












イモータリティ
マリッサ・マルセルは映画スターでした。彼女は3本の映画を作りました。しかし、どの映画も公開されることはなかった。そしてマリッサ・マルセルは失踪した。 Her Story のクリエイター、Sam Barlow による新作ゲーム。
みんなのイモータリティの評価・レビュー一覧

puch_llh
2024年03月10日
期待しただけにがっかりでした。
映像や演技はとても良かったです。引き込まれる内容でした。
動画上の物や人をクリックして別動画を探すシステムも良いものでした。試行錯誤で新しい動画を探す楽しみが味わえます。
ただ、物語の真相が酷かったです。もう何でもあり過ぎて、推理する楽しみなど一つも感じられずでした。ミステリー好きな方は避けた方が良いと感じます。
システム面も動画の飛び方がやや適当過ぎます。例えばある椅子をクリックしたら同じ椅子の別の動画を探せた方が関連する動画を見やすいのに、全く違う椅子にも飛ぶので関連性のない動画ばかりに飛ばされます。
また、どの椅子に飛ぶかはランダムのようで、何度も椅子を押せばそれなりに動画を見れるようなどの問題もありました。
Telling lieもただ主人公がアホ過ぎただけの物語で推理性はなく、Her Storyの頃にあった真相を探るワクワク感がなくなってきています。
改善を望みますが、次回作を買うかは迷いそうです。

TYty
2024年02月16日
一応エンドロールまで見たので感想を。おすすめですが万人受けはしないと思います。
プレイスタイルは3つの映画撮影の小道具や人にフォーカスすると別の場面に移動する、それを追って映像を集めていき真相(クリア)をたどっていくというものです。推理ものではありません。抜け落ちた本のページを揃えていく、みたいな感じです。
3本の映画の断片をずっと見続けるようなゲームで開始2時間くらいは退屈に感じた。しかし見ているうちに不思議と登場人物やその背景、映像の内容自体にも愛着じみた感覚が湧いてくる。そうなってからがいよいよ面白くなるゲームです。
映画やドラマの見始めも徐々にその世界観に入っていき、気が付いたら見てしまうというあの感覚に近いかと。
ゲームのメインメニューで詳細を選ぶとこのゲームの内容紹介がされてるので、それを見てから始めると目的がわかりやすくてクリアにたどり着きやすい。見なくてもいずれはクリアできますが、たぶん数時間はプレイしないと目的が見えてこないと思う。まさに私は後者に当たり、途中で「詳細」の存在に気が付いてようやく何をしたらよいのか理解できました。
※詳細自体がネタバレというわけではない。あくまでこのゲームの目的を記したものなので、プレイの楽しみを阻害することはないはず。

