカゲー第二弾。前作the Four Last Thingsと世界観を一部共有する続編。
ただし今作はかなり描写がグロに寄っているので苦手な人は注意。
前作をプレイせずにいきなりこれをやる理由がなにも思い浮かばないので、以下は前作プレイ済みの前提で解説。
今回も前作同様パブリックドメイン素材の画像とBGMのクソコラで、シュールなブラックジョークが展開される。ただし、前作と違ってマルチエンド作品であり、途中の選択肢によってはバッドエンドしか迎えられなくなる一種の詰み行動が存在するので注意。また、ネタ的な即死ゲームオーバーの選択肢もいくつかあるが、そこはオートセーブを読み込めば直前の状態まで戻ってくれる。
今回のタイトルモチーフとなっているThe Procession to Calvary(丘への道のり)は、日本では「ゴルゴダの丘への行進」と呼ばれ、自らの十字架を背負ったキリストを描いたもの。
前作が七つの大罪モチーフで、現在の自分の進捗度を把握しやすかったのに対し、今回はこの先どれほどの道のりが待っているのかわかりづらい面がある。
前作ラストで[spoiler]死んだと思われて[/spoiler]いた前作主人公が[spoiler]豪運で生き残っ[/spoiler]た世界線。街では前作ボスの横暴に反乱が起こって戦争が始まり、そこで人殺しヒャッハーを謳歌していた女性騎士が今作の主人公。ゲーム開始と同時に戦争は終わり、人を殺し足りなくて血が騒ぐ主人公が、逃げた前作ボスの暗殺にかこつけて、さらなる殺人を求め旅に出る話である。
途中の謎解きはある意味で素直。さわれる箇所も画面上端のアイテム欄にある鏡を見れば表示され、出てくるキャラもかなりダイレクトなヒントを投げつけてくるので、しっかり全体を見て話を聞いて回れば、前作の画家やパイキングのような無茶な要求はされない。詰む選択肢も理由は明確なので、意図的にやらない限りは大丈夫。パイキングとは違って、ちゃんと道が用意されているのでよく考えよう。それ以外の行動は失敗してもアイテムの再入手などしてやり直せる。
前作より時間は少しかかったが、若干の実績の取り漏らしが合った以外は自力で全てのエンディング(3)を回れた。
今作にもなぞなぞがあるので一応和訳。
「彼らはよく磔に関連付ける。
ジャンは1つ、アントネッロは5つ、
ピートにも1つ探してみなさい。
でもあれれ、コーネリスにはないぞ。」
ただ前作をやった人なら楽に解けるだろう。
システム面でわかりにくそうな場所のヒント。
友達[spoiler]になった動物は、押しつぶすまではついてくる。[/spoiler]
一部のアイテム[spoiler]は重ねると合体できる。[/spoiler]
mm4651
2021年05月15日
このタイトルは、有名なブリューゲルの絵画「ゴルゴタの丘への行進」からとったものと思いますが、この絵を含めて数えきれないくらいの有名なルネサンス絵画が登場します。ふだん絵画に興味のない方でも、おそらくは見たことのある絵が多いでしょう。
それらの絵が、大々的にブラックユーモアたっぷりの改造を施されて登場してきます。
結構グロい系の表現も多いので、そういうのが嫌な方は要注意ですが。
で、それらのルネサンス絵画に描かれている登場人物たちが、激しくアニメーションしながら、主人公とやけに現代風で下衆なやり取りをするもんだから、おかしくてしょうがない。
テーマがテーマだけに、宗教関連の登場人物が多いのですが、今作ではなんと神様もゲームの「裏方」として時々登場しては、今作のいまいちな部分を「言い訳」してきます。
それで「この部分は・・・だからしょうがなかったんだ」などと言い訳したかと思えば、「でもスチームのレビュアーは、こういうメタ展開は嫌がるんだよね」などつぶやいてみたり。
神様って、スチームレビューまで読んでんのか!
あと、それぞれの場面では異なる楽団が登場し、場面に合わせて、さまざまな有名作曲家のクラシック音楽を演奏してくれるのですが、この音楽が美しい。で、その楽団というか演奏者たちも有名な絵画から拝借した人々になっています(たまに動物)。
ゲームのシステムは基本、ポイントアンドクリックで、他人から頼まれた依頼を達成したりしながら進みますが、それぞれロジカルに解けるものばかりであり、世界も迷子になるほど広くはないので、難易度はそう高くはありません。
途中1回だけ、どうしてもメモを取っとかないとクリア出来ない(頭では覚えていられない)場所はありましたが(歌を歌う場面)、反射神経などはそんなに要りません。
エンディングも複数あり、また自分は何とか全実績獲得まで行けましたが、正直、実績コンプの難易度もそんなに高くないゲームだと思います。
シナリオは前作と同じ時代の話であり、登場人物や場所も重なる部分が多いですが、前作をやっていなくても問題ありません。
ただ前作もそうでしたが、今作についても、聖書に出てくるエピソードや宗教画に関して知っていると面白さが倍増します。結局は、聖書や宗教画をもとにしたブラックネタのオンパレードなので。
ちなみに、それぞれの実績に付されている説明コメントも、すべて聖書の一節が引用されているようです。
まあ、ストーリーは、
「戦争が終わって世の中が平和になってしまったため、大っぴらに殺人ができなくなった主人公の兵士(女子)が、どうしても人を殺したくてしょうがないので、悪い奴(敵のボス)を殺すという目標を無理やり見つけて冒険に出る」
という、とにかく不謹慎極まりない話です。
なのですが、私のように、モンティパイソンが好きでたまらない人や、テリーギリアムの作品を愛する人にとっては、珠玉の一品と思います。(本ゲームの作者も、モンティパイソンのファンらしい)
ちなみに全編英語ですが、時間制限などは無いため、焦らずじっくり読みながら進めることも出来ます。
これが気に入ったら、前作「Four Last Things」も買ってみて下さい。面白いですよ。
Litsuki
2020年04月16日
バロック音楽とルネサンス絵画が大好きで、さらにシュール要素が入るということで私のツボすぎて購入しました。全編英語で途中までプレイしていましたが謎解き進行に苦戦し海外の攻略サイトを見ながら進めてしまいました。それでも有名な絵画と素晴らしいクラシック音楽、そしてシュールな動きが笑えて面白かったです。わりとグロなのと宗教画も出てくるので苦手な方は注意、そして美しい名画達がわりと汚されているので(笑)、そういうのがつらいという方にはおすすめしません。昔の番組『ウゴウゴ・ルーガ』を彷彿とさせるシュールさでした。音楽をぼんやり聴いているだけでも良かったです。めちゃツボな作品でした。