






Time Machine VR
Time Machine VR は探索アドベンチャー ゲームです。ジュラ紀に旅行して、ダコサウルスやプリオサウルスのような生き物と触れ合いましょう。ハイテク ツールを使用してそれらを追跡、調査、スキャンし、結果を DinoDex にアップロードして人類を救う秘密を明らかにしましょう。
みんなのTime Machine VRの評価・レビュー一覧

Greener
2021年02月14日
[h1]恐竜全盛期であるジュラ紀の海にタイムトラベルできるVR海棲動物調査ゲー。[/h1]
VR黎明期である2015~6年にタイムトラベルできるVR時代遅れゲー、という表題の方が伝わる気がする。
[h1]■概要[/h1]
2033年にて15億人以上の感染者と3億人以上の死者を出し、さらに感染拡大の気配を見せる未知のウィルスへの対抗手段を探るため、刻を超えてはるかジュラ紀の海棲動物の生態を調査する、ストーリー仕立ての主観視点アドベンチャーゲー。
初回クリアまで7時間半かかったが、移動の遅さとタスクを見失った事に因る空費がかなりの部分を占めるため、実際には5~6時間かも知れない。上下左右前後にスライド移動と、左右旋回ができる調査ポッドに乗って移動するため着座でのプレイのみ。
ポッド自体は単なる乗り物でしかないのか、地面に設置されたポータルに接舷すると周囲の水嵩が増していっていつの間にか海底に居るといった演出でタイムトラベルを行う。調査対象エリアは4箇所あり、全部で大型6種と小型5種の計11 (+11) 種類の海棲動物を間近で見ることができる。
「あれが調査対象のダコサウルスですね。まずは個体を識別するためにそれぞれにプローブを打ち込みましょう」「最大のものがメスで、あとはオスのようです。あの個体の胃の内容物を見てみましょう」「イクチオサウルスを捕食するとは。恐るべき咬合力ですね……顎を調べてみましょう」
と言った感じのサポートAI(?)の指示に従い、何種類もある機器を使い分けてひたすら情報を集めては報告に帰るだけのお使いゲー。ゲーム性は最低レベル。
[h1]■いいところ[/h1]
ティラノにステゴにトリケラにラプトルといったもう見飽きた連中ではない、ジュラ紀の海に生きる海棲爬虫類やら魚竜やらに会える。エラスモサウルス、モササウルス、メガロドン、レヴィアタン(巨大クジラ)などなど、史実よりもサイズ盛ってる気がするけど、サイズ感の分かるVRでデカい生き物を見るのはそれだけで楽しい。
でっけえのがガパッと口開けて迫ってくるのを見ると、非武装で調査に行くとかつくづく馬鹿じゃないのって思う。
[h1]■わるいところ[/h1]
まず、調査対象の半分は実在しない架空の生き物なこと。実在11種+その改変11種。
https://cdn.akamai.steamstatic.com/steamcommunity/public/images/clans/9919776/eefbed63b6316d7ea733cfb36c4e31951a73af63.jpg
別の進化を遂げた平行世界の同種って設定で、デンキウナギとエラスモサウルスの間の子とか、マンタとメガロドンの間の子とか、ぼくのかんがえたさいきょうのきょうりゅうが出てくる。恐竜のロマンって「こんなのが本当に居たんだ」って部分なので、居もしないもの出されてもわりとどうでもいい。
次に、MOBがめちゃめちゃ気軽に地形にめり込む。眼球を調べろって言われても、そいつ地面に突っ込んでしっぽしか見えてませんが? こっちは浮上できないのに、あのカバ海面から更に上昇して空に消えたんですが?
