













Necrobarista
『ネクロバリスタ』は、死者たちが地上で最後の夜を過ごす超自然的なメルボルンのカフェを描いた豪華な 3D ビジュアル ノベルです。ネクロバリスタは、アニメにインスピレーションを得た独特の美学を活用し、アニメーションと映画撮影の使用に重点を置き、プレイヤーを視覚的にも物語的にも魅力的な冒険に引き込む映画のような体験を提供します。ネクロバリスタは、一連のエピソードを通して、さまざまな登場人物の視点から語られる物語を提示し、メルボルンのカフェシーンの超自然的な地下世界を探索します。
みんなのNecrobaristaの評価・レビュー一覧

welwitschia_key
03月13日
思い立ってしばらく前に買った本作をプレイ。他の方々が言っているように、初めはクリックによる会話送りの操作感をはじめとする独特の操作を説明の少なさに少し戸惑ったが、大きな問題にはならなかった。
結論から言うと、個人的にはプレイしてよかったと思えるゲームだった。ぜひ興味を持った方にはプレイしてもらいたい。
ゲームと言うよりは、読み物に近い印象で、プレイした後は雰囲気の良いアニメを見終わった感じと似ていた。日本語訳も素晴らしかったように思う。
特に、発売後に追加されたようであるサブシナリオが印象深かった。これがあるのとないのでは評価がそこそこ変わる気がする。キャラクター同士の掛け合いは、(単純に比較できるものではないし、比較は好きではないが)西尾維新の化物語のキャラクターのやり取りのような面白みがあった。
キャラクターデザインは、静止画より動きがある本編内の方が魅力的に見えることと思う。
本作独自の文字送りとシーンの切り替わりは、テンポ感が良く読んでいて楽しいので、今後もフォロアー的なゲームが出てくると嬉しいと思う。

ホトトギスくん
01月06日
[h3]トレーラー(オープニングムービー)からはめちゃくちゃ面白そうなゲームだと思うけど…[/h3]
思ってたゲームとは違っていたし
テキストは読みづらいし
ワンクリックでもっとテキスト表示してくれとか色々不満はあるが
最後の締めは良かった

Tch
2024年09月14日
とても独自性の高いノベルゲー。
ストーリーが気になり一気にクリアしました。
キャラクターも魅力的で総じて面白かったです。
翻訳も完璧ですんなりと文章が頭に入ってきました。
ただ、ロードがSSDでも長かったりセリフを意図せずスキップしてしまうことがあったりとユーザビリティはそこまで高くなかったです。

