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Wasteland Remastered

1988 年に最初にリリースされた『Wasteland』は、ポスト黙示録をビデオ ゲームにもたらし、ジャンルにインスピレーションを与えました。完全に刷新されたグラフィック、サウンド、拡張された音楽を備えた、歴史を定義する RPG の 1 つをプレイしてください。 時は 2087 年、全面核戦争により地球の広大な地域が放射能の地獄絵図と化してからほぼ 1 世紀が経過した。あなたは砂漠レンジャーです。かつてアメリカ南西部だった地域に残された唯一の希望であり、飢え、病気、荒々しい襲撃者、ミュータントに対する善良な人々の最後の防衛手段である屈強な法執行官の一団です。 今、より秘密で邪悪な何かが人類を脅かしているので、それを調査するのがあなたの仕事です。助けを求め、見込み客をフォローします - あなたが行う選択があなたの周りの世界を形作ります。賢明な選択をしてください。あなたの命と、あなたが守ると誓った人々の命がかかっています。

みんなのWasteland Remasteredの評価・レビュー一覧

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gc_rev Steam

2021年12月09日

Wasteland Remastered へのレビュー
5

往年のカルトクラシックをUnity 2018に移植した作品。リマスターの名の通り、グラフィックをモダンな3Dに置き換えた以外は'88当時そのままのシステムを忠実に(ゲーム進行に深刻な影響を与える多くの不具合すら修正せず、本当に忠実に)再現しているため、すさまじくとっつきが悪い。PCゲーマーとしては当時を知ったふうな態度でカッコいいことの一つや二つを言うべきなんだろうが、いや、さすがにこいつは古過ぎる。そもそも、常にマニュアルを手元に置き、必要に応じてそれを参照するのが当たり前であった時代の作品であることを考慮すべきである。
プレイヤーはあらゆる状況でスキルorアイテムor能力値を使った判定を任意に行使できるのだが、解決すべき問題に対して選択肢が無駄に多すぎるため、どこで何をすればいいのかがまったくわからない。言うなれば、GMが一切のナビゲートを破棄したTRPGシナリオのようなものである。(FalloutはGURPSベースだったが、WastelandはMercenaries, Spies and Private EyesというT&Tのカスタマイズが基になっているらしい)そこへNPCとの会話がテキスト入力式であるという点も加わり、凄まじいまでの難解さを誇っている。面倒なコマンド入力を頻繁に行う必要があるのも大きな欠点だ。たとえば障害物を越えて移動するのに、「使用」⇒「キャラクター」⇒「スキル」⇒「登攀」⇒「方向選択」という操作を毎回やらされる破目になる…いわば、そのへんの壁や床を調べるのにいちいち秘伝技を使わされるポケモンのようなものである。
とはいえ、それらの「現代では死に絶えたクソ要素」にいったん慣れてしまうと、不思議と面白くなってくる。とはいえ本作の面白さはオリジナルのWastelandに由来するものであり、リマスターとして成功しているかというと、首を傾げざるを得ない(3D化によって位置関係やアクセスできる場所・オブジェクトの把握が困難になっているというプレイアビリティの低下も含め)。「本作に必要だったのはリマスターではなくリメイクだ」という声が挙がるのも、無理からぬことだろう。
個人的にもっとも残念だったのは、アニメーションするポートレート画像に.kanmという独自型式のファイルを使用している点だ(おそらくは複数の連番画像を単一のファイルに収めた.gifや.apngに近い仕様と思われる)。通常のテクスチャと違ってUnity用の改造ツールだけでは太刀打ちできないので、キャラ作成時に男女別5種類づつという少ないパターンのブサイク顔から選ばねばならないのは、没入感を大幅に削ぐ。アトラスor連番テクスチャで良かっただろうに、なぜこのような仕様にしたのか、理解に苦しむ。

古い作品をマスターピースと呼べるか否かは、ひとえに「いまプレイしても面白いかどうか」にかかっている。その点で言うと、このWastelandは、ある程度プレイのコツを掴みさえすれば、たしかに面白いと思える作品ではある。鍵のかかった扉を開けるのに、正規の鍵を使用するか、ピッキング技能を使うか、バールでこじ開けるか、爆薬で吹き飛ばすか…といった選択をあの時代に可能としていたのは驚嘆するほかない。もちろん強引な方法で突破すれば、相応の対価を支払うことになる。情報提供者の住むモーテルにピッキングで侵入しようものなら、手榴弾による洗礼を受けたうえで敵対化が解けることはない。自由度が高いとされるモダンなRPGでさえ「結果的に鍵さえ開けば方法は問わない」作品が多いなかで、この作り込みは驚くべきものだ。
そうした自由度の高さも然ることながら、「操作は煩雑だがゲームプレイそのものはシンプルである」ということ…後年のハードコアRPGにおいて当たり前のように実装されている、複雑すぎるマネジメント要素とは無縁であるという、真っ当な意味での「オールドスクール」の楽しみを備えている。
Wastelandはたしかに偉大なゲームであった、というのを再確認できる作品として、いちおうサムズアップしておく。が、素直にオススメできるかと問われれば、「やめとけ!やめとけ!」と言いたくなる代物なのも事実ではある…「現代向けに遊びやすくアレンジ」といった配慮はマジで一切ないので。

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