



Florence
「『フローレンス』は、受賞歴のあるモニュメントバレーのリードデザイナーによる、若い女性の初恋の胸の高鳴りと悲痛な落ち込みを描いたインタラクティブなストーリーブックです。 いちゃつくことから喧嘩、お互いの成長を助け合うことから離れていくことまで、一連のミニゲームのエピソードを通して、フローレンスとクリシュの関係のあらゆるビートを体験してください。 「スライス・オブ・ライフ」のグラフィック ノベルやウェブコミックからインスピレーションを得た『フローレンス』は、親密で忘れられない物語です。」
みんなのFlorenceの評価・レビュー一覧

Samicorr
01月02日
インタラクティブ性が強いため、自分の手で物語を紡いでいる感覚になれます。
物語を進行させるギミックも『Florence』の空気感や世界観を壊さず、むしろプレイヤーを引き込む要素になっています。
クオリティの高い映画を鑑賞しているような満足感を30分間で得られます。
何より音楽の素晴らしさが際立っています。
プレイ中に「あ…音楽めっちゃいい…」と思わず感動するほど。
ピアノを主体にした旋律に弦楽器が綺麗に絡み合い、心に響く楽曲になっています。
その他のサウンドデザインも最高で、食事の音や外に漏れる音楽など妙にリアルに感じられます。
クリア時間も30分と短めで、実績解除も30分あればできるので、実績厨の方にもオススメです。
元々文字が少ないゲームではありますが、個人的には文字は一切ない方が、絵や音楽により集中できたかなと思います。
その程度しか気になるところはなかったので、オススメできるゲームには変わりありません。
刺激の強いゲームではありませんが、心に残るゲームだと思います。
あと…パンの耳を残すのは理解できるけど、ピザの耳は美味しいよ…?

yokke
2024年10月06日
ゲームというより、インタラクティブ性のある絵本アプリケーションと表現するのが適切な作品。
そのインタラクティブ性を“ゲーム的”であるとするならば、大人向けのオサレゲーミング絵本とでもいうべきか。
よくあるサウンドノベルと比して優れている点を挙げるとすれば、まずひとつは感情表現の為にインタラクティブ性を取り入れているところだろう。はじめてのデートの緊張とそれが徐々に溶けていく様、ちょっとした言い争いや深刻な口喧嘩をフキダシパズルのカタチや完成までの時間で表現したのは、この作品ならではの個性だと言えるだろう。絵本や小説を読むのとは一味違った、ゲーム的な効果で読者を物語や登場人物に引き込む手法がちゃんと仕込まれているからこそ、この作品はデジタルに表現される価値があると言えるだろう。プレイヤーが操作するテンポ感が、物語の空気や色や雰囲気の最後のピースとなり、読者はそれを咀嚼しながら脳に情緒的情報を馴染ませることができる。(つまり、ただのオシャレな電子紙芝居ではない、というわけだ)
そしてどちゃくそエモい音楽の存在もまた、この作品の特徴だ。ピアノとチェロのシンプルな音楽は、主人公の心情、あるいは彼女の目から見た生活の彩りや高揚感に連動して、おおいに感情を揺さぶるドラマチックな抑揚を伴っている。たとえやや冷めた目で彼女らの恋愛の眺めようとしても、激エモ音楽がそれを許さないのだ。
本作のストーリーも普通の青春恋愛小説とは一味違っていて、そこには出会いから別れまでの過程にドラマや教訓が“一切”存在せず、ごく普通に仲良くなってイチャついで同棲して、ごく普通に倦怠期を迎えてごく普通に喧嘩して別れてしまう。フリーになった主人公は、元カレが買ってくれた絵具セットで絵を描き始めて(唐突に)イラストレーターとして大成功を収めるが、その成功が終わった恋によって為されたものというわけでもなく、前述の通り「音楽好きだった元カレの絵具セットを気まぐれに使い始めた」にすぎない。絵を描き始めてから、ただ一度として元カレに思いを馳せるシーンもない。いってしまえば、彼女の人生のある期間の中で感情が揺れ動いたシーンを切り取って、そこをただゲームにしたような感じだ。
このようにドラマ性や教訓など、通常の絵本や小説に求められるものがあまり見いだせないのが却って新鮮だった。彼女の悲喜こもごものの彩り豊かな人生の一幕を、優れたアートと優れた音楽で眺めるだけのインタラクティブ絵本を眺めることで、読者もまた自分の人生の中の平凡だったかもしれないが多感な時代にふと思いを馳せる切っ掛けとなるのかもしれない。
その他細かい感想
・中華系の主人公とインド系の彼氏が食材で喧嘩してるのウケるわ
・エピローグで彼氏が1ミリも出てこないし顧みられないのも割り切ってて面白い