tcdtw339
2023年11月24日
[h1]映画に精通した作り手によるゲーム[/h1]
[i]チェスのゲームでは、一手間違えるだけでゲームに負けてしまうが、悲しいことに人生も同じなのだ。ただし一つの違いがある。人生では敗者復活戦というものがない。ひとたび負けたら、それでおしまいである。しかし虚構の世界では、わたしたちが必要としている複数の生を生きることができる。小説の主人公と同一化しながら、わたしたちは主人公とともに死ぬのだが、じつは主人公よりも生き延びて、無事に別の主人公とともに新たに別の死を経験することができるのである。[/i]
[i]フロイト『戦争と死に関する時評』(中山元・訳)[/i]
クレジットまでのプレイを終えた感想としては、感動よりもむしろ感心が勝る……非常に映画に精通した方々の作った作品だと思いました。といってもここで「映画に精通した」というのは、「映画の本質を捉えた物語」だとかその手の抽象的な言辞を弄そうというつもりで言ったのではなく、またヒッチコックだのトリュフォーだのとそれらしい名前を適当に挙げてお茶を濁そうというつもりで言ったのでもありません。そうではなくて、映画の文法、ある種システマティックな部分に対する理解の深さに感心したということです。
[h2]映画の文法とは[/h2]
映画の感想を求められた時に「肝心のストーリーが~」と言う人はよくいますし、『映画大好きポンポさん』では「俳優が良く撮れてればOK」的なセリフがあったように思いますが、果たしてこれらが本当に「肝心」だったり映画を一足飛びに「OK」にするものなのか。
もしお話が一番の関心事なのだったら、あらすじを読めばいい。タイトルの後に「 ネタバレ」と付けてgoogle検索に打ち込めば、「肝心」の部分は知ることができるでしょう。また俳優を眺めたいのだったら、目当ての俳優の出演する場面以外は倍速にして飛ばせばいいわけですね。
だから映画があえて映画として撮られる理由とは、これ以外の部分にあるはずです。そしてそれこそが、私の考えでは「映画は語りの技術(アート)である」ということに拠ると思うのです。「(要するに)何が起こったか」ではなく、それを「どう語るか」が問題になります。その手際の素晴らしさが、映画の素晴らしさになります。
[h2]語りの技術[/h2]
映画において語りの技術を実現するものは何か。それは時間の操作だといえます(まさにこのゲームでプレイヤーがすることです)。そもそもの初め、本来は二度と見ることができないはずの過去を見ることができるということが、映画を目にした人々を驚嘆させたのでした。そしてそれのみならず、たとえば今この瞬間地球の反対側でも私のいる「今・ここ」と同じように時間が流れているけれども、「私」は「ここ」の「今」しか体験することができないーーところが映画は、ある一日についてAという地点とBという地点それぞれで撮ってみせることで、「今」がここにもあそこにも存在することを示して"見せた"のです。こうした基本的なことに留まらない特殊な撮影技術や映像のテクニック、音楽によるアクセントの付加なども基本的にはこの文脈で理解することができます。
ゲームという表現の特異性といえば、他の表現形態と違ってゲームにおいては作り手と別の鑑賞者(プレイヤー)が「する(プレイする・主体的に行為する)」ということですが、この作品はプレイヤーが「する」ための仕組みとして、映画の核となる部分に目を付けたところが素晴らしいと思います。
[h2]映画に関するゲームは映画鑑賞者の鑑賞に耐え得るか[/h2]
さて、コンセプトというか枠組みとしてこの作品が素晴らしいということは言いましたが、では体験はどうか。私としては、これについてもかなり楽しみました。映画をほとんど見ない人は気にしないが映画を見る人はよく気にするという部分に、たとえば映画のフォーマットがあります。これは画面の縦横比ということで、
[list][*]テレビのデジタル放送 おおよそ16:9(1.7777....:1)
[*]ビスタ 1.85:1
[*]スタンダード 1.375:1
[*]シネマスコープ 2.39:1
[*]他変わり種でUnivisium(2:1)だとか可変のI-MAX等[/list]
フィルムの質感と共にこれを用いて各映像の性質や所属を示す標識とし、ゲームシステムに落とし込んだのは実にクレバーだと思いました。
(完全に余談ですが、この国で「映画らしい映画」が撮られづらい背景のひとつにも、このフォーマットがあります。テレビ局がメインのスポンサーとして作品に出資する以上、テレビ放映に適さないフォーマットの作品を作ることが難しいのです。そうした作品では、創作上の必要から作品のルックスを決めるということができません)
また、各フッテージにしても、ぶつ切りにして作品の一部を見ることになる性質上映像作品としてどうということは言えませんが、「Minsky」のシネマスコープをきちんと使った画面作りにはぞくぞくさせられるものがありましたし、「TOE」のアクロバティックなカットにも魅力を感じました(モーションキャプチャーのシーンは最高)。
総じて、作り手から作品を通じて映画に対する愛情と理解度を問われているような心地のする体験でもあり、映画を見る人にはぜひともおすすめしたい作品でした。

eucalyptus33
2023年09月24日
前2作プレイ済みです。
今作もとても楽しかったです。
相変わらず俳優さんの演技がとても素晴らしいです。
ホラー苦手なので、不穏な音楽が流れたり映像がチラリと映った時に再生中断してしまっていたので、
攻略の鍵となる操作に全然たどり着けず・・・諦めて攻略方法を調べました。
一通りのフィルムを収集できた後、色んな方の考察を見るのも楽しかったです。
宗教色の強い物語なので、その辺りの知識がないといまいちピンとこない人も多そう。