定春
2023年11月28日
同じくコーヒーの奴とか、最高の一杯を!のカクテルのとか、スピリットなんたらーとか、僕とママと本の旅人みたいなのとか、その辺をプレイしたので、死生観ものっぽいこちらの評価も高かったのでプレイ。
まだ前半も前半ですが…話のつかみが弱いかもしれないです…最初に主要人物をだしてネクロノミコンの儀式的な事しましたとなるのですが…いまいちどんなキャラクターなのかわかりにくい所も、意図的にそうしてはいるのでしょうけれど…入りにくい。
話しも、もっとこう続きが気になるという感じになりにくい…最後まですればまた変わるのかもしれませんが…。
主人公が中国語を話す…ビジュアル的にアジア人っぽいのはいるけど…中国系なのかな?
でまぁ、中国の会社かと思ったら、オーストラリア…しかも数年前にシナリオライターでいいのか?はファントムとかシュタゲとかさやの歌とかまどかまぎかやサイコパスなどの虚淵玄の作品が所詮エロだからあんなものと一緒にするなと言って炎上した経験あり…と。
ふむ。まぁ、エロがはいるとそう思われるのもわかるが…あれはエロじゃない。ニトロプラスでのデビュー作だったようなきがするファントムはエロだが…というか虚淵さんのはこれしかプレイしたことがないのだが…。さやの歌と並んでいるのを見てそういったのだろうが…まぁあれもプレイしたか…エロっちゃエロもあるが…ありゃ、なんだ…うごめく肉壊に恋をする、うん。わけがわからないがそんなのである。
虚淵さんもまぁ、元を辿ると結構映画とか小説とか別ゲーとかと芯の部分は同じだな…と感じるものも多いが…ファントムはレオンだしサイコパスもクロスチャンネルや映画でも犯罪者になる確率が高いから、今のうちに始末する的な事になって逃げるようなのがあったようなきがするし、個人的に虚淵さんは回り含め、天才系だとは思っているが、元の料理を魔改造する事には長けているが、完全なるオリジナル創作料理は作れないであろう料理人…みたいなイメージではある。
というか、零から一を作り出せる人は、この世にはもういないような気がするが…。
あと、アリスソフトや潰れてしまったがエルフなどエロでも別格な所もあるじぇ。個人的にはブラックサイクが好きだが…ここももう開発やめたのかな?
とまぁ、こんな感じの作者側への感想がでてきたが…まぁ、わからんでもない。哲学的な人生論とかそういった真面目な事を書いたりしているのに。馬鹿みたいな中身も何もないように表面上見えるものが同列に語られるなど笑止千万と真面目系クズに陥ってしまう気持ち…わかる、わかるぞぉ…まして評価されちゃうと尚更なー。
話しが脱線も脱線しましたが…このゲーム自体は最後までするつもりではありますが、システム面も難があるというか…下の方にセリフや文字が出るタイプではなく、ノベルのように画面上に文字がでて、キャラクターが動きはするのですが…もう一文一文事にクリックして進めていくんですよね…オート機能はないのか?と思ったのですが…ないのかしら?
とりあえずほんともうクリックしまくらないといけないんですよね…これ正直苦痛です。
ちょっとそれとって クリック
わかった クリック
ん クリック
…で、それどうすんだ? クリック
てな感じなんで、セリフとかが頭に入ってこねーわけですよ。
テンポの悪いノベルゲームってこんな感じか?と思ったですわ。
とりあえず先もいったように進めてみますが、虚淵さんをディスることを言ったのだからシステム面は兎も角、話やシナリオは自信があるのだろうなと、ハードルを上げてしまってますね~。
が、誕生日となるとみんな祝うが、あれは見方を変えれば死に近づいているのでどうなのか?的なのは面白いなと思った。
冠婚葬祭も長いものに巻かれてるよな~、そうしろ言われてるからそうしてるだけで、なぜそうするのか?などはわからんのではないだろうか…。
そもそも葬式でなぜ悲しまなければならぬのか?生と言うステージを終え、次のステージである死の世界へといき場合によっては転生の世界に赴く魂である。事故死や病死などなら致し方ないが、天寿を全うしたのであれば喜んで見送るのもありなのではなかろうか?…と考えるので。
あ、尚 我が死教においてはネクロノミコンは死者を叩き起こす行為なので禁忌です。絶対にやめましょう。

盃
2022年11月23日
所謂ビジュアルノベル。ゲーム性は皆無。
ビジュアルと音楽は、個人的に強く惹かれました。
特に音楽は Soundtrackを後から購入した位、気に入っています。
この手のジャンルは特に、個人の好みが分かれるとは思いますが
オススメしたいと思います。

yzk
2021年09月30日
あらすじや演出が面白そうだったのでプレイしたが、残念ながら自分には合わないゲームだった。
立ち絵や会話ウィンドウがなく全て3Dモデルで演出するというのは良かったが、ストーリーや演出には不満が多かった。具体的には以下。
・背景説明が少なく、メインストーリーが理解しづらい
・メインストーリーに驚きや新鮮さが無く、先が気になる要素が少ない
・キャラクターの掘り下げがなく感情移入ができない
・サイドストーリーをアンロックする仕組みが面倒
・キャラクターの動くシーンがいつ終わっているのか分かりづらく、無駄に待たされる
・テキストの表示位置が細かく変わるので視点が定まらず読みづらい
・セリフの区切りが細かすぎる。少し会話を進めるだけでも何十回もクリックする必要があって面倒
高評価が多いし雰囲気に馴染める人には合うと思うが、ビジュアルノベルに「驚きのストーリー」や「綿密な世界設定」、「軽快な操作性」を期待する人には向いていないゲームだと思う。

