HellSinker
このジャンルの最高のメーカーに影響を与えた伝説的な SHMUP である Hellsinker が、最も先進的な形式で Steam で利用できるようになりました。ゲームプレイ、ストーリー、グラフィック、音楽までもが一体となった高次元のシューティングゲーム!
みんなのHellSinkerの評価・レビュー一覧
makise_sora / 牧瀬空 [JP]
2019年07月20日
[h1]ゲームシステム、ビジュアル、物語、
そして音楽のすべてが一つの思想のもと高次元に融合したSTGの到達形[/h1]
本作を初めてプレイされる方は、この言葉を覚えておくと良いだろう。
どうみても誇大広告のような表現だが、真相にたどり着けば実に的を射ている表現だとわかるはずだ。
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[h1]◆特筆すべきは表現力◆[/h1]
高難易度弾幕シューティングであり傑作と呼ぶべき作品。
多くのサイトで非常に担ぎ上げられている作品だが、「触るだけで楽しい」以外の魅力を一つだけ挙げるとするなら「表現力」だろう。
本作にも真相と呼ぶべきものはあるが、それは入り口に過ぎない。
真相自体は真エンドの先にたどり着くとわかるものの、それをさらに考察し、そこに込められたメッセージを理解して初めて意味のあるものになっている。
メッセージ自体も単純なものなのだが、それをこのような形で、それもシューティングというゲームジャンルで表現されたことに驚嘆した。
言葉や演出でメッセージを伝えるゲームは多いが、そのゲームすらも使ってメッセージを伝えた。
それをこのレベルで表現できるクリエイターはほとんど存在しないだろう。
そう思えてしまうほど表現力が極まっている作品だった。
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[h1]◆シューティングとして、考察力としての難しさ◆[/h1]
ただしそれを知るためには、最低でもSegment 4ボスを撃破しないと真相の片鱗すらつかめない可能性が高い。
加えてステージごとに選択できるSEGMENT LOCATION(プラクティスモード)ですらSegment 4をノーコンティニューでクリアしないと出ない。
それはシューティング的な難しさもあり、真相を考察する推理力もあり、万人がたどり着けることはない。
そのため本作がどういう作品なのかを知るために、真エンドや真相考察について書かれている書物を読んでも良いだろう。
そもそもSegment 4ボスですらかなり手強いのだが、
そこで詰んでしまうと「グラフィックと音楽の一体感や雰囲気は良いが、ただの操作方法が難しいシューティング」になってしまう。
その先の先にこそ多くのプレイヤーが絶賛した真実がある。
まずはこの事を知っているかで本作の評価が変わってくるだろう。
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[h1]◆一体何が難しいのか◆[/h1]
本作が高難易度だと呼ばれる理由は、難解なシステムと操作方法のわかりづらさが大きかった。
だが[url=https://tonnor.booth.pm/items/1187721]DL版[/url]から追加されたチュートリアルでシステム面はほぼ説明されており、システム的な難しさはある程度減ったと言える。
タイトル画面もわかりにくいだろうが、
[u]左右キー[/u]:自機変更
[u]上下キー[/u]:項目選択
となっているため、一度覚えればわかりやすいだろう。
反面、操作方法のわかりづらさは依然として変わらないようだった。
本作は弾幕シューティングに属する作品だが、他作と違って「的弾の低速化・破壊・無効化」や「一定時間無敵になる攻撃」などが非常に重要になっている。
特に本作でボムに相当するディスチャージは頻繁に使えるため、普通とは違ったプレイ感になるだろう。
例えば一番初心者向けと思われるMINOGAME(蓑亀)の操作方法は以下のようになっている。
※わかりやすさを第一としているため、詳細な仕様を省いています
[h1]MINOGAME(蓑亀)の操作方法[/h1]
[b] <メインショット>[/b]
[u]単発で押す[/u]:前方にショット
[u]押し続けてから離す[/u]:周囲に攻撃判定&敵弾低速化のあるバリア。バリア中に連打するとバリアの持続時間が短くなる反面、火力がものすごく上がる。
[b] <サブウェポン>[/b]