bam__Riku
2023年06月11日
※なぜかバグでプレイ時間が1時間しか記録されていませんが、実際にはクリア済みの感想です。
世間でのこのゲームへの好意的なレビューに関しては、おおむね「なるほど、こういうところが良かったんだな」と納得しています。
が、そこは理解したうえで、個人の感想としては「まあ悪くは無いけど、ボヤっとしててよく分からん、カタルシスの弱いゲームだな」という総評でした。
同じクリエイターが作った「HER STORY」に匹敵する傑作……というようなレビューも見かけたのでけっこう期待していたんですが、それは言い過ぎかなと。
「HER STORY」には「キーワードで検索する」という、自分の思考をもって能動的に答えを探していくという楽しさがありましたが、
今作の「映像中のオブジェクトをクリックすると、他にそのオブジェクトが映っているクリップにジャンプする」と言うインタラクションは、それに大きく劣るものでした。
理由はそのランダム性にあります。
たとえば「マイク」というオブジェクトにまつわるシーンが気になったので、それに関連するシーンをもっと見たい!と思ってマイクをクリックしても、直近のシーンとはまっっっっったく関係のない「まあマイクは映ってるけどさあ・・・そうじゃねえんだよな・・・」というような別のシーンに飛ばされてしまいます。
そうやって、自分の思考が介入する余地のないランダム性にうんざりしながらポチポチポチポチポチポチと新しいクリップが出ることを祈りながら作業を続ける時間が非常に勿体なく、やらなきゃよかったと思いました。
隠された真相にも一応辿り着きましたが、上記のストレスを上回ってくれるほどのカタルシスではありません。
残念です。

地獄変
2023年05月09日
[h1]おっぱい注意報! おっぱい注意報![/h1]
Her Story クリア済みで満足度大。
Telling Lies つまらなさすぎてギブアップ。
今作もギブアップ。
[h1]ローカライズ[/h1]
字幕は問題なし。ただし若干の誤字はある。
一方でチュートリアルは翻訳がひどい出来で見れたものではない。
[h1]操作性[/h1]
マウス&キーボードかゲームパッドで操作できるようになっているが、前々作と異なり、入力を必要としないゲームデザインなのでマウスだけで操作は完結させてほしかった。
[h1]UI[/h1]
早送り機能をもっとわかりやすくしてほしかった。
あと操作ガイダンスについてもポーズ中ははっきりとそれぞれの機能を明示して良かったかも。
他にはメインメニューの画面左上のアイコンが直観的とは言い難いアイコンデザインだった。少し進めて確認済みのシーンが増えるとそれとなくわかるようになるが、ごく最初のほうだとよくわからない感しかなかった。
[h1]シーンとしての分かりやすさ[/h1]
シーン再生中に気になるオブジェをクリックすることで別のシーンに飛ぶが、飛んだ先のシーンが途中からの再生となるせいで「プレイヤーにとって必要な情報を揃える」というゲームデザイン上、最初から見るのが合理的であるためいちいち飛んだ先のシーンの最初に戻らざるを得ないのがいまいちだった。
あと仕方ないとはいえシーンの移行前と移行後のオブジェの繋がりがだいぶ強引。
[h1]ゲームとしての面白さ[/h1]
ない。
Her Storyは「プレイヤーが気になった単語を検索」というプレイヤーが先へ進む手段を自覚的に考える「遊び」になっていたが本作はこれみよがしにあちこちに配置されているオブジェや人物をクリックするだけなのでゲームとして面白くない。
[h1]劇中劇について[/h1]
面白くない。
作品の謎を解く上でちゃんと理解する必要はあるだろうから真面目に見続けなければならないわけだが、シーンの継ぎ接ぎで物語の前後が分かりにくいため、面白さが伝わりにくく退屈。
ついでに1シーンごとの再生時間がわからないので「いつ終わんだよ、これ…」感が出る。これについてはTelling Liesでまったく同じことを感じてプレイをやめたのでかなりがっかり。
あと登場人物多すぎ。
Her Storyはごく少人数で最初から何もかも謎だらけで「そもそも何をするんだ?」という謎が楽しめたが、本作の場合は登場人物が多すぎて情報が錯綜している。そして下手に物語仕立てにしているせいでその物語がつまらないともうどうしようもない。
中盤や終盤あたりになればシーンの繋ぎ目や作品の主題がわかるようになって楽しくなるのかもしれないが、そこへ辿り着くまでの過程もちゃんと楽しませてほしかった。
[h1]まとめ[/h1]
多分、最後まで遊べば衝撃は得られるんだろうけど、そこまで頑張る気力が湧かなかった。
ゲームコンセプトに惹かれないし、劇中劇は面白くないし、遊びやすさは特段優れているわけでもないし、「先を見たい」「先が気になる」というフックもない。
強いて言えば[h1]おっぱい[/h1]
「お、なんか注意書きでヌードがあるみたいだな、いやしかしそうはいっても隠すところは隠してんだろ」と思って始めてみたら「なんか全裸の子が手で大事なところを隠しているな、まぁどうせ手はそのままだろ」と思っていたのに手を外しちゃいましたよ。
「あ、出すんだ。へぇ…」とそこだけ感心。
この先のおっぱいにも期待したかったが、ゲーム全体がつまらないせいで続けるのは無理だった。
最後に。
優れた小説の作法として「最初の1ページで読み手を心を鷲掴め」というものがあるが、それを見習ってくれと言いたい作品だった。