Anhelo
2021年09月24日
テキストのポップがいちいちスタイリッシュ!
ノベルゲー好きには一見の価値があると思います
ストーリーは自分には難しめ
世界観がつかめるまでは???の連続で早く次に進みたい!というよりはじっくりゆっくりやるゲームかなと
まだ途中ですが楽しんでます!

Nagi
2021年09月12日
この作品にビビッときた人は
「イヴの時間」というアニメをオススメします。
舞台設定を見た瞬間、
私はこのアニメを思い浮かべました。

tencho
2021年08月28日
開始から30分以上、ひたすらボタンを押すだけ。
選択は何もしてません。
登場人物たちが色々と話していることを眺めているしかできない。
アニメの様に自動的にストーリーが進むわけでも無いので
ひたすらボタンを押すだけ。
これ、ボタン押す必要ってあるんでしょうか。
慣れの問題かもしれませんが、画面が暗転して何か起こるのかとしばらく待っても何も起きず
なんとなくマウスを触ったら急に進み始めて。
ああ、クリックしないと進行しないんだって理解した時点で。
猛烈に面倒くさくなって、そこでやめました。
非常に好評になっているので多分面白いのでしょう。
私は面白いの前に面倒くさいが立ちはだかってしまったので変わりません。
あと、フルコントローラーサポートってなってますが
どのコントローラーをサポートしてるんですかね。
作りは丁寧なので好感は持てますが、作り手の思いをくみ取る感受性が衰えている老人には
唯々辛いだけです
店長

ドミニク
2021年08月19日
回りくどい割に説明不足な文章は好みがわかれると思うが
3Dとノベルを組みわあせた見せ方ならではの良いシーンが多い
BGMや全体的な雰囲気もGOOD

ファントム中山
2021年08月09日
なんとなく評判がいいと聞いていたので購入しましたが、内容とかどんなゲームなのかまったく知らずにプレイしました。
アニメのような映像がクリックで漫画のように進んでいくメインストーリーに、サウンドノベルのように文字だけで楽しめるサイドストーリーの二本仕立てのこの作品。
メインストーリーのクリア報酬でサイドストーリーを開放していくシステムになってますが、クリア報酬の取得の仕方が独特で、一週目で全開放は無理だなと悟り、とりあえずメインストーリーだけ進めて行きました。
メインストーリーだけ進めたところ、4時間ちょっとで終わりました。
この点に関しては正直ボリューム不足と言えます。
「生と死」を題材に書く物語としてはなによりもキャラへの愛着や感情移入が大事になってくる、それを培うにはどうしてもある程度一定以上の時間が必要となってしまうので、4時間では物足りなさを感じざるを得ませんでした。
ただ、表現方法や「死」に対するキャラの葛藤、立場を超えて仲間を励まそうとする姿など、随所にアツイ展開がありそれをうまく表現出来ていました。
いいなと思ったのはBGMやセリフ回し、全体の雰囲気などが総合して独特な世界観を完成させていて、そこに強烈な個性を持ったキャラクターが上手く溶け合うことで、他とは全く違うゲームへと昇華しているところでした。
今後の作品にも期待したいです。

datsight
2021年06月26日
手放しでオススメできる作品です。強いて懸念点を挙げるならば、
思う存分ワクワクさせながら若干スマートにストーリーを畳まれたな、と感じた部分です。
また、スタイリッシュなPVで勘違いされない様に書いておきますが
「死者が最後の24時間を過ごす場所(紹介文抜粋)」で死因を解き明かすサスペンス系では無い事だけ前置きしておきます。ここさえ把握しておけば上記の懸念点も気にならない事でしょう。