スクショが撮れないのもいただけない。VR-HMDに表示されているままのスクショを撮るショートカットに反応しないし、デスクトップにゲーム画面が表示されないので通常のスクショを撮るF12にも反応しない。Steamにすんなりアップロードできる形式での保存は不可能。
デスクトップにゲーム画面が出ないので、一回ヴァーチャルデスクトップ等でゲームからフォーカスを外しちゃうともう復帰できない。Oculusのメニューからゲームには戻れても、コントローラーが効かなくなる。
また、OSのユーザーアカウント制御の設定にもよるが、起動時に毎回「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか? ネットワークコマンドシェル」という警告が出て、いちいちデスクトップに戻って「はい」を押さないと起動しないのも面倒くさい。
それから、視野狭窄とかテレポートとかスナップターンが発明される以前に仕様を固めたのか、VR酔い対策と呼べるものが「自機がゆっくりしか動けない」のみ。実質潜水艇だから早く動けないと言われりゃそうかもしれないが、それにしたって遅い。調査対象に追いつけないので、気まぐれに引き返してくれるの待ちになったりする。プレイ時間の結構な割合を無駄遣いさせられる。
あと、このゲーム基本的にスキャン以外やることないとは言え、Scan, Echo Scan, Behavior Scan, Exo Scan と、○○スキャンが多すぎる。「ただのスキャン」はなんなんだよ。それで全部賄えないのか。
ついでに、筆者はOculus Quest + Linkでプレイしているが、Oculus Touchを認識しない。ストアにはOculus Riftと被追跡モーションコントローラに対応しているとあるのに、していない。ゲームを起動するとまず健康に対する警告が表示され、次に箱コンのviewボタン長押しで視点リセットだよと説明がでる。
タイトルとメインメニューが出るのは教わった通りにviewボタンを押した後。箱コンを持っていないOculus Questユーザーはこの時点で詰みである。対応するボタンが押せないので一切ゲームは進まない。返金申請まっしぐら。
ちなみに箱コンがあっても、毎回教わるからもうわかってるよとばかりに健康に対する警告の段階で視点リセットを行うとやっぱり詰む。いざ視点リセットのやり方を教わる段になっても、すでに一回リセットしてるので満足してそれ以上リセットできないし、まだ教わった通りに実行してないので先に進まないからだ。
タイトル画面を見る前からすでに勝負が始まっている。なんのだ。
[h1]■感想[/h1]
ゲームとしてはまったく面白くない。メタスコア58も納得のつまらなさ。
お、あれが今回の調査対象か。よっしゃ取り敢えずプローブ連打して全部にマーキングじゃい! ポシュ、ポシュ! 「どうやらあれが調査対象のようです。まずはプローブを打ってタグ付けしましょう」 いや、もうやったじゃん。たった今。見てなかったのかお前!? ……みたいなことがよくある。
フラグが立ってない時は何をやっても反応しない。自分がやりたいことはやれず、向こうがやらせたいことを探るゲーム。先刻の例でいうと「胃の内容物」と言われたら「エコースキャン」以外すべて無反応になるが、ボイスが終わる前に英語字幕を読みきれなかったらもうあとは総当りしかなくなる。反応しないツールを選べるようにすんなよ。
終盤でようやくプローブを打ち込んだ時に対象を縁取りする線が赤か黄色かで対応ツールを絞り込めることに気付いたが、ツールアイコンは単色なので特になにかと対応してるわけではなく、黄色だと多分エコーかBehaviorのどっちか……? くらいの感じ。
字幕をちゃんと読めって話かもしれんが、セリフ言い終わったら画面の隅に「Do the Echo Scan.」って出しといて欲しい。
あと行きも帰りもポータルに接舷しないと時間跳躍できないわけだが、なぜか行きに使ったポータルからは帰れない。「これで調査完了です。帰還用ポータルの稼働を検知しました」……じゃあ方角くらい表示しろやクソが。移動遅いから探し回るの面倒くさいんだよ!!!
調査進行度をすべて100%にして終わったら、寸劇のあとなんの演出もエンドロールもなくスッとタイトル画面に戻されたんだけど、この出来じゃあ胸張ってぼくがつくりましたとも言えないってこと?
ストアページの公式Webサイトのリンクも切れてるし、なかったことにしたいとしか思えない。
どうしてもVR視点でモササウルスやメガロドンに丸呑みにされたい、っていう人にしか薦められない。