Carrot

seika

2024年04月04日

ゲーム性はかなり薄めでマップ移動が多いビジュアルノベル的な作品。かと言って、テーマがどうとかシナリオがどう敵な深みは特にない。概要文にもあるが、英文がサクサク読めるなら20分もあれば終わる程度の内容（※私は読むのが遅いのでもっとかかったが）。「ゲームをやりたい！」って気分でやるとつまらない作品だという評価にはなると思うが、絵の雰囲気や緩い世界観をちょっとだけ垣間見たい程度の、ゆるーく昼下がりにちょっとだけ本を開くような気持ちであれば十分楽しめる内容になっている。
本作の魅力はとにかく鮮やかな色彩を持つ美術面であり、イラストのいちいちがかなり目に楽しいものになっている。また、このイラストの雰囲気に即したゆるーく開放的な世界観で織りなされるちょっとしたドタバタ劇が、現実のちょっとした隙間を心地よく埋めてくれるようなものになっている。こういう世界観の場所で生きたいものである。

ゲーム性のある部分に関しては、ちゃんとMAMが、「こういうのが欲しいのよね」と言っている内容を記憶しておくのと、主人公たちの友人が言っている内容も加味していれば、それがヒントにはなっているが、幸い、操作できるエリアは限られているので根気強く探索できる箇所を回り、必要アイテム発生個所を示す「！」を探し求めてゴリ押ししてもどうにかなる程度の緩さではある。

本作は2024/04/04現在、日本語対応はしていないが、原文の英語はさほど難しいものでもなく、テキスト量もかなり少ないし、一つの発言における文章量もかなり短いので、辞書を手元に置きつつ読み進めやすい作品だと思う。

また本作はシリーズ化していて、これがその第一作目にあたるものとなっている。とにかく美術面がかなり好みなのもあるので、ゆるーーーくちょっとずつ次回作もやっていきたいかなあとは思う。