夜勤マン
2021年06月11日
小粋なやり取りが心地良い、雰囲気重視のノベルゲーム
3Dモデルを動かすことで、普通なら文章で表現される細かな動きを視覚的に捉えることができ、より物語の世界観へと浸れるようになっています。
ラストシーンが素晴らしかったので、ぜひ最後までプレイしていただきたいです。

heppoko
2020年12月30日
面白そうと思わせるゲームなんだけど
操作が少々イラッとする
会話などの各シーンで
「自分がクリックしないと進まない」なのか
「単なる間で待ってればオートで進むのか」
がわかりづらい
暗転してる状態で進まないなーと思ってたら
クリックが必要だったみたいな
時々そうなる程度ならいいが、結構な頻度で
そういった事が続くのでストレスになる
会話はプレイヤーのクリックで進ませて、登場人物の行動はオート
にした方が良いのでは?
なんで会話中のキャラの動きにまで
一時停止が入っているのかわからん

kamechan818
2020年12月26日
作者の面白いと思う世界観を延々とカフェで聞かされてる気分になったので購入して後悔した。
最終章あたりで話が繋がる作りなのかと思って最後までプレイしたら2時間以上経って返金不可とかしょうも無さ過ぎます。
ここまで手の込んだ糞ゲーを作る会社があることに落胆。

bunroku
2020年11月30日
3DCGアニメ映画をクリックで進めて見て楽しむといった感じのゲーム。
ボイスは無し。
立ち絵と文章では無く、3Dモデルによる演出とセリフで物語が進むため
ノベルゲームとは言い難い独特な雰囲気が魅力。
一人称視点で自由に動けるパートが設けられていて
物語の舞台となる"死者"が24時間過ごすコーヒーショップ「ターミナル」の景色は最高で世界観に没入できる。
ボリュームはトレーラーやOPから想像するより少なく感じたが
[spoiler] 何故ならOPに登場してるキャラが出てこない [/spoiler]
綺麗にまとまっているし、今後無料アップデートによる追加シナリオが予告されている。
値段もボリュームも映画と同じくらいの気軽さなので
オリジナルアニメ映画が好きな人にオススメしたい。
見終わった帰りにグッズ買う感覚でサントラも買おう。

Sunya
2020年11月30日
ビジュアルノベルとしてのオリジナリティ溢れる作品。
死者が旅立つ前に最後の24時間を過ごす一軒のコーヒーショップ『ターミナル』という名のコーヒーショップが舞台となる物語。
ゲーム性はないので、純粋にストーリーを楽しむのが◎(ただ、個人的にシナリオは非常に難解でした...)
ジャンルファンは、一度はプレイしてみるといいかもしれない。

samuthing
2020年11月26日
3D空間におけるビジュアルノベル表現の正解を見事に成し遂げた作品。
あまりのカットの多さにその作業量は想像を絶するが最後の最後まで手抜き無しに演出されている。
それだけでも価値は高いが、サウンドトラック、シナリオともに優秀な作品。
最後まで作り切りリリースしてくれた事に開発陣へ感謝を述べたい程の作品です。

wise
2020年11月17日
ターミナル。死者が旅立つ前に最後の24時間を過ごす喫茶店。
Va-11 Hall-Aのように、酒を出したり選択肢を選ぶ等のゲーム性はなく、
ゲームというよりはグラフィックノベルといえる。
舞台設定は非常に魅力的であり、自分が死んだときに訪れてみたくなる。
ストーリー自体は好みが分かれるところだと思うが、
壮大な設定に反して内容はかなり内省的で主観的なストーリーだった。
でも、それがよかった。
実際には人生が終わる前の24時間の反省の猶予なんてものはなく、
唐突に終わる可能性だってあるのだから、人生に自覚的になるべきだ。
今日からでも遅くはない。