kunikiti604
2023年02月26日
ゲームと言われれば少し違和感を感じるが、体験としてはミステリー映画を自分で探索しながら見ているイメージ。
あるトリックに気づいた時の鳥肌はすごい。
個人的にはHer Storyの方が好みだが、プレイする価値は十分にあると思う。

binns
2023年02月22日
HerStroyが面白かったので購入。
正直、作業のだるさと、
個人的に映像が面白くないためネタバレを見てしまった。
推理をするわけでもないし、
映画のワンシーンは特に何かあるわけでもなく、
無駄に長かったりするため見てるのが苦痛。
映像の探し方もクリック連打になるので、
キーワードを考えて入力するHerStoryと比べると楽しくはない。
UIの操作もややこしく、
マウス操作での早送りの使い方はよくわからなかった。
シークバーは欲しいところ。
最終的なギミックについての言及は存在していたのかはわかりませんが、
偶然の発見的な感じで個人的に好きではない。
ただ、ギミックとしては素晴らしい。
このギミックをもっとうまい形で示唆できれば...
ただ、好きな人は好きそうである

Rinkoto
2023年02月11日
正直なところ、今作は期待はずれだった。
三作の映画から隠された秘密を探る、というプロットは興味深く、前作・前々作と同じテーマを感じる。
ただその秘密というのが、実際に発見してみるとあまりに信じがたく[spoiler](非現実的で)[/spoiler]、それ以降ストーリーに没入することができなかった。
もちろんフィクションなので、ストーリーとしてはそれもアリなんだろう。しかし今までの作品のように「自分がゲーム内で体験している」という投影感・没入感は覚えにくかった。
しかしこの感覚は人によると思うし、私が面白いと感じたTelling Liesもなかなかシビアな意見が多かったので、結局は個人の感覚によるかと思われる。
コミュニティガイドのおかげで全クリップを回収できたが、延々と映像内のオブジェクトとクリックしていくのは、Her StoryやTelling Liesのようにキーワードを入力して検索するより「作業」を感じた。
キーワード入力は自分の頭で考える必要があるため、そこが没入感を与えていたのかもしれない。今作でオブジェクトをクリックし続けるのは、頭を空っぽにしてもできてしまう。そこにゲーム性はない。
アプリゲーなどの周回はそれで良いのだろうが、買い切りのゲームでは最初から最後まで良い経験を求めてしまうため、完璧に作業となると期待はずれを感じる。
UIもまだまだ改良の余地がある。各クリップがどのくらい長いのかわからず、登場人物がただ会話しているだけだと、集中力をなくしてしまった。シークバーがあると良かったのだけれど……。
UIは各作品ごとに一進一退している感じがするので、次回作はここに力を入れて欲しい。
ここまで不満を述べてきたが、映像に隠された秘密を発見した時は鳥肌が立った。そこはさすがサム・バーロウ氏と言ったところ。
氏のアイデアは他のゲームに無く、何もわからない状態から段々と明かされていき、隠された秘密を見つけた時の感覚は氏のゲームにしかないユニークなものである。この感覚がとても好きなので、次回作にも大きく期待したい。

