






肺胞
Alveole はミニマルなパズルで、プレイヤーは走り方となぜ走るのかを理解する必要があります。
みんなの肺胞の評価・レビュー一覧

yumodoshi
2021年07月28日
KIDSやPlug & Playのようなアートワークで、画面に表示されたヒントを元に決められた条件を探すタイプのパズルゲーム。
操作は右クリックのみ、謎解きもほとんど回し車内での障害物にぶつかるか飛び越すかの判定のパターンで構成される。
謎解きの仕組みがわかればあとは作業になるのだが、単調なジャンプアクションとミスったときの待機時間が発生するため実に面倒くさい。後半は眠気と戦いながら小学校の長縄をやらされているような気分になり、運動神経のない私のトラウマを刺激した。
総じてあまりよく出来たゲームとは言いがたいが、状況説明によってメタ的にゲームプレイヤーを皮肉る意図が表現できてはいる。ただアートとしてみた場合、参考にしたであろうKIDSやPlug & Playと比較するとその表現の洗練度には雲泥の差がある。
皮肉を表現作品として昇華させるのは、抽象的な表現よりも難易度が高いと思っている。メタ的解釈を加えたとしても皮肉の対象が具体的すぎて、結果的に作品を矮小化してしまうケースがよく見られるからだ(ちなみに私はバンクシーが嫌いです)。
だからどうしろって言うつもりは無いが、アートを志向するゲーム、アートになってしまうゲームが今後出てくる中で、美術史的な、文脈と批評に対する明確な認識がクリエイターにもプレイヤーにもある程度求められるようになるのではと思う。
そういう事をつい考えさせられてしまったので一応おすすめにしとく。

ninespider
2021年06月14日
めちゃめちゃ大仰な説明文にたじろぎますが要するに実績解除法を手探りで探すゲームです。
ルールを解説すると野暮になってしまうので伏せますが伏せなきゃならないほど凄い物ではないです。
てきとうに操作してるうちにポコポコ実績が解除されていくのを「何故解除されてるかわからないから楽しくはないなー」と思いつつ眺めて途中で「あー、そっかー」ってなる瞬間のためだけのゲーム。でもこの値段なら全然アリ。極めてフェアな作りだしヒントがないとわからないような無茶な謎解きもないし短時間で楽しめます。冒頭で「大仰な説明文」と言いましたが「制限された環境でのプレーヤーの可能性を探る短い実験プロジェクト」というのは大仰なだけで嘘ではありません。よくまとまったゲームだと思います。本筋と関係ない謎解きがちょっとあったので個人的にはそれが余計かなと感じたくらいですかね。

Spread Bomb
2021年06月13日
[quote=]Steamキュレーターでも紹介 - [b][url=https://store.steampowered.com/curator/34218308-Game-19XX/]Game-19XX[/url][/b]
スクショ付レビュー(外部サイト) - [b][url=https://note.com/spread_bomb/n/n41ac3b528a46]note[/url][/b][/quote]
モノクロ画面に線画で描いたキャラクターという映像が『[b][url=https://store.steampowered.com/app/353560/]Plug & Play[/url][/b]』や『[b][url=https://store.steampowered.com/app/793370/]KIDS[/url][/b]』と酷似しているので、最初はこれと同じ「ゲームの形式を使ったアート作品」と思っていたが、どうも違うようだ。
紹介文には「[b]ミニマムなパズル[/b]」と共に「[b]短い実験プロジェクト[/b]」と書かれている、プレイヤーはその実験体だ。
[h1]「実績」を追いかけ、ゲームに「もてあそばれる」[/h1]
画面の背後には様々なオブジェ、猫や恐竜・カレンダー・楽器など、趣旨が全く掴めないオブジェの数々。その中央には巨大な物体、ネズミが中で走り続ける「回し車」。その中でプレイヤーは、マウスやキーボードで何かを押すと走り出す。
走り続けると障害物のようなものが現れて近づいてくるので飛び越えていく、すると突然「実績」が解除される。それを[b]「ジャンプ」という1キーだけの操作でどうすれば全実績を解除できるかを考える[/b]、それが「ミニマムなパズル」のようだ。
その要領で延々と走り続け、いくつかの条件を見つけるが、その先が見えない。一度飛んだら背景の猫やメガネ、楽器などが反応するが、いつの間にか元に戻ってる。これらが何かのヒント?それも無視して跳び続ける?続けると何がある?いやそもそも、これは1キーゲーム?それすらも分からない。
(若干の回答を書くと、厳密には[spoiler]1キーだけではなくマウスも必要[/spoiler])
そんなことを繰り返すうちに、何とか全実績を解除する。その後に流れるエンディングも、5分くらいかけて少しずつ変化する。
その間、ただひたすら画面を見つめてキーを押し続け、オブジェの反応を見て意味を考え、解法を求めてひたすら試していた私は、ゲームの謎を探っているようで、実は[b]ゲームにもてあそばれていたのか?[/b]そんな感覚に陥る。
ああそうか、このゲームは「制限された環境でのプレーヤーの可能性を探る短い実験プロジェクト」として、[b]私自身が実験体にされていたのだ[/b]。そんなことに気付く。
本作はゲームを遊ぶのではなく[b]「もてあそばれる」という、完全に真逆[/b]のゲームだ。そんな楽しみ方も悪くない。

hir0c
2021年06月12日
[h1]プレイヤーは実験ネズミ?[/h1]
正確にはGoodでもBadでもなく「評価不可」ですが、100円で体験できる貴重な機会、ということでオススメします。
このゲームの目的は、あえて言うなら「秘密の実績をすべて獲得すること」です。ゲーム中のヒントもほとんどない中、試行錯誤しながら獲得条件を見つけ、実績カードを集めていきます。
私も色々試しました。あえて10分くらい放置したり、1秒間の間にたくさんジャンプボタンを押したりetc.
ほとんど空振りに終わりましたが、その行為自体に価値を見出すタイプのゲームと言えます。紹介文の「プレイヤーの可能性を探る」とはこのことでしょう。
最近のゲームは「〇〇に行け」「△△を□□個集めろ」など、わかりやすい指示に奴隷のように従うものがほとんどです。その点、このゲームは、プレイヤーを奴隷ではなく実験ネズミとして見ている、良心的(?)なゲームと言えるでしょう。