





Krai Mira: Extended Cut
Krai Mira: Extended Cut は、同名の島の放射能に汚染された荒野を舞台とする黙示録的な RPG です。自分に最適な武器を手に入れ、戦友を見つけ、真実を知るために島を探索し、世界を荒廃させた者たちを懲らしめましょう。
みんなのKrai Mira: Extended Cutの評価・レビュー一覧

gc_rev
2020年08月15日
Unity製の旧Falloutクローン。文章量はかなり少なく、ダイアログはメインのストーリーライン分しか用意されていない(他のNPCはアイテムの取引をするだけか、さもなければクリックしても無反応のいずれかである)。クエストログも概説と次の行き先くらいは示してくれるので、先に進めるだけならそれほど苦労はないと思われる。世界観の裏付けとなるNPCの世間話等がまったく存在しないのは進行に迷う心配がない反面、RPGとしては相当に味気なくもある。
本作最大の問題はセーブデータの扱いで、なんとレジストリに直接書き込むというUnityゲーの中でも類を見ない仕様である。おまけに様々なセーブ項目がファイル別に分散しており、複数セーブを取ることを想定していないかのような構成になっているためセーブの再現性がかなり怪しく、ロード後に勝手に話が進んでいたり、フラグ関連の挙動が怪しくなったりする。
NPCと取引をすると1000貨幣ごとに街の友好度が+1される(注:累積ではなく一回の取引結果のみ参照する)システムがなかなかユニークで、本作はこれを意識して積極的にアイテムの売買をしていくことになる。というのも、本作は装備や所持金を根こそぎ奪われるイベントが多発する(メインストーリーに関わるので回避できないうえ、なんと終盤でも発生する)ため、後生大事にアイテムを持ち歩くと痛い目を見る、パックラットには肩身の狭いゲームなのである。そのため、相手にタダで渡してでもアイテムや現金を友好度に変換するといった割り切りが必要になる。
他の難点といえば主人公の見た目や性別を選べないとか、装備が見た目に反映されるとはいえダサい服装に鎧と肩パッドと兜を上からかぶせるだけなので、どうコーディネートしてもダサさが拭えない点などが挙げられるが、それは瑣末な問題か。NPCの造形はさほど悪くないと思うのだが、主人公だけがなんかオタク部屋から異世界召喚されたように野暮ったくてダサい。カラーリングが完全にのび太。なんだそのグラサン。
インディーゲーにありがちな、無闇にテカッてて小奇麗なグラフィックではなく、たんに古いゲームを思わせる薄汚れた画風は個人的には好みで、マップの作り込みもそこそこ細かいため、雰囲気ゲーとしてはそれなりに楽しめると思います。
個人的にはわりと好きなんですけど、メタスコア50点、ユーザースコア平均5.4点はまあ納得しかないな…という出来です。普通に面白いゲームが欲しい人が買うものではないです。