







ザ シュラウディッド アイル
The Shrouded Isle はカルト村運営シミュレーターです。人々はあなたにリーダーシップを求めています。嵐が押し寄せ、波の下にあるものが目覚める恐れがある中、5 つの家族が権力を争う。古代の暗い伝統に従い、適切な犠牲が払われるようにしながら、村に食料を与え、住居を与えましょう。
みんなのザ シュラウディッド アイルの評価・レビュー一覧

Haco Slacker
2017年08月20日
Ver.1.1におけるレビュー。全実績解除(17時間ほど所要)の上、起稿しています。慣れれば1回のプレイ時間は1時間もかかりません。
[h1]Pros:[/h1][list]
[*]シンプルなマネジメントルール
[*]ツートンカラーを基調としたアートデザイン
[*]雰囲気を盛り上げるサウンド
[*]クリックのみで完結する簡単な操作
[*]ランダムロールによるリプレイアビリティ[/list]
[h1]Cons:[/h1][list]
[*]ルールセットが単一
[*]強制イベントによる介入がない[/list]
[h1]習熟コストが低く中毒性の高いマネジメントゲーム[/h1]
孤島にあるカルト教を信奉する村の司祭長となり3年後に訪れるとされる終末を迎えるべく村民の信仰と支持を保つマネジメントゲーム。村には密かに信仰を妨げる悪徳を有する罪人が息づいており、平穏に約束された日を迎えるためにはそれまでに罪人を見つけ出し神への供物として捧げねばならない。レビ記の贖罪の日に捧げられたスケープゴートの如く。
村には信仰を支える5つの従事すべき責務(無知/情熱/自制/後悔/服従)があり、村の有力家系5家族それぞれがクグンニ家であれば無知といったように監督する責務を司っています。各家族は男女混合の6名で構成されており、それぞれが徳と悪徳を併せ持っています。この[u]家族構成と個人が所持する徳と悪徳はボードゲームのように毎回ランダムで組み変わる[/u]のが特徴です。
プレイヤーが行えること自体、実はそれほど多くはありません。「季節ごと(3か月周期)に評議会への代表を村の有力家系より選出すること」「代表選出の際に(一定以上の支持を得ていれば)調査を行えること」「評議会の代表から各月の顧問を選択し責務に従事させること」「四季の終わりには評議会の代表から生贄を選ぶこと」「時折送られてくる封書の対応をすること」ぐらいです。文字で起こすと大層な響きですが、[u]本作は至ってシンプル[/u]です。
本作のゲームオーバーの条件は2つあり、1つは従事すべき責務が規定値以下を二季連続で取り続けること。もう1つは各家系の満足度が反逆的の状態を二季連続で取り続けること。シンプルとはいえ、マネジメントである以上悩みは付きものです。
先述の徳と悪徳は顧問として責務に従事させた際に、それぞれ徳はプラスとして悪徳はマイナスとして作用します。最初は両方とも隠匿されており、代表選出の際に調査するか繰り返し責務に従事することで明らかとなっていきます。また各家系の満足度は顧問として責務に従事するか否かで上下します。顧問は同時に1名~3名で従事でき、単独で従事した方が能力発揮と満足度上昇ともに大きなものになる点も特徴です。[b]顧問の選択[/b]だけでも、悪徳による責務へのペナルティと非選択による満足度のペナルティが発生するため、[u]プラスだけを享受することができないゆえのジレンマ[/u]が生じます。
[b]生贄の選択[/b]は最も大きな影響を与えます。最も重篤な悪徳を全て見つけ出すことがクリアの条件となっていますが、悪徳が判明していない場合もあり得ます。未確定の悪徳であったり軽微な悪徳の者を生贄として捧げると、その家系から大きな反感を得ることになってしまいます。また重篤な悪徳であってもノーリスクではいられず、少なからず反感を買うことは避けられません。しかし生贄として捧げた場合のみ、徳と悪徳が反転して責務に加点される特徴もあります。神のお告げで示された罪人を引き当てることができた場合は次の罪人のヒントが得られ、最優先で従事すべき責務も変更されます。
マネジメントリソースとしては従事すべき責務と満足度のたった2つだけということもあり、習熟コストはそれほど高くないと言えます。ランダム配役によってリプレイ性を保っていますし、簡潔な操作で制限時間のような焦らせる要素もないため、じっくりと時間をかけてプレイすることが可能です。派手な画面効果や処理を行っていないため、低スペックのPCでも動作が見込まれます。また作中の言葉はローカライズ済みで、その完成度も高く言語による障壁はありません。但し、核はマネジメントにあるためシナリオやストーリー性は薄く、世界観を構築するためのフレーバーに近い位置づけです。
クリア自体はそれほど難しくなく、数回もすれば誰でもクリアできるバランスになっているように思います。シンプルながらもバランスの取り方が巧妙で、早期に罪人を見つけることができれば楽をできる一方、その逆であれば上昇する値と下降する値の総和を取ることで容易にジリ貧になることが想像できます。封書によるランダムイベントは任意であるため、強制的な介入イベントがあったり、全責務を規定値以上かつ罪人を全て見つける以外のクリア条件(ルールセット)があれば、よりボードゲーム的発展を見ることができたでしょう。しかしながら1000円を切る安価な定価であり、短時間で完結する本作はかなりの中毒性を持っているためボードゲームが好きな方には特にオススメできます。
[b]P.S.[/b] とても面白かったので興味から宗教団体と宗教法人の違いや国内での宗教法人の作り方などをついつい調べてしまいました。国内では法人化への門戸は結構厳しい模様。