TiraMisuBaku
2020年08月20日
言葉を魅せるということに特化した、挑戦的なビジュアルノベル。”20年代的な優しいレジスタンス”とでも言うべきだろうか、変化の激しすぎるこの世の中で、これからの私を救ってくれることになるであろう、素敵な言葉にたくさん出会えた。
「死」を扱ったゲームではあるが、テーマは「受け入れること」だと思う。
限られた資源、自分と周囲の食い違い、理想と現実の差、そして避けられない死。
テクノロジーや強い意志で乗り越えるという物語もある。だが今の世の中、変化の方が早すぎて、それが難しいときもたくさんある。
このゲームをクリアした後、それらを受け入れるというのも、ひとつの解決法なのかもしれないと思った。
受け入れることで、問題自体は解決しなくとも、人は前に進むことができる。
そして自分にとって受け入れることが難しい場合にも、きっと誰かが肩代わりしてくれるだろう。

poe_yama
2020年08月16日
[h1]慰むる心は
消ぬるがごとく[/h1]
[u]映画「イノセンス」より[/u]
1~2年ほど前だろうか、単にスタイリッシュなだけではない、何とも目を引く印象的なPVを見た時から購入は決意。
とりわけコロナの渦中ということもあり、ヒキコモリ用品の需要は高い状況ということもあるので、特に悩むことなくポチった次第だ。
やはり本作の魅力は何といっても、このビジュアル。
単に「アニメ風」な絵柄というだけではない、すなわちローポリ3Dモデル&トゥーンシェーダーを用いているからこそ出すことのできるフィールが目を引く。
が、実はこのビジュアル「のみ」に目を向けてはいけない。
実は何気に、[b]アドベンチャーゲーム史におけるレイアウト表現としても、ひとつの終着駅にたどり着いたことについて言及しなければならない[/b]だろう。
コンピューターゲームというものが一般人にも気軽に触れることが出来るようになって以降、「神宮寺三郎シリーズ」「ファミコン探偵倶楽部シリーズ」「スナッチャー/ポリスノーツ」「everシリーズ」「奈須きのこ作品」といった幾数多の名作を生み出してきたが、これらは頑固なほどに「画面上部枠に人物を、画面下部枠に文字を、コマンドがあれば基本左枠に」と、一種の様式美とも言える形で、その画面レイアウトを構成してきた。
亜種として「ふぁみこんむかし話・鬼ヶ島」といったものも存在するが、これはやはり基礎骨格を保ったままでの亜種というべきだろう。
そこにゲーム業界のパンクロッカー、SUDA51氏による「シルバー事件」が登場。
「シルバー事件」は「枠は使うが、枠自体はどこにどのような大きさでレイアウトしても良い」というブレイクスルーを提示した。
「”シルバー事件”以降はこうしたレイアウト部分で大きな動きはなかった」というのが個人的な感想だが(不勉強で、実はすごいレイアウトを備えた作品があったら申し訳ない)、本作はこれら「アドベンチャーゲームにおける、レイアウト枠」を文字通りブッ壊してしまった。
[b]「完全レイアウトフリー・テキストアドベンンチャー」。[/b]
一言二言喋るごとにレイアウト・・・いや、カメラ視線とテクストの表示場所が変わるという、まさに「面倒くささ最恐!(単にカメラ視線とテキスト表示位置だけではない、演技指導も含まれているのだ!!)」のアドベンチャーゲームにおける次世代型レイアウトを提示した。
テキストアドベンチャーはやはりシナリオがキモなので、ビジュアルはアドベンチャーゲームにおける本丸ではないが、しかし、語感に大きな影響を及ぼす部分でもある。
本作以降のアドベンチャーゲームが本作のようなフリーレイアウトを採用するのがスタンダートとなるかどうかは分からないが、新しいフィールを喚起させたことは間違いないだろう。
そして本作はその究極性ゆえに、別の問題も引き起こしてしまった。
つまり、「どこをとっても(漫画でいうところの)2ページ見開きの大コマのレイアウト”だけ”」というビジュアル問題だ。
