















Liberated
プレイヤーは、政府当局が高度なテクノロジーを使用して人口を操作する世界についての物語を体験します。公民権は過去のものとなり、政府は世界中のすべての国民を完全に監視しています。ソーシャル メディア活動、オンライン支払い、モバイル デバイスからの GPS 位置追跡などは、あらゆる個人が監視されている方法のほんの一部にすぎません。この世界では、政府機関が秩序と統制を維持しようとする一方で、この圧制に抵抗し、自由のために戦う反乱軍が存在します。 「Liberated」では、プレイヤーはこの対立の両方の立場を経験し、あらゆる選択によって物語の流れが変わります。
みんなのLiberatedの評価・レビュー一覧

poe_yama
2021年07月04日
[i][h1]「あんたが正義の戦争を嫌うのはよく分かるよ。かつてそれを口にした連中にろくな奴はいなかったし、その口車に乗って酷い目にあった人間のリストで歴史の図書館は一杯だからな。」[/h1][/i]
[i]-押井 守 映画<パトレイバー2>より-[/i]
ひとまずスタッフロールが流れるまでプレイ。
もっとも、追加シナリオを含めても5時間かからずにエンディングを迎えたので、作品自体のボリュームはとても小さいんですが。
[h1]全体的な感想は「正直、う~~~~ん・・・」と、何とも微妙な印象[/h1]といったところ。
「メタルギアソリッド ピースウォーカー(MGPW)」を彷彿とさせるザクザクとしたペイントタッチで描かれるコミックを見ていると、途中の動的部分・・・ドンパチをやらかすシーンになると画面がそのまま「銃が使える”INSIDE”のようなゲームに」移行し、それらが交互に折り重なってゲーム内容が進行してゆく。
いわゆるコミック的な要素をふんだんに取り入れた作品として、MGPWはやはりエポックメイキングな作品であるが、それでもコミックパートとアクションパートにはロード時間や映像質感に境があったのも事実。
本作はその境がかなり上手いことシームレスに移行しているのは見どころの一つである・・・のだが、正直「だから何?」という印象。
と、言うのも、実質横スクロールアクションを展開する以上、どうしても画面いっぱいに表示領域を取らざるを得なくなるので、「コミックのコマ割りを活かし切れているか」というと疑問があるし、かといって画面1/4しかないような領域でアクションゲームをさせるのも無謀だ。
つまり、コンセプトとゲームの実際で、どうしても解が一つしかないという結果になっているので、「全く新しいゲームだ」みたいなことを言われても、「単に画面切り替えと描画タッチがシームレスなだけ」という、冷徹な評価を出さざるを得ないのだ。
automatonのインタビューにあるように、「このコマの主人公が動いてくれたら、とってもクールなのに」という思いが、本作を制作する上でのモチベーションの一つだったと思われるが、それはそもそもこれまでの各種ゲームで果たされていると言えないだろうか?
つまり、「ある程度、話の流れは決められているが、その途中の行為自体は受け手側が強く介入できるメディア」というのが話の重要なポイントと思われるが、それは既にPCゲームが生み出された時にはほぼ、果たされているのではないだろうか?
トゥーンシェーダーが一般的なものになっている今日では尚更、だ。
< Switch/PS4向けインディーゲーム『LIBERATED』は「動くマンガ」を目指した。日本担当Pと訊いた、ゲームコミック誕生秘話 >
https://automaton-media.com/articles/special-column/20210421-158743
また、やはり「コミックの比率が多い」というのも、ある種の弊害をもたらす。
先のautomatonのインタビューによると、「コミックパートを魅せる!」という意図は強く感じるし、そうでなくともゲーム開始前に「物語を楽しむために難易度を落とす」項目がわざわざ設定されていることからも、ストーリーを楽しんで欲しいという意図が強く込められているのは明白だろう。
しかしコミックの存在あるが故に、実際のアクションゲームパートは本質的な深みに欠ける。
何故かというと、「コミックを皆に楽しんで欲しいから、アクションゲームのパートは誰でもエンディングにたどり着けるように、ちょっと難易度を低めにしないとね」という力学が働いたと思われるが、これが「銃口をちょっとだけ上に向けといて銃を撃ちまくればとりあえあずOK」という、アクションゲームとしては単調な展開を生み出してしまっているからだ。
作者からすれば「トリッキーな動きをするドローンとか、途中でパズルゲームも盛り込んだ!CQCだってあるぞ!」と仰るだろうが、それらは「付け焼刃」としか形容できない程度の味付けだ。
そうでなくとも、アクションゲームパートには荒が散見される。
例えば、倒した敵キャラクターにはまだ当たり判定があるので、「足蹴にすることが出来る」のだが、これは別に何らかのメリットがあるわけでもなく、むしろ見た目にウザいだけ。いわゆる「ラグドール物理プログラム」を手入れしていないのだろうか、既に倒れた敵キャラがガクガクしていたりすると、もう興醒めである。
また、(わかりやすく言えば)「ロープと階段が交差するような場所で、ロープアクションすればいいのか?階段アクションすればいいのか?」という動作判定に困って、キャラクターがガクガクとするような場面がしばし見られるのは、どうにもキャラクターの動作プログラム or オブジェクト配置などのチューニング不足を感じさせてしまう。
また、何よりも不満を覚えたのが、「画面外にいる敵は既に当たり判定がある」という点だ。
画面内に敵が出てきてから銃を撃っているようでは遅いので、「とりあえず足音か敵聞こえたら or 手にしているライトが見えたら撃っとけ。どうせ弾数制限はないんだから」となり、何というかこう、アクションゲームの爽快感もクソもあったもんじゃない・・・という事になる。
(いわゆるメトロイドヴァニア系のゲームで、”画面切り替えされる向こう側にいる敵に当たり判定がある”と言えば分かってもらえるだろうか?)
結局のところ、アクションゲームパートをアレコレと「楽しいもの」にしようとすると、「クリアできない人が出てくる」「操作やルールが複雑になりかねない」「そもそも主人公はスーパーマンじゃなくて、一般人だ。スーパーマンが出てくると、ストーリーの雰囲気と合わなくなる」「つーか、そこまで開発リソースねぇんだわ」という事になってしまうので、これまた本作におけるコミックとアクションは一種のデッドロックの関係にある。
ストーリーそのものについては、既に現実で進行している「電子機器による市民監視」「個人信用スコアーによる犯罪抑止とその弊害」を軸に展開されてゆく。
このテーマ自体は個人的にも興味がそそられるのだが、本作は「単なる”勧善懲悪”には収まらないストーリー」となっている。
ゲームパッケージに描かれているイラストなどから、「都合よく”市民の安全の為”って言っておきながら、実際は自分たちに都合よく市民を管理しているだけの上級国民に反旗を翻してやる!」という、ギーグボーイな雰囲気を感じるパッケージイラストではあるが、そうか、勧善懲悪ものではなく、「色々な視点で個人信用スコアーによる犯罪抑止論が展開されるのか」と。
作者に悪気がないのは分かるが、何というか、肩透かしを喰らった気になってしまった。
そうか、社会派作品なのか。
結論として、「面白いゲーム」「素晴らしいゲーム」を手にするという観点で言えば、個人的に本作は「ノー!」である。
ただし、「個人信用スコアーによる犯罪抑止とその弊害」を学ぶ&論議するにあたり、「こうしてシステムは為政者の手によって悪用されていく」という事を体験しながら学ぶ為の教材 or 資料としてなら大アリである。
セール時にご一考されたし。