総帥閣下
2017年08月11日
[h1]プレイ所感[/h1]
プレイ時間を確認するに61分。クリアして二週目を二季ほど遊んでこれだから、一周あたり45分というところだろうか。
レビューでプレイ時間は二時間弱と読んでいたものだから、少々、というかかなり拍子抜けだ。
リソースを管理しつつ、「これはだんだんジリ貧になってきたなー」と思い始めたところでゲームクリアとなったので、肩透かしを食らった気分である。
[h1]ゲーム内容[/h1]
プレイヤーは邪教の司祭長となって、三年後の世界の終末まで邪神の教えを守り抜くべく、田舎のとある村を管理していく。
カルトは現地の有力者たちと一体化しており、プレイヤーは5つの貴族家系の力を借りながら管理するのだが、この宗教特有の戒律として、季節ごとに一人(つまり年に四人)の生贄をささげなければならない、というものがある。プレイヤーは各家系の忠誠度と、それぞれの家系が担当する5つの美徳(教えの実践度)に気を配りながら、誰の助けを借り、そして誰を生贄にするか選ばなくてはならない。
[h1]内容の詳説[/h1]
順を追って書いていこう。ゲームが開始し、OPが開けた時点でプレイヤーが目にするのは、村の地図と、そこに書き込まれた大聖堂、そして5つの邸宅の絵である。このうち大聖堂はたまにランダムイベントがある時以外は特に機能がない。メインとなるのは邸宅の方だ。
各邸宅に住んでいる貴族は、邪教の支配階級の人々であり、各々が六人家族を構成している。季節の初め、プレイヤーは各家系の司る「美徳」(ややこしいので以下では「戒律」と表記する)の実践者を、その家系の中から「顧問」として選ばなければならない。
選ばれた5人の顧問たちは、それぞれの家系が司る戒律を実践し、対応するパラメータを上昇させるが、一月に働けるのは最大で3人まで。働く人数が少ないほど、顧問のもたらす効果と、重用した顧問の属する家系の忠誠度は上昇する。
一季節は三ヶ月で構成されるので、選んだ顧問たちは三ヶ月間は交代させられない。
さて、ここで問題となるのはもちろん、誰を選ぶべきか、ということである。それぞれの人物には個性があるので、誰でもいいというわけにはいかない。ゲーム史を振り返れば、個人の性格や能力を反映するという試みは古くからあり、HPだの攻撃力だのといったパラメータが作られてきたが、このゲームにそんな複雑なものはない。あるのはプラス特性(美徳)とマイナス特性(悪徳)がそれぞれ1つずつ。その効果も単純で、プラス特性は5つの戒律のいずれかをいくらか上昇させ、マイナス特性はその逆の効果をもたらす。
これらの特性はゲーム開始時には秘匿されていて、彼らを擁する家系の手を借りるか(「中立」以上の忠誠度が必要)、顧問として重用するうちに明らかになっていく。ゆえに、初期段階では誰を顧問に選ぶかは半ば運任せになる。
これだけでも一応ゲームとして成り立つが、本作にはさらに「生贄」の要素が存在する。プレイヤーは季節の終わりに、必ず一人の生贄を邪神に捧げねばならない。しかも厄介なことに、この生贄はなぜか顧問の五人の中から選ばねばならないのだ。
家族を生贄にされた家系との関係は、当然ながら悪化する。しかしその被害を最小限に抑える方法もまた用意されている。それは重大な悪徳(横領や反逆など)を抱えた者を選ぶことだ。プレイヤーが悪徳を明確に把握していれば、家系も渋々ながら生贄に同意し、忠誠度をそれほど損なわずに済む。
処刑が認められるほど重大な悪徳は、顧問して重用した時のマイナス効果も極めて大きく(具体的には-30が該当)、早い話が、大罪を背負ったものをいかに早く見つけ出して生贄にしてしまうか、がキモのゲームなのだ。
[h1]評価[/h1]
何より問題なのは、誰を生贄に選ぶべきか、という問いへの答えがあまりに明確なことだ。重大な悪徳を持つ者が見つかればそれを生贄にすることに何の障害も躊躇もなく、逆に見つかっていない時は、基本的に有能な美徳を持つ者だけを生かしながら切り捨てていく。そして翌月は、生贄を選ばれた家系を優先的に重用してやって、忠誠度の回復を計れば良い。「中立」以上に保ってさえいれば個人調査は可能なので、特に困ることはない。
このように、管理ゲーではあるが、バランスを取ることさえ意識していればそうそう判断を誤ることはないし、正しい判断をしていても運次第ではどうにもならないこともままある。要するに、考える余地がそれほどない。
筆者としてはシングルのPCゲーではなく、複数人で遊ぶボードゲームにした方が面白く仕上がったのではないかと思う。相手の手札を見透かし推理する、というステップこそ、このゲームに必要だったのではないか。
現状では淡々とリソースを管理し、淡々と秘密の特性を開示していく。生贄にすることに心情的な躊躇いがないこともあって、本当に黙々と間引いていくだけのゲームになってしまっているのだ。
アップデートで変化する可能性はあるものの、少なくとも今の時点では、リソース管理がしたい人にも、カルトのフレーバーに惹かれた人にもおすすめしない。

