









Ginka
「君とあの夏に還る…」龍星は、神隠しに遭った幼馴染みとおとぎ話のような夏休みを過ごすため、幼い頃に過ごした穏やかな時間が流れる小さな島に戻る。
みんなのGinkaの評価・レビュー一覧

SOU
2023年12月28日
[h1] ATRIのテーマを別方向から描いた意欲作 90 / 100 点[/h1]
ATRIと比べると...という話をちらほら見かけるが、どちらにも良いところが沢山ある。
GINKAでは恋愛要素に加え、田舎の土着信仰に関連する要素がかなり強めに入っており、クトゥルフ神話TRPGのような戦闘・SF要素が話に盛り込まれている。
このせいで、綺麗にまとまっていた王道のATRIと比べて「分かりづらい」・「話がダレる」といった感想を頂かせる要因になっているように思う。
一方で、これによってATRIでは無しえなかった物語が生み出されたのも間違いない。
イラストが好みなら即買いしても後悔しないと[b]約束[/b]しよう。
そうでなくても、あまりに画面が尊くなるシーンがある。ウッ、唐突なkawaiiの過剰摂取で胸が...パタッ。
[h3]Good Point[/h3]
イラスト・キャラデザ : 文句なしの神。ギンカかわいいよギンカ。
音楽 : ATRIの楽曲と比べるとやや印象に欠けるものの、物語とマッチしていて良かった。
ストーリー(恋愛描写) : 主人公とヒロインの恋愛描写は美しく綺麗に纏まっており、強く感情移入できた。また、本作がATRIの逆方向から「生」と「感情」に焦点を当てていることもふまえると、素晴らしいシナリオだったと断言できる。
[h3] Not Good Point [/h3]
ストーリー(土着信仰) : やや冗長で恋愛描写を引っ張っていた感がある。個人的にはオカルト物は非常に好きなので戦闘描写含め全て楽しめたが、合わない人にはトコトン合わないと思う。
サブキャラの心理描写 : 少な過ぎる。ATRIも多いわけではなかったが、あちらは短い物語の中で頻繁に絡んでいたからこそ一人一人の印象付いたのである。一方、GINKAでは最低限しか描かれないのにヒロインとのイチャイチャが多いため、本当に印象に残らない。そのせいでサブキャラの伏線はないに等しいため、いざ言われてみると取って付けた感がある。その分、ヒロインの心理描写に取られている説はある。
主人公の心理描写 : たまにこれが無くなるせいで、主人公とプレイヤーで共通認識が育てられず、主人公の言動についていけないことがある。シナリオ的な流れはもちろんあるが、たまに主人公の行動原理が分からずに終始?が浮かびながらプレイすることになるので、主人公の気持ちをトレースすることが大切になる。
[h3] 生の感想 [/h3]
エモくなるように描写を詰め込み過ぎた結果、物語後半に勢いが落ちてしまった感は否めない。プレイヤーにカタルシスを与えるためだと考えられるが、SF要素が邪魔になっていまいち活かされていないように思う。
ストーリーの進展の仕方は丁度良かった。プレイヤーが疑問に思うタイミングで解答が明かされるような進み方をするため、疑問を残さないシーンが多かった(その分伏線が弱まってしまった所もある)。
最大瞬間風速が高いというより、中くらいの波が定期的に押し寄せるようなシナリオだった。
再三書くが本当にギンカが可愛い。kawaiiの過剰摂取に注意。

--poq--
2023年12月26日
ATRIやkeyのキネノベのようなヒロイン一人で高水準の美少女ゲームを作ってくれるのは本当にありがたい。
テーマが和風伝奇もの、夏休みというのも好みで良かった。
作品のレベルは非常に高く普通にオススメ。シナリオは予測がつかない展開で楽しく読め進められた。
ただ鬱ゲー・離別エンド好きとして残念だった部分もある。
まず、バッドエンドが雑。4つバッドエンドがあるがそのうち3つは主人公が死んで暗転で終わる。特にNEXTのバッドは死んだその後を丁寧に描いて欲しかった。ATRIのバッドエンドがとても良かったのでなおさら惜しいと思った。
一方のトゥルーエンドはハッピーエンドなのだが[spoiler]パラレルワールド[/spoiler]を使用してしまって安直すぎた。
流星と銀花、片方が死ぬ離別エンドが見たかった。正直NEXTないほうが読後感は良かった。
また今作はバトル描写が多くここは読んでいて少し痛々しかった。

