











Colonial Conquest
Colonial Conquest は、1800 年代後半から 1900 年代初頭の戦争と拡張のビクトリア朝時代を舞台にした征服シミュレーションです。
みんなのColonial Conquestの評価・レビュー一覧

Arui Kashiwagi
2018年07月02日
SteamにいくつかあるRISKインスパイア系ゲームのひとつ。つまりルールを極力抽象化・簡略化した、ウォーゲームというよりはカジュアル向けボードゲームに近いコンセプトの地図征服ゲームである。対AI戦のほか最大6人までのホットシート対戦も可能。
マップは一種類だけだが、1880年と1914年の国際情勢をテーマにしたシナリオ+対人戦向けの平等配置シナリオの計3種が用意されている。特に歴史イベント等はないものの、フレーバーとしては悪くない。
グラフィックも綺麗だし、なかなかよくできている。ように見える。
…が、実際に遊んでみるとどうしてもゲームルールの欠陥に気付いてしまう。
このゲームには陸軍と海軍が存在し、陸軍は1ターンに1プロヴィンスだけ移動できるおなじみのシステムなのだが、なんと海軍を使った輸送には移動距離の制限がないのである。
しかも世界地図が舞台なので、(インドやアフリカ奥地のような少数の例外を除けば)ほとんどのプロヴィンスは海に面している。となるともはや前線という概念は意味を持たなくなり、あらゆる土地から土地へジャンプが発生するもぐらたたきと化す。
そのことを知らずにプレイすると、ウラルの向こうに閉じ込めたはずのロシア軍が毎ターンフィリピンやらガラパゴス諸島までテレポートしてくる、という謎現象に悩まされることになる(なおモスクワもシベリアも不凍港である)。
ちなみに後で知ったところによると、SSIがC64/Apple II向けに出した1985年の原作ゲームが存在していて、それを別の開発者がリメイクしたのがこの作品のようだ。100%忠実な移植というわけではないのだが、どうやら原作の欠点もそのまま引き継いでしまっているらしい。
どうプレイしても非合理的な展開になってしまうゲームなので奥は浅く、あまりおすすめできる内容ではない。