








Kind Words 2
現実の人々に親切にするゲーム。居心地の良い部屋から素敵な手紙を送り、外に出て近所の人に挨拶し、おすすめを交換し、詩のスラムのためにドレスアップして、願いでいっぱいの空に夢を追加しましょう。真剣に取り組む本物の人々のコミュニティに参加してください。
みんなのKind Words 2の評価・レビュー一覧

tcdtw339
2024年10月16日
[h2]これは奇跡なのか?[/h2]
本作は『Kind Word』の続編……というよりは前作をそっくりそのまま組み込んであるため、『Kind Word』の大幅な拡張版と言っていいと思います。
前作をご存じない方のために内容を説明しておくと、「不特定多数に向けたメッセージ(相談)を投稿することができ、他のプレイヤーはそれらの投稿に対して返事を書くことができる。返事に対して更に返事を書くことはできず、アカウント名といったものも公開されないため、やり取りは一往復限りとなる」という内容の、ゲームというよりいわばSNS(あるいはもっと上の世代の方には、匿名掲示板といったほうがしっくりくるかもしれません)に近いものでした。
これを基礎にした本作もコンセプトは共通しており、非同期のチャットやお題を提示して答えを募る遊び、詩の投稿などのアクティビティーを追加した内容となっています。
さて、私は先にこの作品を指して"SNS"と書きました。
となると、このように思われる方もいると思います―ー一部の出会い系アプリ以外の全てのSNSが基本的に無料で参加可能なのに、相応の対価を払ってこの作品を購入する価値があるのか、と。
そこで、本レビューのタイトルに戻ります。
この"SNS"は、SNSとしてはとても変わっているのです。
どのような点で特殊なのかといえば、端的に言って「インターネット(笑)」という状況に遭遇することがない。
現代において安定したインターネット環境の整備された社会に暮らす人ならば、洋の東西を問わず画面上の状況に対してそのような感想を抱いたことが必ずあるのではないかと思うのですが、本作においてはそのようなことが起こりません。
相談を投稿すれば多数のプレイヤーから真摯かつ共感的な回答が返ってくるし、この「相談事」以外のコンテンツにおいては、どのプレイヤーも他のプレイヤーを楽しませ、励まそうという思いが垣間見えます。
いや、どのようなアプローチをとろうが完璧な管理を行うことはほぼ不可能だと思われるので、どこかで「インターネット(笑)」が発生しているには違いないのですが、少なくとも私はこの作品を起動している時そのような状況に遭遇したことがありません。
参加有料の場であることが参加者の選別として機能しているのか?
あるいは相手も自分も同一性を保持しない(サービス内での完全な匿名)という状況が、無私の奉仕という行動様式を動機づけているのか?
(実際のところ、「相談に回答する」というロールは「相談を投稿する」側であればできるやりとりの保存すらできないので、最もインセンティブの少ないロールなのですが、そこにはなにか自己の経験を開示する快楽のようなものがあります)
いや、ただあり得ないと思い込んでいるだけで、本当は一定の手続きを踏めばこんな場は簡単に作ることができるのか……?
確信の持てるようなことが言えないため、このレビューもチンパンジーによるMacbbokのレビューみたいなワケ分からんけど驚いてる以上のものを書くことができなかったりするのですが、ともかく唯一無二のゲーム、あるいはアプリ、SNSであることは間違いないかと思います。
現状過疎の気配も感じられず、思う存分悩みを打ち明けたり全手動悩み回答botになったりできますので、ご興味を持たれた方は是非とも覗いて行かれてはいかがかと思います。