kagerou01gata
2017年08月07日
「ああ、我らが献身の報いし刻は来たれり。いざ御身を顕現し、この苦しみからお救いください」~『太陽が再び登る夜』:アイルランド(1992年)
呪われし島のカルト教祖となって村民を導く……と書くと、絶大な権力を使って反逆者を制裁したり、よそ者を秘密裏に暗殺したりするゲームに思いますが(私です)、実際は村の有力者と適当に距離を保ち、信仰を絶えさせないように頭を抱える中間管理職ゲームです。
シンプルながら腹を痛めるシステムと、陰鬱なビジュアルとBGMも相まって、実に暗黒味(あんこくテイスト)が深い作品です。ちょっと時間ができたときにもできる手軽さも魅力なので、悩んだら買い。

YAJIRI
2017年08月06日
未クリア/プレイ中
チェルノボグという神様を信仰している海辺の村、季節ごとに生贄を選ばなくてはいけない。
プレイヤーはこの村の司祭となり、3年というタイムリミットの中で罪を持つ村民を処刑しなければならない。
しかし、ただ怪しい村人を処刑するだけで良いというわけではなく、その村人の罪が処刑に値するかまで調査を進めなければならない。
処刑の理由が十分でない場合、その処刑人の家からの不満が堪ることになり、リソース管理が大変になる。村人のステータスは毎回ランダムのようなので、パターンゲームにならなさそうなのは好感が持てる。
必要PCのスペックもそこまで高くないので、動作的にも不満はほとんどない。

Tosiakix
2017年08月05日
バージョン0.1.1のレビューです。
日本語に完全対応。難易度は高くなく、ゲームはあっという間に終わってしまいます。しかしゲームのテーマやビジュアルは個性的で楽しめます。
ある貴族の家では父親が浮気者(毎月恋人を作る)、母は乱暴者(浮気ノイローゼ?)、息子が妹に罰(鞭打ち?)を肩代わりさせた事があり、その妹は被虐性愛者(罰の肩代わりがきっかけで目覚めた?)... そんな歪んだ家族プロフィールを集めて想像を巡らし面白がれる人は買いです。
情熱的な10代、議論好きな学者、情熱に欠ける主婦達、ファンクラブを作る女の子達。様々な個性は見ていて飽きません。
悪い点をあげます。ゲームも後半になれば貴族の数も減り、素性調査は必要なくなります。つまり後半ほど難易度が低下するのです。そうしてプレイにややマンネリ感が出てくるのが残念です。後半ほど不確定要素が減り、ゲームが失速していきます。
[spoiler]難易度選択や、運の要素がもっと増えれば何度もプレイを楽しめたかもしれません。または家族構成を大きくする等。
例えば生贄にした分の人数が補充されるなどがあれば、後半も難易度やゲーム上の駆け引きが持続できたかもしれません。[/spoiler]

