






Vietnam '65
1965年、アメリカによるベトナム地上戦は本格化していた。米陸軍司令官として、カンボジアとの国境にあるイア ドラン渓谷を確保するために反乱鎮圧 (COIN) 戦争を遂行します。 Vietnam '65 は、航空機動作戦が最も重要であり、火力支援基地が重要な役割を果たし、空爆が窮地を救うベトナム戦争の真の本質を捉えた屯ベースの作戦ゲームです。
みんなのVietnam '65の評価・レビュー一覧

OKN
2023年05月08日
[H1] ベトナム戦争のワンシーンを簡易なルールで再現 [/H1]
イア・ドラン渓谷の戦いをモチーフにしたターン制の戦術級ストラテジー。
米軍とARVN(ベトナム共和国陸軍)の部隊を指揮して渓谷にある10か所の村落を防衛しつつ、NVA(北ベトナム軍)とVC(ベトコン)の攻撃から45ターンを守り抜くのが目的だ。
シナリオのようなものはなく、ゲームモードは上記の1本のみ。
マップだけが、新たなゲームを開始するごとに自動生成されるようになっている。
ちなみに戦術級ではあるか敵の撃滅がメインではなく、ベトナム市民の人心(ハーツ&マインズ)や米本国のサポートといったパラメーターを維持しつつ、北ベトナムの輸送路であるホーチミンルートから無限に湧いてくる敵の攻撃をさばいていくのが基本となる。
「人心」はゲームの勝敗を決定するスコアであり、米本国のサポートは増援ユニットの購入や工兵活動の実施に支払うポイントとなるが、いずれも村落が敵の浸透を受けたり指揮下の部隊が損害を受けると低下してしまう。
そこで村落に部隊を駐留させ、ジャングルに設置された敵の前線基地を掃討していくわけだ。
しかしユニットの移動と視界を妨げるジャングルは深く、基地を一歩でも離れたユニットは定期的に補給しなければ除去されてしまう。
UH-1のヘリボーンでユニットを展開し、ジャングルを切り開いてM113で補給を行い、グリーンベレーで偵察を行い、CH-47で砲兵をスリングし、ガンシップで敵ユニットを焼き払うのだ。
最初は単純にすぎるかと思っていたが、ベトナム戦の雰囲気が上手く再現されていて実に面白い。
なるほど、これは隠れた佳作であった。
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[th]言語依存度[/th]
[th]★★★☆☆[/th]
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[td]難易度[/td]
[td]★★★★☆[/td]
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[td]ワンス・アンド・フォーエバー度[/td]
[td]★★★☆☆[/td]
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sensyuraku
2017年01月27日
ヴェトナム戦争を舞台にしたヘックス制・ターンベースのストラテジー。プレイヤーはマップ上の村落に歩兵を派遣することで住民の信頼を得つつジャングルに潜むヴェトコン及び北ベトナムの軍勢を掃討しなければならない。
このゲームの秀逸なところは
・5ターンほど経過するとユニットは消滅するので補給する必要あり
・ターン経過で必殺の空軍爆撃が使える。
・雨が降ると航空機の飛行距離が縮み爆撃も使用不可に。
・一部ユニットを除き視界が2マス分しかなく、ジャングルでは移動距離も激減する。
などの要素によって[b] シンプルながらジャングル戦の恐怖を表現している[/b]ところにある。
難易度はまずまず高いし運の要素も結構大きいがオススメ。