Aoiyu
2023年11月28日
[h1]穏やかな夢、されど確かにそこにあったかけがえのない夢だった[/h1]
結論から言うと、総評価[u] 星4 [/u]。
世界観、キャラ、ボイス、背景、ストーリーが高水準でした。
離島だから都会で味わえない一瞬の美しさや夏の尊さを味わえた1作でした。
ではそれぞれカテゴリごとに評価していきます。
[h3]良かったところ[/h3]
キャラクターボイスはプロの声優さんたちが感情豊かに表現しており、またキャラの感情を良く乗せていました。特にヒロイン役を務めた長谷川育美さんの状況に応じた声質の変化は見事の一言でした。
また、音楽関係は聞き逃せません。世界観に合ったBGMは物語の没入感を高めてくれる完璧な構成でした。「夢の繭」、「カタシロと願い」はずっと聴いてられるぐらい美しい…。
さらにCGや背景画の美術関係は離島が舞台というのを活かし、緑豊かで水の表現を見事に美しく表現されていました。こんな離島であれば行ってみたい、そう思わせてくれます。
最後に、キャラクターの設定はみんな魅力的で、特にギンカの愛らしさと美しさはプレイヤーをきっと夢中にさせてくれることでしょう。
[h3]悪かったところ[/h3]
演出面は良くも悪くも回想に頼っている点が目立ちました。こういう長編ストーリーにありがちな「中だるみ」というのを回避したかったのか、物語の進行が速いスピードで進んでいきます。その為、作中の一日の流れは早く、場面が飛び飛びになります。飛んだあと、直ぐに主人公は回想でこういうことがあったと結論に至るまでの会話内容を述べます。取捨選択した結果だというのは理解できますが、毎回こういうのが続くと主人公に感情移入がしづらく、道中の会話でキャラをもっと知りたい方は辟易するかもしれません。
また、演出面は他にも感動的な場面でアイキャッチを入れて切らないほうが感情移入ができた、説明不足のまま突然主人公が解決に向けて動き出すなど、演出面やストーリーが惜しいところがあり、これが解消していれば☆5は確実でした。
[h3]具体的な点(以下ネタバレ)[/h3]
[spoiler] 終盤の主人公流星が、銀花の夢のループに入った際に他のキャラを認知できなかったにも関わらず、どのようにして彼女のカタシロが希望の鍵だと思い立ったのか、説明が省かれていました。その為、ループ中に突然流星がカタシロを見つけ出せばループを抜け出せると行動に移していたので、プレイヤーは置いてけぼりにされます。
エンディング前の再会はヒロイン視点で失意に沈んだまま現世に戻ってきましたが、そこで再会する主人公に涙を流します。BGMも相まって感情が揺さぶられましたが、一回アイキャッチが入ってしまったためBGMが途切れ、視点は主人公に戻り続きが語られますが、感情はすっかり平時に戻ってしまいました。あのままヒロイン視点で続いていけば私の涙腺は崩壊していたでしょう。
そして、今回の世界観は現世と隠し世を夢という媒体で繋ぎ、神様の能力は因果律の操作という関係で、結末はご都合主義に近い展開になります。勿論、今までの設定を総合的にみれば考えられる良いご都合主義ではありましたが、もう少し神様が救われる話を丁寧に、感情を重くするようなストーリーがあれば、より納得できる材料になったかと思います。まさに、御伽噺のような夏休みでした。
最後に、EDテーマが流れた直後後日談やグランドエンドは無く、終幕を迎えます。もしかしたら隠しルートがあるのかもしれませんが、本音を言えば幸せになった後の話も見てみたかったと思いました。ゴン太が何者だったのか、銀花と母の日常の説明も欲しかったです。さすがに恋人関係になった幼少期を改変でED入りは予想外でした。[/spoiler]
勿体ない部分があり、同じスタッフが手掛けた【ATRI my dear moments】と比べると少し劣ってしまったかなという評価ですが、全体的に上手くまとめられており、物語が停滞することなくずっとワクワクさせてくれる高水準な物語でした。もしアニメ化すれば、覇権は間違いなく取れるでしょう!
EDテーマを歌唱した青木陽菜さんはとあるキャラのCVを担当していたというサプライズもあり、EDのピアノは高尾奏之介さんが担当しているというのも嬉しい驚きでした。
最後に、[b] 銀花[/b] は外見と内面も含めて登場時にドストライクでしたし、終盤での変遷は大変好みでありました。特に、稀な汚い言葉遣いはお気に入りセリフに登録しました。アスタ先生には大変感謝申し上げます。

midorineko
2023年11月20日
全てここに書きました(後半ネタバレあり)。
おススメ度は8/10。ATRIには及びませんが、まあ良作です。
https://www.midorineko.work/entry/GINKA