Frog_the_3rd
2024年07月07日
1プレイ30分程度。気軽にプレイできる。
途中でちょっとしたミニゲームをプレイしつつも、基本はテキストが無いイラストのみのストーリーを読み進める作品。
自分は終始(へ~、ほ~、ふ~ん)と引き込まれつつゆるい感じで進められましたが、他の人がプレイをしながらこのストーリーをどう解釈して、どのような感想を持つのか気になりました。
自身のプレイ体験自体も心地よかったが、誰かと感想を言い合うのがいちばん楽しいタイプの作品かもしれない。

Akkun
2024年02月21日
「恋愛」や「夢」をテーマにしたアドベンチャーゲーム。
セリフがなく簡単なパズルやインタラクトによってストーリーが進んでいき、それらが各場面の状況や登場人物の感情をうまく表現出来ていて素晴らしかった。まさにゲームならではのストーリーテリングといった感じでプレイする価値あり。
惜しいと思ったのはプレイ時間があまりにも短いこと。幼少期からそれこそ人生を終えるまでをこの表現力で、しかも多様な分岐を用意してくれればかなりの名作になりえたと思う。
多少分かりずらいパートがあったため話の流れを察する読解力が必要で、テーマへの共感性も含めて経験を積んだ大人の方にこそおすすめできるゲームだと思う。

LisaFrank
2023年08月11日
総評:あの男、ひと目見たときから付き合っちゃだめな類だとおもった。直感はただしかった。
Pros:
・ポップで温度のあるアートワーク
・繊細かつ機宜を得たミュージック
・非言語依存
・総じてミニマムなシステム、インターフェース
Cons:
・インタラクティブ性に楽しさは殆ど見出されない
・コメントに困る乾燥したシナリオ
・当環境(M1 Macbook Air)では、ゲーム中いっさいマウスカーソルが表示されず、ドラッグ&ドロップが要求されるフェーズではプレイに堪えない
カーソルの問題でストレスが加速したため、本作は否定的評価としました。
[spoiler] 余談:貴様体毛くらい剃りやがれ。途中フローレンスと抱き合うシーンで卒倒しかけました。 [/spoiler]

one心
2023年07月10日
ストーリーや設定に、嫌なところはあるけど(アジア系の親の、子供への過干渉とか、「学歴や知性にこだわり」幼い頃から、勉強を強要してきたり、高学歴を期待してきたり、高給取りの仕事や「数字を扱うような堅実な仕事」を期待してきたり…)
「ゲーム性」「オリジナリティ」「演出のうまさ」などで、他にはない秀でた部分がある、良くできた作品だった。
ストーリーや設定は、正直、どうでもいい(笑)もので、演出やオリジナリティを評価するべき、作品なのだと思う。
言葉に頼らず、かといって、「セリフは一切ゼロ」など、極端なこだわりもなく、
言語を極力使わず、アートやパズルなどで、表現するという試み、それが成功していた。

定春
2023年05月25日
丁寧に作られている作品だと思う。恋愛をテーマにしたものでストーリーなどはスタンダードだ。
英語音声と書いてあるがボイスとか声優がついているわけではない。というかほとんど文字がない。
ゲーム性も確かに綺麗ではあるが、簡単なパズルなどがある程度である。心情をそれで表している部分もある。この時にゲーム説明がないのでわからない部分もあるだろうが、簡単な計算問題などもあるので、デイサービスとか老人ホームなどでも使えそうである。
私的には女の方は画家という夢を叶えられたからハッピーエンドなのかもしれないが、男の方…彼氏さんが心配になってくる。
アカデミーに入ったはいいが、音楽をするということが苦痛になってしまっているように見えた。
のびのびとやって成功した者と学校までいって教えを乞い努力をしてきたのにダメだった可能性があるのを比べると、不憫に思えてくる。
別れてしまったのだから、その後の彼氏がどうなったかなんて、書かれないところが妙にリアルに感じた。
他の人のレビューを見る限りではセールの方がよいと書いてはあるが、個人的には元が安いし、破綻している所は別段ないためそこまで厳しめの評価ではない。寧ろ自分もしょぼいとはいえゲームを作ったことがあるので、良心的な値段なのではと思うくらいだ。中には無料や安くて遊べるものもあるだろうが、これはこれでアリなのではないかな。
ちょっとした大人の絵本を買ったような気分である。

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2023年02月13日
クリシュという男性と出会ってからのフローレンスの人生の一部を見るポイントクリックに近いゲームです。
正直強くオススメするゲームでは無いので、セールで値段が3桁台に落ちてたら買う価値あるかなってレベルです。
個人的には700円超えたら別のゲーム買います。
[spoiler]最終的に彼とは別れることになるのですが、彼と出会ったからこそ自分の夢を思い出し叶えているのが彼と出会い過ごした時間は無駄では無かったんだなと感じて素敵だなと思いました。 [/spoiler]
タイトル画面開きっぱなしで放置してしまっていたので正確なプレイ時間が測れていないのですが多分一周1時間程度のボリュームのゲームだったように思います。