ashen
2022年12月29日
ジャンルは推理モノになるのだろうが、不思議なゲームだ。
昔マリッサ・マルセルという3本の映画が作られながら
どれも公開されずに幻の女優となっている女性がいた。
つい最近、公開されなかった3本の映画の全てのフィルムが断片状態で
発見されたと言うことで細切れとなっているそれらを調べることで
彼女に何があったのかを突き止めるのがプレイヤーに課せられた任務。
ゲームは細切れの映像フィルムを見ながら一種の連想ゲーム方式で進めていく。
例えばフィルム内に出てくる燭台をクリックすると、
別の映像で燭台が使われているシーンにジャンプする。
人物もある人物をクリックすれば
別の映画や同じ映画の別の映像の同じ人物にジャンプする。
これを繰り返してどんどんとフィルムを並べて集めて
細切れになった映画を1本の映画にしようというわけだ。
まぁ何度かクリックしてるとネタも尽きてくる。
ずっと映像を見続けて眠くなりつつもコマ送り機能を使って
新たなオブジェを探していたら、その時………!
何が起きたのかは是非ともご自身で確かめて欲しい。
まだまだフィルムの断片を漁る捜索は終われそうににない。
あぁそうそう。
成人向けじゃないけど題材が普通の映画なのでヌードも濡れ場もあります。
家族がいる所で遊ぶ時は要注意ねw

ねこ
2022年12月12日
サムバーロウさんの前作、前前作プレイ済み。
レビューで「涙が出た」とか「サムバーロウ最高傑作」とか書いてあるのを見て、期待感マックスでプレイ。
結論から言うと期待は裏切られた。
根本の部分から「どうとでも取れる」ようにしか描かれてないので、サスペンス・ミステリー的に楽しもうとすると、肩透かしを食う。
雰囲気、プレイフィールはかなり良く、仕掛け含めた構造も大胆で、先が気になるし、
映像的な品質の高さや、ヌードの多用、操作のしやすさなども相まって、
時間を忘れてプレイできるが、デヴィッド・リンチなりカフカなり、「なんかよくわからないことが起こり、よくわからないままに幕引きする」系のモノを受容する態度で挑まないと、エンドロールでガッカリするだろう。自分はそういうものをビデオゲームには求めない。
値段に対して品質はあると思うが、注意喚起の意味でおすすめしないにしておく。
サムバーロウ未経験なら、HerStoryをおすすめする。

ClocQ
2022年12月01日
『Her Story』作者のSam Barlow氏の2022年新作。
個人的に『Telling Lies』があまり好きになれなくて本作もちょっと警戒していたのですが、全くの杞憂でした。
ずっと記憶に残るであろう、素晴らしい作品でした。オススメです。
細かいポイントはすでに他のレビューで書いてくださっているので割愛しますw
性的描写などが結構ストレートですし他にも人を選びそうな描写は多々あるので万人にオススメはしかねるのですが。大丈夫そうなら是非やってみてほしいです。
『Telling Lies』が微妙だったから……という理由で避けるのはもったいない。
[u]<スペック関連追記>[/u]
PCに要求されるスペックはそこそこ高めに感じました。個人的にはちょっと意外なほど。
ゲームを進めれば進めるほど、メモリ使用量が増加するようです。当方ではPCに8GBのメモリを搭載していますが、このゲームだけでメモリの90%程度を必要とし(タスクマネージャ調べ)、結構なストレスを味わいました。
恐らくこれ未満で動作させるのは厳しいと思ったほうがいいです。
推奨スペックに記載されている「メモリ16GB」は本当に推奨スペックかと思われます。

LED
2022年11月15日
全ての実績を解除した上でのレビュー
一つ目のフィルムから映像をクリックしていくことで3つの映画の断片を全て探していくのが目的の1つ。正直、残りのフィルムが少なくなればなるほどどれが足りないのかという点で苦悩することになるはず。シーン番号というヒントはあれど、どうしても分からないという人はコミュニティのガイドを見るのも一つの手。
フィルムがある程度集められてくると、映画のストーリーを追ったり、そもそもなぜ映画が公開されなかったのかを追っていくことになるが、それ以外にも謎はあるので、ぜひ操作方法はちゃんと理解することと、振動付きのコントローラーでプレイするのがおすすめです。
正直全てが語られる訳ではないので、もやもやする人、考察を楽しめる人などいろいろな人が出てくると思いますが、私個人としては驚かされ、考えさせられ、そして誰かと語りたいなっと思った、そんなゲームでした。
最後に、時に演技を、時に語りを、そして歌にダンスにと多彩な表現を見せてくれたもう一人の女優に最高の賛辞を。

