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The Last Companion

The Last Companion は、独立系ゲーム制作チーム Lingtan Studio によって制作されたビジュアル ノベル (アドベンチャー ゲームのサブジャンル) です。

PC
2019年10月18日
シングルプレイヤー

みんなのThe Last Companionの評価・レビュー一覧

Win-CL

Win-CL Steam

2022年04月12日

The Last Companion へのレビュー
5

日本語化はできたけど、開発者とのコンタクトが
WeiboかテンセントQQしかないためパッチ公開もできない状況。
(許可なしでの公開はグレーゾーンなので)
SteamかTwitterないし公式サイトに窓口作ってくれないかしら。

[h1][b]『死ぬ前に必死で誰かを好きになりたい』[/b][/h1]

タイトルを日本語にすると、
『最後の伴侶~旅立つ小さな友達と私』

この作品を一言で表してしまうと
『末期病患者の少女と、彼女と偶然に出会った青年の物語』
というさんざん手垢のついた設定かなと。

出会い、短い短い“恋愛ごっこ”、そして別れ。
本当に、作品の説明はこれだけで終わってしまうレベル。
[spoiler]作中に死別するわけではなく、
別れて闘病中の彼女の手紙を読んだところで物語は終わる。[/spoiler]

他の中国人Steamerのレビューにあるように
“君の膵臓を食べたい”や“百曲~Bai Qu~”といった
死生観を扱った作品を思い出す人も多いようです。
(自分としては『ナルキッソス』もオススメ)

似たような内容の作品の名前を幾つか挙げると
『じゃあいいや』と離れる人がいるかもしれないが
しかしその反面、『それならば』と手に取る人もいる。

人というのは往々にして[b]“別れの物語”[/b]に惹かれるものです。
(かくいう自分もその一人)

ゲームの紹介文には選択肢によるマルチエンディングと書いていますが、実際は一本道のノベルゲーで、プレイ時間は適当に読み進めば1時間程度。実績についても、読了段階で全実績解除していました。

『全てを後回しにしていると、
もしかしたら忘れ去ってしまうかもしれないし、
その機会は無くなるかもしれない』

末期病患者のヒロインの言葉の重みが
作品にも幾分かの深さを与えており

『生きている間にできること』を、と奔走する姿は
やはり幾分かのドラマを垣間見ることができます。

どうやら原作があるらしく
調べてみると、中国の小説投稿サイトである『轻之文库』で
(日本でいう『小説になろう』や『アルファポリス』的なもの)
短編コンテストに応募された作品でした。
(受賞したのかはざっと見てもわかりませんでした)

ざっくりと目を通したところ
ラストの展開含め、幾分かゲームの内容の方が
原作に比べてブラッシュアップされています。

アマチュアのコンテスト参加作品に
イラストと音楽とCVを付けてノベルゲームとして出す試みは
このケースで見れば十分成功しているのかな、と。

少なくとも、ただ小説で読むよりは
ずっと作品を楽しめたのは間違いありません。

正直、短すぎて感情移入する前に終わる人もいるかもしれない。
でも、ヒロインである小欧(シャオ・オウ)が可愛いからいいのだ。

定価で205円ですし、良くも悪くも値段相応。
さっくりと“別れの物語”を楽しみたい人にはオススメ。
泣くまではいかなくとも、あの独特な読後感を味わえる。

『なんで女ってのは、毎度似たような恋愛映画を観たがるんだろうな?』と思っていたけれども、結局根っこのところでは同じような感覚なのかもしれない。作品の数だけ、違った別れがあるのだから。

冒頭に書くのを忘れていましたが
言語が中国語のみの、全年齢ノベルゲームです。
エロい描写はないので期待しないように。

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