







Night Call
「Night Call は、フランスのパリで行われる、新しい種類の非直線的な物語とノワールのゲームです。 実際の都市地図 (約 105 km² または約 40.5 mi²) とタクシーが提供する親密さを利用して、プレイヤーは数多くのユニークな乗客と出会い、会話をすることになります。彼らの中には、殺人犯について何かを知っている人もいれば、知っているふりをしている人もいますし、ただ誰かに話したいだけの人もいます。 Night Call は単にストーリーを伝えるだけでなく、パリの街を現実のように見せることも目的としています。愛の街のありきたりなイメージからは少し離れています。常に動き、さまざまな人々で溢れている巨大な都市。それぞれに共有すべきストーリーがあります。これらすべての物語をまとめると、殺人犯の身元を見つける過程でユニークな体験が生まれるでしょう。」
みんなのNight Callの評価・レビュー一覧

ashi_yuri
2023年10月07日
[u]有志による非公式日本語パッチあり。(X/Twitterで「ナイトコール 私家版」で検索)[/u]
[h1]夜のパリ、タクシーの中、乗客達とちいさな秘密
そこに自由、平等、友愛はあるか?[/h1]
タクシー運転手として、パリという都市を生きる様々な人々と会話を交わし、この街を襲う連続殺人犯を突き止めていくADV
タクシーを運転し、運賃をもらいながら生活費を稼ぎ、乗客たちと会話することで手がかりを集めていきます。
事件は全部で3件。クリアまで5時間程度。
推理ADVとして特筆すべきものはありませんが、タクシーで交わす会話シミュレータとしては出色の出来です。
80人を超えるさまざまな乗客たちはほんとうに多彩。家出猫、同性との結婚を同僚に打ち明けられない男性警官、チック症を発症し卑語を連発する上品な老婦人、出会い厨、過去を懐かしみ現在を嗤うばかりの偏屈な老人、育児ナーバスな父親、過去の凄惨な事件でこころ壊した警官、曖昧に笑う日本人観光客、東京でも大阪でもどこにでもいそうな有象無象のあかの他人たち。誰もがそれぞれの事情、問題、見解を持ち、それぞれの人生を生きています。タクシーでのささいな会話を通して、そんな普段は会話もせずに通り過ぎていくような他人について知ることは、単純に興味深く、クリアした後もえんえんとタクシーを運転してしまう楽しさがありました。
そして会話を通じて、早すぎる変化やテクノロジー、LGBTQ、移民、世代間の軋轢、差別など現代の都市にまつわるいろいろな問題を肌で感じながら、なによりそこで生きる人々を通して欧州の矛盾と至宝である「パリ」という街の辛さと魅力を存分に味わうことができます。現代の都市の一面を克明に描く優れたゲームです。
会話のテキストは、市井の人々を虚飾なく丁寧に描いていてとても質が高いもの。会話では多くの人生と同様にずっとリアルでビターな展開が続きますが、どこかクールでドライな距離を保っているので、プレイしていて苦になることはありませんでした。たまに幽霊やファンタジー・SF展開が出てくるなどの展開も飽きさせず、それらの展開も時代や空間を越えて、確かに「パリ」という都市の一面であるのだと感じさせられます。
白黒の画面はノワールであるとともに、夜の雰囲気を演出し、音楽も主張しすぎずに少しだけ感情を彩るような抑制が効いた丁寧なものです。
十分におすすめできる作品ですが、バグが多いので注意してください。実績取得不可、会話の取得実績がつかない、まれに強制終了などが起こります。ただし、ゲームとしては支障なく最後までクリアできました。
日本で似たような作品と言えば、ドキュメンタリーの「ドキュメント72時間」などが思い浮かぶでしょうか。今の都市を生きるあかの他人たちと会話し、パリという街に思いを馳せる稀有なゲームです。
夜に少しずつプレイするのが似合うような作品でした。おすすめです。

