InSomnia: The Ark
InSomnia は、半人けのない宇宙大都市で起こる、陰惨なディーゼルパンクの設定を持つディストピアです。オープンワールドでの非直線的なプロットと現実的な戦闘メカニズムに重点を置いたリアルタイム RPG。
みんなのInSomnia: The Arkの評価・レビュー一覧
erimaki
2018年10月13日
[h1] 雰囲気ゲーであり、スルメゲー。だが、もろもろのハードルの高さにより、人には手放しでお勧めすることは決してできない。たまらない人にはたまらないゲームであることだけは確かなのだが…。[/h1]
途中で機械翻訳にかけることすら放棄してしまったので、ストーリーもろもろについては度外視のレビューであることを先に述べておく。
このゲームを例えるならSTALKERとバイオショック1,2の悪魔合体とでもいえばいいのか。SFな未来技術と荒廃した世界観と探索要素がたっぷり詰まった、はまる人はドはまりすること間違いなしのゲームだ。しかし、下記の要素により、その魅力は発揮しきれていないと言わざるを得ない。
[b]・癖の強い操作性。左右の敵対処は楽だが、接近されたり、小さな敵の処理に非常に手間取る。[/b]
このゲームはTPSではない。「サードパーソン」だ(タグ参照)。左右は360度エイミング可能だが、上下はカメラが動かない。画面内を照準が動くのみ。すなわち、周囲とやや下方向を見ることは楽にできるが[b]天井を見上げることができない。[/b]操作によって視点が上下に動かないことにより、いざ右クリックでエイムモードに入ったとき、照準があらぬ方向に行っていた、なんてことが頻発する。
しかし、これはゲームの舞台である閉鎖空間の狭苦しさを表現するのに一役買っていたり、悪いことばかりではない。慣れるし。[strike]そもそも天井を作っていないのではないか。容量の削減か。[/strike]
[b]・随所にちりばめられたミニゲーム。しかし・・・。[/b]
鍵開け、ハッキング、機械修理、地雷処理など、すべて違うミニゲームが用意されている。それはいい。しかし、[b]コストが高すぎるのが問題だ。[/b]たとえば、鍵開けはこの手のゲームのお約束、ロックピックを要求される。そして、[b]失敗しても成功してもロックピックを消費する。[/b]フォールアウトのように、成功すると使いまわせるということはない。ランダム要素の強く、当然開ける前は中身の分からないロッカーを開けるために、序盤では貴重で決して安くないロックピックを確実に一つコストとして消費しなければならない。
ハッキングも機械修理も似たような理由で割り高。地雷処理はコストの代わりにリスクを背負う。失敗すると当然の権利のように即爆発するから。
だが、戦闘状態に入らない限り、どこでもセーブロードできるので、特に慣れないうちは、一回一回セーブしながら挑戦し、失敗すればロードすればいいので、これも大した問題ではない。
[b]・極端すぎる戦闘バランス。武器が豊富なようで、実は選択肢はないに等しい。[/b]
1、前述したとおり、このゲームのカメラの上下角度は固定だ。障害物をカバーにして、これで一安心と思わせておいて、[b]実は高さが足りなくて頭を打ちぬかれる、という事態が発生する。[/b]カメラの上下が固定なせいで、うまく隠れきれているかどうかの判断が難しいのだ。ヘッドショットなくて本当に良かった。
そして、これまた当然の権利のようにカバーしきれていない障害物越しには弾が相手に届くのに、カバーしきれている障害物越しには弾が届かない、というジレンマが発生する。カバーに弾が吸われてしまうのだ。しゃがみ状態の射撃もだいたい成功しない。曲がり角などは特に。大抵、手すりに弾を吸われる。
2、敵も自分も死にやすく、倒しやすい。攻撃一発喰らうだけで、確実によろけて行動をキャンセルされるため、高いダメージと低い耐久も手伝って、一発一発が非常に重要だ。そして、当然の権利のように敵は複数。これにより、使用する装備の選択肢が、遠距離に居座る敵の対処用と接近してくる敵の対処用に絞り込まれてくる。
近接武器?複数の敵に突っ込んでもハチの巣だ。一対一や、倒れた敵のとどめ用か。
盾?正面しか効果ねえよ。そんなに尻の穴が欲しいのか。一つで十分だろ。
ライトマシンガンで薙ぎ払うには集弾率が悪すぎる。このゲーム、無駄にマップが広く、たびたび遠距離戦を強いられる。典型的な、敵が使うと強いが、自分じゃ使えない武器。何より、重いし、プライマリに装備するにはライフルが強すぎる。
ショットガンはサブ武器だったらなあ・・・プライマリに装備するにはライフルが強すぎる。近接処理はサブマシンガンで十分。
クエスト報酬でもらったEMP銃は射程が近接武器じゃねえか!しかも機械に効くふりをしてダメージも決して高くない。遠距離からライフルで撃ったほうがまし。もしくは障害物の陰からEMPグレネードなげる。
結果、初期から装備しているサブマシンガン系で近接処理、序盤から手に入るセミオートライフルで丁寧に遠距離を片付けていくスタイルを確立。盾持ちの強敵との一対一、もしくは弾丸節約のとどめようにプラズマカッターを持ち歩くだけに落ち着く。
一応、戦闘中でも武器の持ち替えはできるのだが、近接武器もちではない敵も接近してくる事があるうえに、重量制限が足を引っ張る。
スタミナ管理ゲーお約束のローリング回避もある。が、ダークソウルのような無敵時間があるものではなく、短距離をすばやく移動するためだけのもの。近接持ちの敵の攻撃を回避したり、カバー間を移動するためのもの。
(あ、コンパニオン試してなかった。妙に必要ポイント高くてスルーしてたわ。機能してればワンチャンあるかも?)