Satojo
2016年02月19日
1965年。ひどく暑い日のことだ。野戦服に真新しい少尉の階級章を光らせたあなたは、泥道を走るジープに身を預けていた。サイゴンからの旅路は一種の時間旅行のようだ。あのフランス植民地様式の都市を1マイル離れるごとに文明は後退し、やがては原始の密林ばかりが眼前に広がりゆく。出発前に買ったコカ・コーラを飲み干すが、もうすっかりぬるく、また炭酸は抜けきっていた。放り捨てた瓶は密林に呑まれ消えていった。
さて、あなたは出発前のミーティングを覚えているだろうか?少し思い出してみよう。何、どうせ時間はあるのだ。目的地である前哨基地はまだまだ遠い。
「ベトナムにようこそ、少尉」
作戦室であなたを迎えた男は師団長たる陸軍少将、つまりあなたのボスだった。かつてヨーロッパで第三帝国と戦った空挺隊員の1人でもあり、胸には今なお空挺記章を飾っている。
「早速だが、この地図を見給え」
野戦服の袖で額を拭うと、師団長は傍らのテーブルに広げられた戦術地図を手で示した。陸軍に半生を捧げた英雄の顔には深いしわが刻まれ、声には隠しきれぬ衰えと疲れが滲んでいた。それを察したあなたは少し不安になる。
地図に描かれた範囲は広くない。鬱蒼とした密林の合間を濁った河が巡り、頼りない道路で結ばれた集落が点在する……ありふれたベトナムの切れっ端がそこにあった。
「前哨基地を1つ任せたい。一帯に潜む敵勢力を捜索・排除し、治安の維持にあたれ。なんといったかな、そら、民心掌握(Hearts and Minds)というやつさ。誰が本物の友人かをここらのベトナム人共に教えてやるんだとさ。紳士的にしてやれば村人もちょいと口が軽くなる。アカの居場所を教えてくれるかもな」
議会から押し付けられた新戦術を師団長が快く思っていないのは明らかだった。こうした小細工に労力を割くべきではなく、ナパーム、あるいは"もっと強力な奴"を以ってして1日でも早くインドシナ半島全てを焼き払うべき……と、彼は信じている。
「任務のために必要な戦力があれば手配する。多少の機甲・航空戦力なら師団から回せるし、グリンベレーやARVNにも協力を約束させる。無論、お偉方の顔色を伺いながらではあるがね。連中の機嫌を取る為にも定期的に成果を報告して欲しい」
ベトナムの空気は蒸し暑く、あなたの額にも汗がにじむ。よく冷えたコカ・コーラが無性に飲みたくなり、口の中が乾いてくる。
「そう固くなるなよ。ここで現代のパットンやアイゼンハワーを作ろうってわけじゃあないんだ」
ぎこちない笑みを浮かべつつ、師団長は何人もの少尉を相手に語ったであろう冗談を口にした。前の少尉たちがそうしたように、あなたもまた愛想笑いで応じる。あなたと同じような新品の少尉たちは、あなたと同じ命令を受けて密林に消えたのだ。いくらか昇進して戦い続けている者もいれば、更迭された者も、戦死した者もいる。今のところ、任務を終えて帰国を果たした者は数えられるほどだ。
「昔はよかった。ドイツ人と正面から向かい合って殺しあうだけでよかった。それでよかった」
やがてあなたに背を向け、師団長はひとりごとのように語るのだった……
Vietnam‘65のシステムはベトナム戦争を題材としたターン制ストラテジーです。アメリカ陸軍の指揮官として共産軍(北べ軍、ベトコン)と戦いましょう。
ただし、勝利条件は敵本拠地の制圧や破壊ではなく地域の民心掌握を達成することにあります。定期的に村を巡り、アカを探し、これを撃滅し、ユニットに補給を送る……といった風な繰り返しでゲームが進み、最終的に十分な民心掌握ポイントを得ていれば勝利です。ルールはユニークながらもシンプル、キャンペーン1回あたりの時間は短く、歯ごたえは十分。チュートリアルもあります。
実績が制服で表現されているのもステキですね。最初はまっさらだった制服に、実績を解除するごとにメダルやリボン、階級章が飾られていくのです。
ベトナム戦争に興味があるとか、ヘックスに慣れ親しんでいるとかなら値段分以上は楽しめるゲームです。

piyoist
2015年03月05日
このゲームは、いわゆるターンベースストラテジーです。ヘックス上の駒を動かして戦う昔ながらの奴です。そして、とてもシンプルな操作性で、要素もあまり多くないのに、ちょっと新鮮味があって面白いのが特徴です。
どういうところが新鮮かというと、まず部隊がベトナムで、敵が神出鬼没のベトコンであるので、どこから出没するか分からないということですね。
そして自分の部隊はすぐに補給切れを起こしてしまう上に、やたらと足がのろく、ほとんど視界がゼロなので、うまく前線基地を配置したりして、なんとか対処していく必要があるのです。抽象的なゲームなのに、基地を配置して、その間をヘリコプターでつないで、前線に物資を落としたりして、なんとかやりくりするという感じが、いかにもベトナム戦争の雰囲気を出しているのが不思議です。
ゲームの目標も、単に敵を撃破することではなく、現地の村を定期的に訪問して、村人を味方につけるのがゴールです。それだけのことなのですが、自分の部隊である米軍がやたらに弱いので、非常に苦労させられます。
気軽に始められて、すぐにゲームの内容を理解できるのが魅力ですが、ちょっと始めるとあっという間に数時間が経過してしまいます。難易度が高いので、まずはセーブとロードを繰り返しながら遊んでいるところですが、いまのところIronman modeがないのは少し残念です。セーブロードでかなり楽になってしまうので。
私はストラテジーが大好きなのですが、こういうターンベースストラテジーで気に入ったものは久しぶりです。
難点としては、戦いが勝つか負けるかの二つに一つで、それが乱数で決まってしまうので、あまりに乱数で決まる要素が強すぎるということでしょうか。そのうえ、敵の出没する場所もわからないので、かなり運頼みの部分がでてきてしまいます。
万人受けするゲームではないかもしれませんが、ちょっと変わり種のシンプルなストラテジーを求めている人にはお勧めします。