crs
2023年09月30日
※推奨は、最初は何も知らず、何も見ていない状況で遊ぶ事です。
※そうやって遊ぶ価値がこのゲームにはあると思っています。
ゲームの説明やトレイラーを見ているとまるで推理するゲームみたいに見えるかも知れないが、このゲームにはそういう要素はほとんど無い。なのでそういう要素を見たくてこのゲームを買うとガッカリするのでは無いだろうか。
つまり例えば証拠が複数手に入ったりする。以上。他の推理ゲームとかである組み合わせて新しい証拠が、とかそういうのは一切ない。
あるのはコルクボード上で証拠の位置を動かせるだけ(ゲームには影響しない)。
じゃあ面白く無いの?と言われると面白かった。ただ、内容は本当にビターの濃度が違う程度で、まぁ全般漏れなくビター。
色々な話、色々な視点、色々な見解。ゲーム上じゃなかったら興味を持たなかった、あるいは知らなかったであろう情報。
音楽は静かで一見地味だが、聴き応えのある曲でゲームを本当に盛り上げてくれる。
バグは本当に多い。幸い自動セーブなのでデータが消えてハイおしまい、みたいな事は無いのだがバグの多さはゲームの面白さをある程度減じているのは事実。
作曲者はCorentin Brasart。Steam上でもMP3版のサントラが買えるが、Bandcampで本人が売っているFLAC版の方がオススメ。
但しBandcamp版は本編とFreeDLCに分かれている。
![No_Author[JP]](https://avatars.steamstatic.com/b2edbc430cffa963966ebafc9e7844414a9c51c1_full.jpg)
No_Author[JP]
2020年12月05日
あらましは日本語でストアページに書かれているので省略。
・システム面とか
見てのとおりのノワール調。テキスト分もその雰囲気を
損なわないような色しかない。暗い色のはモノローグと
分かる。またフキダシ口でどっちが喋っているかは分かる。
バックログが無い。会話の送りもマウスクリックのみで
昨今のエ■ゲにすら快適さで劣るのが難。音声もない。
タイトルメニューからpassidex(回顧録?)を見れば
確認は可能。未アンロックの会話があることも
ここで確認可能だが、割と量があり気が滅入る。
なお集めた証拠は自動で容疑者候補と紐づくので
推理要素はそれほどない。が、言い換えれば
集めた証拠がプレーヤーキャラクターの知る情報の
全てなので、収集が不十分だと強制バッドエンドになる。
なお情報と容疑者の取捨選択自体はできるため、
自分が怪しいと睨んだ奴を重点的に探ることもできるし、
ストーリー展開次第ではアリバイが確認されることで、
自動で容疑者候補から外れる奴も出たりする。
この場合は当然だが候補には戻せない。
・所持金がキツい
普通に街を流していると 収入<<生活費+ガソリン代
なので、手持ち≧初日の消費額×六日間 を目安に
考えよう。なお通貨は当たり前だが€(ユーロ)で、
日本人には正直ピンと来づらい。取り敢えずガソリンは
チビチビ入れつつ、スクラッチくじ削ろう。
基本的には時間(証拠集め)と金稼ぎのトレードオフだが、
勤務の強制終了(4時過ぎ頃)時点で自宅から遠いと
帰宅するまでの時間がかかり、時間不足で提供された
手掛かりが一部閲覧できない事態が起こるので注意。
・登場人物が割と多い
当初の容疑者5名を加えて80人を超える。
大半がただの乗客で事件に直接関係ないが、癖のある
人物が多い。まぁ深夜のパリで独りタクシーに乗ってくる
奴なんて碌なのがいねぇ、と思えば気は軽くなるが。
中にはコミカルな奴もいるが、基本的には重い話を
ぶっ込んでくると思ってよい。
しがない客商売なので「はいはいはい、そっすね!」的な
感じで同調しておけば、貰えるチップは多少増える(筈)。
なおたまに代金払わない奴がいるので、殺●を覚える。
・日本語未対応(ごく一部除く)
ストアページ説明文は日本語だが、現状日本語未対応。
だが舞台は現代パリで、作中の会話は仏語で行われている。
そして「フランス語お上手ですね!」的な英国女性が
出てきたり(ブレグジットの話題とか出してくる)、
フランス語が喋れず日本語を捲し立てる(しかも突如
日本語フォントになるw)うえにフランス(主にメシ)を
ディスりまくる関西人とかが出てきたりもして笑いを
誘うが、最後っ屁をかましてくるので油断ならない。
・その他
フリーローミング機能つき。
要はこれで未読回収して実績解除してね!という事かと。
日本語版が出ることを切望。
仏文学科出身のおっさんだけど、この文章量だと
仏語に切り替えてプレイする気は全く起こりません!
(´・ω・`)