nicolith
2022年10月30日
ゲームとして、単なるインタラクティブな映画を越えた一作でした。
エンドクレジットまで8時間、全実績解除まで15時間程度。
ゲームに隠された仕掛けに気付かなければエンドクレジットまでたどり着けませんが、
その時点ではまだ背景に隠されたストーリーはちんぷんかんぷんな状態だと思います。
映像はかなり気合が入って作られており、映画の一場面として違和感がなく、
まずは映像を集めて映画自体を楽しみ、その合間合間の映像から制作背景を窺うだけで面白いでしょう。
そうしている間にあなたは仕掛けに気が付き、エンドクレジットに到達するはずです。
そこからが真の謎解きの始まりで、エンドクレジットのようなわかりやすい答えはありません。
ただ、映像を集め、ストーリーを組み立てていくうちに、真相に気が付くはずです。
わたしはこのゲームのシステムとストーリーの噛み合い方、言い換えれば、
このようなゲームでしか語り得ないストーリーであることに感銘を受けました。
次はあなたの番です。

seiken
2022年09月25日
果たしてこれはサスペンスなのか?ホラーなのか?という
ジャンル不明の状態のままスタッフロールまで持っていかれる非常に珍しいタイプのゲーム。
ほとんどの時間を映像を見ることに費やされるので、好き嫌いはかなり出そうだが、
個人的には全く苦にならなかったのでおすすめ。役者さんの熱演もあり、「彼女」の悲哀がとても良い…
以下は攻略向けのネタバレ。
・序盤
[spoiler] 基本的に「気になったものをクリックする」程度で映像を見て行けばOK。
飛び先は固定ではなく、「クリックした物、または人と同じものが映っているいずれかの映像へジャンプ」なので
同じものを連打するでもある程度映像は見ていける。
3本分の映画の撮影シーンを見ていく都合上、役者名と役名×3が飛び交うという
かなりややこしいことになっているので、人物名はメモを取りつつ進めると理解が進むと思う。 [/spoiler]
・中盤以降
[spoiler] 映像を見ていると、時折不穏な効果音が流れることに気付くかもしれない。
そこには重大な手がかりがあるので、巻き戻してじっくり見てみよう。
時にはコマ送りで戻してみるとはっきりと見えるかもしれない。 [/spoiler]
・スタッフロール後
[spoiler]映像埋めはおとなしくガイドを見よう。
https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=2860754029
面倒かもしれないけど、Secrets (2) の映像は是非見てほしい。[/spoiler]
2022/11/24
steamアワードの実績埋めのため更新。広くおすすめはできないけど素晴らしいゲームなので是非。

ninespider
2022年09月13日
傑作だった。ストーリーだけでなく体験として価値があったと思うしゲームでなければできない表現だとも思った。
マリッサ・マルセルという3本の映画に出演した女優。将来を有望視された女優だったが映画はいずれも未公開に終わり彼女も姿を消した。しかし近年になって撮影の様子を収めた大量の映像が見つかって……というのが物語の導入。
プレイヤーは見たい動画を選択し視聴中に登場した気になる人物や小道具を指定する事で関連する別の動画にジャンプする事ができる。この際に今まで見ることができなかった動画に移動する事もあるので、それを繰り返して映画の全貌とマリッサに何があったのかを知るのが目的となる。目的となるとは言ったもののゲーム中でそう明言されるわけではないし何を持ってエンディングとなるのかわからないままプレイヤーは映像の中を彷徨う事になる。
ゲームの性質上プレイ時間の多くが動画を視聴する事に費やされるであろうし場合によっては同じ動画を確認のためにもう一度見ることになるケースもあるだろう。スピード調節もできる早送りや巻き戻し機能に動画のお気に入り登録などプレイをスムーズにするための機能は揃っているが、そもそも映像を見るのがダルいという人には向いていないゲームと思われる。
しかしチャーミングでしたたかなマリッサと彼女を取り巻く人物を追ってるだけでも意外と飽きずに楽しめるものだ。本筋とは関係ないスタッフが登場するシーンだけを追ってみるのも面白いだろう。そうする事で新しい動画に行き当たったりと予想外な発見があったりもする。最初は3つの映画の断片を並行して見るはめになるので理解が追い付かないが次第に映画のストーリーや役者の人物像がわかってくる。好奇心が満たされていくのは気持ちが良い。
ラストで多くの謎を残し考察サイトを見ないと理解するのが難しいというのは昨今のインディーズゲームによくあるパターンだがIMMORTALITYでは「結局よくわからないけど想像くらいはできる」という所まで語ってくれるのが好印象だった。言ってみればエンディングを見た後に「なんとなく想像できる」と思ったらそこでやめても良いゲームではなかろうか。わからなさを心地よさとして残してくれるゲームなのでそれで構わないと思う。そして逆に言うなら苦行に近い最後の実績を取得したからといってこの物語を完全に理解する事はできない。それもやむを得ない話で物語は終わっていないのだから。それは文字どおりの意味かもしれないしそうでないかもしれない。俺にもわからない。