漫画でいうならば、1ページおよそ6コマ前後のコマで話を流しつつ、大ゴマで読者に”ドン”と印象付けるものだが、本作は”大ゴマのみ”なのである。
別の言い方をすれば、「小さなコマを使えなくなってしまった」とも言える。
例えば、登場人物が不安に押しつぶされそうなシーンでも、”必ず大きな絵を描かなければならない”という問題が発生してしまう。
逆にここで急に”枠”が出てきてしまうと、相当に違和感があるのだ。
自由を手にしたつもりが、逆に気が付かなかった制限をもたらしたという皮肉。
このフリーレイアウトを採用すれば常にこの問題を抱えることになってしまうが、それでもまだ死活問題という程ではなく、演出でカバーできる範囲であろうから、ひょっとしたら些細な問題かもしれないが。
ちなみに本作は「大ゴマだけの表示による”胃もたれ”」の現象は起こさなかったあたり、レイアウトマンの苦労が忍ばれる。
ともあれ、このビジュアルは一見目立たないが、アドベンチャーゲーム業界における一つの到達点と言えるだろう。
本作以降のアドベンチャーゲームがどのように変化するのか?期待したい。
さて、肝心要の内容だが・・・こちらについては[b]正直な所、「ボリューム感不足」を感じた。[/b]
私自身、歳を取ったということもあり、いわゆる「内容メガ盛り」な作品は敬遠したいところだが、それでも「もうちょっとボリュームあっても良くない?」と感じた。
本作「ネクロバリスタ」はメルボルンにある酒も食事も出すコーヒーショップで、生者と死者が行き交う、「次(特に死者にとっては彼岸)」への乗換駅を描いた物語である。
こう言われてしまうと、「”VA-11 Hall-A”のフォロワー的ゲームなのかな?」と思ってしまうが、本作は「VA-11 Hall-A」の様に、多数の人物のエピソードから死と生を取り扱うといったタイプの作品ではない。
”実際問題として”の登場人物は何と、4人。
「人数が多ければ良い作品」などと言うつもりはないが、それにしても随分と割り切っている。
舞台設定からすれば、誰もが肩透かしを食らうだろう。
なるほど、ひょっとしたらビジュアル面に開発リソースを割き過ぎてしまった事や、あんまりアレコレと扱ってしまうと却ってテーマがぼやけてしまうと制作サイドは判断したのかもしれない。
結果として出来たのは、正にラノベ一冊分のボリューム感がある、テキストアドベンチャーゲームだ。
確かに「生と死は人の数だけ色んな思いがあるサ」という、場合によっては”逃げ”でなく、きちっと登場人物なりの言葉で結論を出した部分があるということについては評価してよいと思うが、それでも「え、もう終わりなの?」感がハンパない。
そうなのだ、「いろんな人が行き交う場所で生と死を扱うのだから、色々な生と死が浮かび上がってくるんじゃない?」という事と、「絵にリソースの大半を割いた&言うべきは言った!」という相反する要素でデッドロック(手詰まり)を引き落としているので、もうこれ以上はどうしようもない部分があるが故の、「ボリューム感不足」なのだ。
しかしこの「ボリューム感不足」は次回作への期待が膨らむのもまた事実。
なぜなら「まだまだ使えるネタがたっぷり残っている設定」だからだ。
死霊を扱う魔術師を意味する「ネクロマンサー」と、美味しいコーヒーを提供するスペシャリスト「バリスタ」。この二つが合わさって出来た本作「ネクロバリスタ」。
まだまだ、こんなもんじゃない!
語られていないことはまだまだある!!
マディのエピソードはまだ始まったばかりだ!
次回作への大きな期待を込めて、「いいね!」としたい。

osa
2020年08月15日
最近、死について考える機会があったため、とてもストーリーに共感する部分があった。
演出は、漫画のコマの間を少しの動きで補完するノベルゲームという感じで、面白い見せ方だと思った。
章の合間のストーリーを全部読むのに、キーワードを考えて選択しないといけないので、単純なノベルゲームではないんだけど、そのためだけにやり直すかと聞かれると少し難しいところ。