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Buzludzha VR

この没入型 VR 体験に足を踏み入れて、放棄された UFO の形をしたブズルジャ記念碑の再考版を探索してください。建物の歴史について学び、ワインガンで射撃したり、建物の周囲でヘリコプターを操縦したり、グランドピアノを弾いたり、高さ 70 メートルの塔に登ったりしてみましょう。

2019年11月20日
シングルプレイヤー

みんなのBuzludzha VRの評価・レビュー一覧

Greener

Greener Steam

2021年04月02日

Buzludzha VR へのレビュー
5

[h1]VR作ってみたはいいが維持することも解体することもできない建物探訪。[/h1]

[h1]■概要[/h1]
ブルガリア共産党政府がTNTで山頂を吹き飛ばし無理矢理平地を作ってまで建設したが、落成からわずか10年で共産主義の崩壊とともに保守管理を行う予算が捻出できなくなり、かといって解体撤去する意義も予算もないまま放置されている「Buzludzha(ブズルヂャ)記念館」の内外を歩き回れる、ゲームではなく体験型のVRソフト。

当然、ゲーム性は皆無。

物を掴んだりドアを開けたりエレベータのボタンを押したりというインタラクト要素は一応あり、テレポート/スムーズ移動を使って各所におかれた解説が聞けるボタンを押して回るのが主なプレイ内容。

基本的には新築当初の姿が再現されているが、懐中電灯で照らすとラクガキや改変された放棄後の姿が浮かび上がる仕掛けが随所にあり、形あるものはいつか壊れる、盛者必衰の理を感じられる。

おおよそのプレイ時間は……、なにかしらの達成目標があるわけではないのでなんとも言い難いが、1時間くらいは暇が潰せる。

なお、元ネタ(?)の記念館はヨーロッパにおける七大「絶滅の危機に貧した遺産」の一つにも認定されたとかで、その特異な外見も相まって、一般人の立ち入り許可さえ取れるなら欧州界隈の廃墟マニアが押し寄せる観光スポットになっていたであろうことは想像に難くない。周りなんにもない山頂でアクセスすごい悪いけど。

現在は石油王ジャン・ポール・ゲティにより設立された美術品収集を目的とする私的財団・ゲティ財団から派生した、視覚芸術の理解と保全を掲げるゲティ基金からの助成金獲得に成功し、建物の倒壊やモザイクタイルの剥落を防ぐ保全修理が行われている模様。オイルマネーはペンよりも剣よりも強い。

[h1]■感想[/h1]
はじめに断っておくが、ぼくのブルガリア知識は「ヨーグルトの名産地(?)」止まりである。ブルガリア社会民主党設立会議が行われたり、なんかの戦争でオスマン帝国からのブルガリア解放に寄与した云々とかいうブズルヂャ山頂の歴史的な価値に関してはまったく知らないし興味もない。

でもこのソフトはなんか知らんが面白い。もちろん笑える方ではなく興味深いの方。ひたすら歩いて解説を聞くだけの、どこかクリア後のオーディオコメンタリー地味た印象を受けるが、こういうの世の中にあっていいと思う。

現物を保全するお金はないけど、3Dデータにしちゃえば安上がりな上に世界中の人々が自宅でヴァーチャル訪問できるっていう、ゲーム以外のすごくまっとうなVR有効活用な気がする。

元ネタの建物はドローンかなにか飛ばしてレーザーで現物をスキャンするなんて試みも行われていて、このゲームにもそのデータが反映されていたり参考にされていたりしたらいいなぁって思う。願望。

あと、ストアのどこかに「このソフトの売上の一部はブズルジャ記念館の保全費用に充てられます。」の一文があれば話の種としてはパーフェクトだった。

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