Game Cover
Video thumbnail
Screenshot Screenshot Screenshot Screenshot Screenshot Screenshot

G-MODEアーカイブス+ 探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.8「仮面幻影殺人事件」

本作は、『探偵貴生川良介事件譚』シリーズ第1作のDSリマスターをモバイル版に移植したものです。 幻想に抱かれ、仮面を被る…仮想世界と現実世界が交錯する、謎の連続殺人事件。 シリーズ第1作『仮面幻想事件』から8ヵ月後の2003年4月。 本作のシナリオライターである幾尾正夫のもとに、新作ネットワークゲーム『ミスティオンライン』のβテストへの招待状が届いた。 『Misty Online』は日本初のMMOADVで、現実の都市によく似た世界で起こる事件をプレイヤーとその仲間たちが解決していく前代未聞のゲームでした。 井川探偵事務所の鷺島いずなとともにβテストに参加し、架空の殺人事件を解決しようとしたものの、高所から転落して死亡した死体役のプレイヤーからの回答です。消えた... 現実と幻想。現在と過去。複雑怪奇に絡み合う無数の糸が幻想を生み出し、人々の心を包み込みます。

みんなのG-MODEアーカイブス+ 探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.8「仮面幻影殺人事件」の評価・レビュー一覧

cravfit166

cravfit166 Steam

2023年08月17日

5

[h1] パラノマの絵で英語版をつけてくれ [/h1]

(3行で言うと?)
おススメ。
(〇)AVG好きな人/パラノマサイトが嵌れた人。
(✕)細かいことを気にしちゃう人
   /主役の性格が納得いかないと許せない人

(本文)
「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」で
世界的な成功への足掛かりを作った
スクウェア・エニックス石山貴也氏。

彼の元気所属時代の代表作、
『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズの第8作目。
ガラケー向けのゲームがDSに移植された珍しいタイトルでもある。

本作と、第10作目である「永劫会事件」は、
当時絶滅危惧種であったアドベンチャーゲームにおいて、
気を吐く佳作としてごく一部のユーザーに記憶されている。

が、ご覧の通り、steamに移植しているのに日本語である。
(steamは本質的に英語圏向けの世界メディアであり、
 英語にローカライズするだけでも
 ユーザーは倍~数倍になるわけだが。)
G-Mode復刻プロジェクトの性質上どうしようもないのだろうが、
どなたかこの2作品だけでも、このクオリティで動いて
英語版で出せる程度のプロジェクトを組成してくれないものか。

(2:13~)

https://www.youtube.com/watch?v=tWzLqKQ21Xc

ギミックとどんでん返しが特徴の本シリーズの中でも、
本作、「仮面幻影殺人事件」は力を入れて作られている。

実在の社会と非現実のアバターの世界の双方で、
タイトルにもなっている「仮面」を巡る設定の緻密さ、
先入観、ミスリードへの巧妙な誘い方、
実在社会と非現実社会の往復、
相互照射の鮮やかな対比を見せつつ、
どんでん返しへの伏線も相まって、
ユーザーの息を呑む作りとなっている。

パラノマサイトは、これらの作品で培った
経験の延長線上にある意欲作であったことを
ユーザーに改めて思い起こさせてくれる。

一方で、パラノマサイトでは抑制されているが、
本シリーズは、主役である探偵・癸生川凌介の特異なキャラクター
その言動、設定破り、犯罪に対する価値観を巡って
賛否両論が吹き荒れていた。

未プレイの方は、
「癸生川はこういう(非常識かつ人によっては不愉快)キャラだ」
ということを、予め覚悟した上でのプレイをお勧めしたい。

その上で言えば、女性としての感性的な部分を残しつつも、
オーソドックスな捜査手法で
事実を手堅く積み上げて証言・証拠を固めつつ、
ユーザーにとって妥当と思われる推論に至る白鷺洲伊綱、
既成概念をぶち壊して「20歩先」の真実に達する癸生川凌介、
心優しく力もない一般人であるが故の
常識や感情を備えた生王正生。

三者三葉が織りなす物語は、
本作において最も成功したものと捉えることもできる。

パラノマサイトではじめて石山貴也氏を知った方も、
通勤時間でポチポチ遊んでいた昔を懐かしむ方も、
偶然このレビューを目にした奇特な方も、
各種のチープさと強引さにある程度目をつぶれるならば、
本作と「永劫会事件」の2作品は、やっておいて損はないと思う。

G-MODEアーカイブス+ 探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.8「仮面幻影殺人事件」に似ているゲーム