





Bet on Soldier: Blood Sport
戦争がメディアの熱狂となっている世界を掘り下げてみましょう!戦いを生き残り、勝利に賭けましょう!
みんなのBet on Soldier: Blood Sportの評価・レビュー一覧

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2024年10月14日
Bet on Soldierとは、80年以上に渡って続く戦争が民衆の娯楽(ショービジネス)と化した世界で、殺された妻の復讐のためチャンピオンを目指すユニークな設定のFPSである。
ちなみにこの80年以上にわたって今もなお続く戦争というのは、おそらく第一次世界大戦を指していると思われ、本作は塹壕戦の上空をヘリが舞う2002年製の異質なシューター「Iron Storm」の姉妹作である。
破棄されたIron Stormの続編の企画を流用して製作された本作は、Iron Stormの設定と多くの共通点を持っているが、非公式の続編であるとか、共通の世界観を持っているわけではなく、あくまで設定の大多数を流用しただけのエコロジーな新作であり、いわばリブートに近い代物のようだ。
ゲーム内容そのものはアリーナ系の対戦FPSではなく、極めて真っ当なステージクリア型の戦争FPSであり、ボス戦の直前にユニークな演出が入りタイイチの戦闘へ発展する。
ステージ選択画面では戦うことになるボス、装備、仲間となる傭兵の選択が可能で、ステージ攻略中に装備を変更することはできない。弾薬の補充やアーマーの回復はMAP中に配置されているステーションから行い、いつでも任意に使用可能なかわりに金を要求される。本作では敵の撃破で金が手に入り、ヘッドショットや爆発物への巻きこみ殺害といったトリックで追加のボーナスを獲得することが可能。そして装備の購入や傭兵の雇用、弾薬補充やアーマー回復、セーブにさえ金を要求され、何も考えずに散財すると詰むバランスになっている。
ボス戦以外の局面では大量に湧いてくる雑魚敵と戦うことになるが、本作では基本的にプレイヤーと敵との間に性能差がなく、正面からまともに撃ち合おうとすると普通に数で押し負けてしまう。
まるでDX8世代のゲームのように異様にギラギラ、テカテカ光っているグラフィックはテクスチャが手書き風で古臭い残念な仕上がりとなっており、Iron Storm 2というよりは1.5に留まるという感じで、残念ながらあまり見るべき点はない。
正直ゲームとして出来が良いというわけでもないが、世界観のユニークさから一部コアファンの支持を受けているというのも納得できる作品(シリーズ)である。個人的にはこの世界で、Deus ExのようなRPG…とまではいかなくとも、街を散策する非戦闘パートや、一般居住区での銃撃戦などを見てみたかった気がする。
なお、ストーリーのオチは[spoiler]まんまChaserとかあの系譜である。東欧の方々は本当にラストで裏切られて殺されるオチが好きだな…?[/spoiler]