ishikoro77
2022年09月12日
HerStoryが衝撃的だったので、今作もプレイしてみましたが自分にはいまいち合わず。
ただなんとなくクリックする作業が続き、いつのまにかクレジットまでいってしまいました。

rararayulunggu
2022年09月09日
全実績解除したのでレビュー
前2作では見た動画で新たに出たワードを検索して真相へと近づいていくようなゲーム性で
新しい動画を見つける楽しみを引き立てる良いシステムだった
そういった意味では、動画のポイントをクリックして別動画を見つける今作のシステムは前2作とは別物であった
次の動画を発見するために見つけた動画の内容を確認する必要は薄い
ランダムにクリックしてジャンプする作業を1時間続ければ大体の動画が集まる
(実績を気にするなら新しく出てきた物、人は必ずクリックしておくとよい)
動画を集め終わってから順番に動画を見るプレイをお勧めする
肝心のストーリーだが非常に良かった
ストーリーは難解で完璧に理解できたとは言えないが、とにかく役者の演技が素晴らしくどんどん引き込まれていく
彼女の特性について共感はできないが、それでも彼女の苦悩や葛藤に心を打たれた
[spoiler]"Candy Says"[/spoiler]の動画にたどり着いたとき自然と涙が出ていた
前述した今作のシステムだがプレイし終えた今ならその意味が理解できる
[spoiler]見た目と中身が一致しない人物が多く登場する今作ではストーリーの理解の手助けになるシステムだといえるだろう
恥ずかしながら"Candy Says"という曲を初めて知ったのだが、調べてみると"Candy Darling"がこの作品のモチーフになっていることは確かだろう
"Lou Reed"のインタビューを読んでこの作品のことが分かったような気がする[/spoiler]
ゲームとして不満を感じることもあろうが、余裕を持って今作に臨んでほしい
きっと素晴らしい体験になるはずだ

okina
2022年09月07日
クレジットまで進めたのでレビューをば。
止め時を失う程没頭しました。
人を選ぶ作風なのは間違いないですが、響く人にはとても強く響く作品だと思います。
他の方も言及されてますが、デヴィッド・リンチ作品が好きな方はすんなりハマれるんじゃないでしょうか。
不条理な映像の中で突如現れる異変に気付いた時、もう続きが気になって眠れなくなりますよ。
ただ、明確な答えが明示される訳ではなく、あくまで自身の解釈・考察に委ねられた終わり方なのでそこは注意。
また、ある程度ランダム要素があったり、進捗率のような見た目に分かるシステムが無いので
ゲーム的にはやや不便に感じる部分もあり。
そこを差し引いても素晴らしいゲームなので、気になった方はプレイする事をおススメします!

Laundrin
2022年09月06日
前作より確実に面白い。
初回プレイは明け方までプレイしました。
3つの映画(3つの時系列)+それぞれ撮影時のプライベート映像 で展開されるので、
プレイ開始してから、ストーリーに引き込まれて、もっと先が知りたくなる流れに至るまでは人によって長く感じるかも。
3つの映画が頭の中である程度タイムラインが敷かれて整理されるまでに脱落する人もいるかもしれない。
しかし一回盛り上がれば最後までぶっ通ししたくなる魅力はある。
このゲームは自分で観たい映像を選択できるので時系列がシャッフルな訳では無いが、
クリストファーノーラン監督の映画が好きな方にはピッタリな作品かと思う。
プレイTips
・プレイする時はタイトル画面から入れる操作説明を全てしっかり見て操作を把握すること
(特に再生速度の調節、スロー再生、巻き戻しなどは絶対マスターすること)
・BGMの不穏な音には注意を払って!!!
・クリック可能になる映像モード時はキーボードの←→で選択フォーカスできる