







ファンタズム
マスター ストーリーテラーのロバータ ウィリアムズが、究極のインタラクティブな悪夢の体験に挑戦します。
みんなのファンタズムの評価・レビュー一覧

HAKASE2772
2017年04月23日
B級映画のノリの大人向けホラーアドベンチャーゲームです。
マルチメディア技術が注目された1995年に、超過激で残酷な描写、CD-ROM7枚組、実写と3DCGの合成技術、などで話題になり世界中で発売されたゲームです。ホラーゲームの歴史を語るには欠かせない1本で、発売当時のDOS版をDosBoxを使ってWindowsで動かせるようにしたものになっています。
日本でも「ファンタズム」という名前でWindows版が発売されていて、当時購入してクリアしたのですが、最近のWindowsでは動かなかったので購入。最後までクリアしてのレビューです。
洋館を格安な価格で購入したカメラマンの夫を持つ小説家の女性が主人公で、次々に奇怪なことが起きる洋館の謎を解き明かしていくストーリーです。軽い性的な描写に加え、かなりひどい残酷な描写が実写で表現されるので、完全に大人向けな内容になっています。ラストもあまり救いがない感じでB級感満載です。頭がぐちゃっとなるような超過激な映像も流れるため、苦手な人向けにモザイクをかける機能もあります。
会話などでは字幕が出ないので英語の聞き取りが必要になります。日本語版のCD-ROMで日本語化できないかいろいろと試しましたが、ヒントの音声だけしか日本語化できませんでした。
ゲームはマウスカーソルが赤く変化する所をクリックしたり、アイテムを選択してからクリックすることで進行していきます。画面は今見るとさすがにチープに感じますが、当時最先端の技術を駆使して3DCGと実写を合成したものになっています。この時期としては謎解きは比較的簡単な部類で、解き方が複数用意されているものもけっこうあります。行き詰っても画面左下のガイコツがヒントをしゃべってくれます。ただし、ホラーシーンのいくつかは体験しなくてもストーリーが進められるので、ヒントに頼ってクリアを優先すると多くのシーンを見逃すことになります。
最終章の後半はセーブデータが自動で上書きされるため、章開始時点でインストール先のPhantフォルダ内のPHANTSG.で始まるファイルをバックアップしておいた方がいいかもしれません。一応、ゲームはどの章からでも開始できるようになっていて、最終章から始めてもクリア可能です(クリア方法に分岐はありますがエンディングはひとつです)。
過激で残酷な映像が苦手な人には全く向かないゲームです。逆にそういった映像が好きな方や、B級映画の雰囲気が好きな方、昔のアドベンチャーゲームが好きな方、コレクション的に持っておきたい方や、ホラーゲームの歴史を語るうえで重要なゲームを体験したい方にオススメします。