[u]メインショットを押していない状態で押す[/u]:ワイドショット。ゲージ満タン時に撃つと高威力のホーミングレーザーに。
[u]メインショットを押し続けている状態で押す[/u]:中距離前方に範囲攻撃。ゲージ満タン時に撃つと輪っか状になり、中に入っている間は無敵・障害物無視状態に
この中で重要なのが「メインショットを押し続けている状態で押すサブウェポン」の無敵になれる範囲攻撃であり、これを上手く使えるかどうかでかなり違ってくる。
普通のシューティングではボムでしか見かけない無敵を頻繁に使えるため、この利点は大きいだろう。
よって基本的には
メインショットを押し続けてバリア展開→サブウェポンのゲージが溜まったら範囲攻撃を使用→その中に入ってメインショット連打(→ボムが溜まっていたらボム)
が非常にかなり有効である。
※ボムを使用するとSOLが下がる(メインショットなどの威力)ため、むやみに使用しないほうが良いかもしれない。
この戦法は初見殺しの4ボスでも有効であるため覚えておいて損はないだろう。
ただし場合によってはメインショットを押さないサブウェポン(ホーミングレーザー)のほうが使える場面もあり、攻撃方法の取捨選択が大事という意味ではシューティングらしかった。
なお、これは「MINOGAMEの操作方法」であることを留意しておきたい。
別の機体は全く別の操作方法になり、合計で7つの操作方法を覚える必要があるため、そういう意味では敷居が高いかもしれない。
また本作にはチュートリアルで語られる以外の仕様も相当数存在する。
そういう意味でもゲームフォルダ内のinstruction内にある「概要と手引き」はとりあえず目を通すべきだろう。
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[h1]◆あくまでシューティングな作品◆[/h1]
大事なことは、本作はあくまで「高難易度シューティング」であることだ。
難しい操作を覚えたので一人前ではなく、それからが本番と言っても過言ではない。
シューティング特有の初見殺し、パターン化、弾避け能力に的確に攻撃する精密さ…
その難しさはSegment 4ボスで正体を表し、初見殺しやパターン化を当たり前のように要求される。
Segment 6以降の難しさも苛烈を極める。
操作方法を覚えるのは手段に過ぎないことを実感するだろう。
過去作の「らじおぞんで」を未プレイの方はプレイどころかタイトル画面ですら面食らう可能性もあるため、そういう意味でも高難易度なのだ。
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[h1]◆プレイするだけで楽しかった作品◆[/h1]
Hellsinker.といえば表現力の高さを取り上げられがちだが、触っていても楽しいシューティングだった。
グラフィックとBGMはまさに一つの世界と言えるほどの一体感であり、ゲージが溜まった時のボイスSEですらBGMの一つになっているほどだった。
様々なシューティングをプレイしてきたが、触るだけで楽しいシューティングは久しぶりだった。
弾幕や演出も非常に良く、特にラスボスLv3のあの演出は見ただけで鳥肌が立つほど。
シューティングとしては非常に珍しく、BGMとボスの弾幕がシンクロしているのもポイントが高い。
steam版ではオリジナル版にはなかった「info augmentation(拡張表示)」も追加されている。
こちらは様々な追加情報を表示させることができるようになり、チャージのタイミングなどがよりわかりやすくなっている。
特にオリジナル版では左のゲージかSEでしか判断できなかったチャージタイミングが、自機周辺の輪っかを見るだけで判断できるようになったため非常にプレイしやすくなっただろう。
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[h1]◆終わりに◆[/h1]
シューティング好きには諸手を挙げておすすめする作品だが、やはり難易度の高さと操作の分かりづらさがネックになるかもしれない。
ただし触るだけで楽しい感覚は本物であり、たまに起動して遊びたくなる、そんな楽しさがある作品だった。
過去作には「1面ですら怒首領蜂大往生最終ステージを超える」と言われるほどの超高難易度シューティングである[url=https://www.vector.co.jp/soft/win95/game/se313786.html]らじおぞんで(フリー作品)[/url]が存在するため、まずはこちらをプレイして滅殺地獄を味わうのも良いだろう。