sekai
2017年08月05日
ガッチガチのリソース管理ゲー。
凝ったストーリーとかはなかったし終始地味なのでそういうのを求める人には向いてない。
ゲーム部分はランダム要素もあるが理不尽なものは無く、何度かリトライして理解すればクリアできるだろう。
気になるのは環境設定の箇所にv0.1.1と書かれていること。
思わずアーリーアクセスだったっけ?とストアページを見返してしまった。
現状でもエンディングが複数あるようで十分楽しめるしもしアプデがあるなら万々歳である。

岩倉プレジデンテ
2017年08月05日
クリア済
割とかっちりしたリソース管理と罪人探しが上手い事絡みあっていて、プレイ中は常に頭をひねって最適解を探すことになる。良ゲー。
●導入
世界が滅びるらしい。
我らが唯一神チェルノボグ様が3年後に復活するから、それまでに島の中に潜んでる罪人(悪徳者)を見つけ出して処刑しよう。
罪人いたら救ってもらえないかもしれないし。
信心も続けないとね。
具体的には「無知・情熱・自制・懺悔・信仰」の5つの美徳を怠ることなく磨いていかないと。
それぞれの美徳は担当の貴族が啓蒙しているよ。
●ゲーム部分の紹介
・リソース管理と全体の流れ
まず、ターンの初めに各貴族(それぞれ6人家族)の中から「顧問」を選ぶ。
次に啓蒙活動の命令を下すと、例えば無知担当の顧問なら島民を無知に導いてくれるのだが、ここで顧問の特性が顔を出す。
貴族たちは多種多様な「美徳と悪徳」を抱えていて、情熱的な美徳を持っていれば情熱を高めるし、自制心に関する悪徳を抱えていれば島民の自制を低めてしまう。
何もせずに現状維持…なんてうまい話は無いわけで、啓蒙活動は必ず行わねばならない。5つの美徳をバランス良く保つことが大事になる。
ターンの終わりには、顧問の中から生贄を1人選ぶことになる。
悪徳者を吊し上げよう。
身内が生贄にされた貴族は教会(プレイヤー)に対する感情がネガティヴになってしまう。よくない。
教会への感情は「啓蒙活動の命令」でポジティヴになっていくので、そこがプレイヤーのマネジメント能力の見せどころである。
・悪徳者探し
貴族たちの「美徳と悪徳」はゲーム開始時には伏せられている。
看破する方法は2つ。
1つは啓蒙活動をさせることで、自然と特性が分かっていく。
もう1つは貴族の代表に調査させること。
毎ターン調査が行えるのだが、教会への感情がネガティヴだと調査させてくれない。困る。
悪徳者を発見した瞬間が興奮ポイント。
ボードゲームのシャドウハンターとかやってる人だと分かると思う。
●感想
シンプルなゲームながら頭を使わされるので、プレイ感としては割と濃い方。
数字のにらめっこが続くので、相対的にビジュアルとフレーバーがちょっと物足りなかった点は残念。
わざわざこのレビューを見てるのは、とにかく鮮烈なビジュアルと「カルト教団、異端者、生贄」みたいなワードに引き寄せられてきた人だと思うんだけど、正直なところ、プレイ開始してしまうとフレーバーよりもゲーム部分に没入してしまった。
ゲーム部分を邪魔しないという意味では良いのかもしれないけど、もうちょい香り付けしてもいいんじゃないかな~と思った。
なんにせよマネジメントゲーとして面白いのは確かなので、終末にサクッとゲームやりたいな~と思っててピンときたらプレイするが吉。
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ノーマル?クリアまでかかった時間:4時間半
1プレイにかかる時間:2時間ほど
UI:良好
テンポ:良好
バグ:多分無し
日本語:ありがとう