[b]・冗長すぎるマップ移動。アプグレのたびにうっとおしくなるランダムエンカ。[/b]
このゲームのマップ移動はロマサガ方式。全体マップ上のマップマーカーを選択し、そこへ移動し、ステージに侵入。町の探索をしたり、戦闘したりする。そこで各種クエストの受注やイベント発生でさらにマップマーカーが増える、という方式。・・・なのだが。
1、肝心のマーカー間の移動が遅すぎる。[b]短くても10秒前後、マップの端から端まで行こうとすると軽く30~60秒は持ってかれる。[/b]舞台の広大さを演出するためかわからんが、とにかく長すぎるのだ。その間、プレイヤーができるのは、じりじりと移動する自キャラのマークを見つめるか、クエストログを確認するか、移動停止、目的地を変更して移動再開程度だ。RTAするならちょうどいいトイレタイムか?(私はやら)ないです。
2、マーカー間の移動中、ランダムイベントが発生する。どんなに短い移動でも、9割発生する。マーカーぎりぎりまで行って、「今回は出ないか?」と思わせておいて、マーカーにほぼ重なった到着すれすれで発生することすらあった。[b]何のためのフェイントだよ。[/b]
さらにたちが悪いことに、9割戦闘だ。戦闘がない、難民との遭遇(資源回収専用マップ)なんかもあったりするが、プレイヤーに優しいたぐいのイベントは、アップデートごとに追加される戦闘メインのイベントにより、発生率が低い。
戦闘による経験値稼ぎと敵からのルートの効率がいいとは言えないこのゲームにおいて、計画していないランダムな戦闘は、時にその後の必ず発生する(もともとの目的であるクエスト進行に必要な)戦闘において、致命的な致命傷をもたらすことも。
ステルスキル前提のマップや撃ちあいを強制するマップなど、バリエーション豊かで飽きにくいことは認める。しかし、上記の移動の冗長さも手伝って、うっとおしいことこのうえない。せめて、移動一回につき一回の発生にしてくれ。長距離歩いてるからって、2回も3回もいらないよ!弾と銃の耐久とHPが無駄に削られていくんだよ!
[b]・おまえ、アーリーアクセスかよぉ![/b]
とにかく豊富なアーリーアクセス要素。スチーム初登場時期から製品版なのに。製品版なのに。
依頼のものを持ってきたのに受け取ってくれないNPCなどのクエスト進行不能バグに、英語があるのにちらほら散見される未翻訳ロシア語などはもはや様式美。
クリア済みのクエスト演出がなんの前触れもなく発生するのはお約束。そのバグ演出中、おもむろに自キャラが飲料アイテムを飲むモーションを繰り出したと思えば、突如発生するアルコールによるデバフ&ダメージ。[b]おまけに拠点にしていたガレージのコンテナが初期化され、ため込んだ素材、消耗品がすべて消失するサービスまで完備。[/b]私はこのバグで、一旦このゲーム攻略をあきらめることにした。攻略不能に陥ったわけではない。が、この手のゲームでのアイテムリセットは、探索することとため込むことが楽しい私にとって、ダメージが大きいのだ。
[b]・もう十分だ・・・もう十分だろう・・・[/b]
まだまだ言いたいことはある。お金の希少性が高いくせに、コンテナからでるアイテムのランダム性が強いがゆえに偏る&かぶるクラフトレシピ(クラフトが買い物の代わりになりにくい。そのくせ、物価が高い)や、インベントリでの右クリックの重要性、それによるアイテム解体&素材回収、装備修理、銃からの残弾の回収などのSTALKER要素(数少ない良いところ)などだ。
だが、長くなりすぎたので、ここで総評とさせていただく。
[b]非常に、ひっじょ~~~~~に惜しいゲームだ。[/b]
すべてのシステムがもたらすゲームテンポの遅さ。死にやすさ。一部の倒せることを前提としていないような敵(一応攻略法はある)など、分かる人向けに言えば、ダークソウル2のようなゲームだ。[b]ゲームへの理解が進めば、どんどん楽しくなっていくスルメゲーなところもダクソ2に似ている。[/b][strike]いや、2はクソマップが強すぎるか。[/strike]
また、冒頭で言ったようにまったくおすすめできないわけではないのがつらいところ。雰囲気は本当に最高なのだ。途中から機械翻訳にかける時間が惜しくて、完全に慣れと流れと感覚だけでプレイし続けてしまう程度には。
廃墟ゲー、探索ゲー、マゾゲー、理不尽をプレイヤースキルや知識でねじ伏せていくのが好き、アーリーアクセス好きならなんとかすすめられなくもないか。
しかし、バグの多さはいかんともしがたい。一応、私は好きなのだが、お勧めしないこととしておく。
最後に。挑戦するにしろセールを待つにしろ、もっともっとBUGFIXが進んでからのほうが無難だ。私は一年ほど寝かせておくことにするよ。