Minomushi_wataru
2023年11月15日
[h1] 長い長い夢のような、でもそこに確かにいた [/h1]
ほんとに長い夢を見ていたような気分です。
昔、島で神隠しにあった幼馴染「銀花」と再会し、ひと夏を過ごしながら神隠しの真相に迫る恋愛&伝奇モノです。
[h3] 良かったところ [/h3]
[list]
[*]音楽、BGMは完璧(自分はED曲がとても好きです!)
[*]CGもめちゃくちゃ綺麗
[*]お気に入りのセリフが登録できるところ(150個登録できますが、自分は厳選してやっと150個に収めることができました。それくらい声優が良い。長谷川育美さん最高!)
[/list]
[h3] 人を選ぶかもしれないところ [/h3]
[list]
[*]基本的にストーリー終盤に行くにつれて難解さが増します。
[*]伏線が足りないところは後々回想シーンや過去ストーリーを挟むことで説明しているので、一回最後まで読んだ後に因果関係や真相の時系列を正しくまとめる必要があるかも...(お前の読解力がないと言われればそこまでですが...)
[*]伝奇要素は特にちゃんと理解する必要があると感じました。
[*]ちゃんと理解できなかったら「ギンカちゃんかわいかったな」で終わるし、ちゃんと理解出来たらほんとに感動するストーリー
[/list]
[h3] 以下ネタバレを含みます。 [/h3]
[spoiler]
「神様」「お役目様」「願い」「呪い」の関係がややこしいので、注意が必要です。
個人的に一番刺さったセリフが「私をあなたの人生の意味にしないで!」
草二、お前がヒロインだ
[/spoiler]

Naoki135
2023年11月06日
[h2]クリア後に"とても長い夢を見ていた"ような感覚になる作品[/h2]
「ATRI -My Dear Moments-」のスタッフが再集結して開発されたビジュアルノベル
ATRIの開発にも関わったFrontwingからリリースされた
ストーリー・キャラクター・音楽共に非常に完成度が高いタイトルで
なんといってもメインヒロインのギンカがめちゃくちゃ可愛い
SF要素が強かったATRIとは異なりGINKAは日本古来の伝統的な神事や神様・願い事や呪いがストーリーの重要な鍵となる
恋愛要素はあいかわらず切なく感動的でボリュームも個人的には丁度よかった
自分はOP・EDテーマや各種BGMを収録したサントラが発売されたら絶対に購入すると思う

shu
2023年11月04日
[h3]切なくて苦しくて、でも一途な強さを感じる良作。[/h3]
キービジュアルやPVを見て、雰囲気に惹かれたなら購入して損ないと言い切れます。
10時間程度で終わるボリュームで、テンポが良く無駄な展開もないので、中弛みせずサクッと読み進められます。
イベントCGやBGMはもちろん、長谷川育美さんをはじめとする声優陣の演技も素晴らしく、盛り上がるシーンでの臨場感は文句なしです。
目を背けたくなるような辛さがあり、でも決して折れない芯があり、思わず涙腺が緩んでしまう、読了後は胸がキュッとする物語です。
ヒロインの銀花ちゃんが可愛く魅力的に描かれているのはもちろん、主人公である流星がきちんと青羽流星たる個性を持っていて、没入度が高かったです。回想を頻繁に挟みバックボーンを重ね塗りしていくことで、キャラクターの葛藤や成長が肌に感じられました。
間違いなく値段以上の価値がある物語です。オススメです。
以下ネタバレ感想↓
[spoiler]個人的に、「流星を恋い慕う気持ちを彼の命と引き換える」という設定がすごく刺さった。「夢」の世界でギンカとひまわりが「好き」とは何かを語るシーンがあったが、それがこの物語の「核心」を突いている。自分以上に相手を慮る気持ち、それが「好き」の正体なんだと思う。それは時に残酷で、負の感情と表裏一体の関係にあるとても不安定なものだけど、人を生へと向かわせる前向きな情動でもある。美しかった。[/spoiler]
[spoiler]2人の運命の分岐点である夏祭り後の教室で物語がラストを迎えるのは、流星と銀花の物語として完璧なラストだったと感じるけど、個人的には2人のその後(の掛け合いとか)をもう少し見てみたい。(イチャイチャが大好物なんだよ…。)[/spoiler]
[spoiler]『GINKA』っていう単純だけど多重な意味を持ったタイトルが、読了後タイトル画面で余韻に浸る際に、心に沁みる…。[/spoiler]

ねるねる・センチネル
2023年11月03日
イラストに魅かれて初めてノベルゲームを買いプレイしました
こんなにも素晴らしいものとは思っていなかった・・・
言葉とイラストだけだというのに長く良い映画を見ていた気分
このようなストーリーは大好き、泣けます、お勧めできます