朝比奈 / Asahina
2021年05月27日
[b]2021.5.27 日本語追加後のクリア済レビュー[/b]
[hr][/hr]
CCSと呼ばれるシステムによって管理・監視された近未来。便利で統制された生活と引き換えに、それに反した言論や行動を取る人々は排除・抹殺され、社会は抑圧されていた。
本作ではこの歪に作り上げられたシステムを守ろうとする政府と、反体制を掲げるレジスタンスとの攻防。そして監視社会が形成されたきっかけとなった事件の真相に迫ろうとする様子が描かれていく。
[h1]ゲームプレイ[/h1]
ジャンルは2.5D横スクロールアクション・アドベンチャー
全体がモノクロームな色調で構成されたビジュアルで、アクションパートとイベントパートが交互に訪れるような構成となっている。
アクションパートでは、そのチャプター毎に異なるキャラクターを操作する。銃撃・ステルス・ギミックの操作などといったものから、そのシーンに合わせて適切な行動をこなしていく形だ。
いわゆる死に覚えゲー的な部分もあるが、チェックポイントの間隔も短く、リトライもすぐなのでそれほどストレスにはならないだろう。
[code]本作にはノーマル(プレイヤーモード)と、イージー(読者モード)が用意されている。アクションが苦手なプレイヤーは難易度を下げるといいだろう。[/code]
イベントパートでは、アメリカンコミック風のコマを読み進めるような演出になっていて、本作全体のストーリーをプレイヤーに向けて語っていく役割を持っている。
選択が求められるシーンもあるものの、ほとんどの場合プレイヤーは眺めているだけだ。本作のおおよそ半分はイベントパートで、そういう見せ方をしているゲームデザインなのだということは理解しておこう。
[h1]本作のストーリー構成[/h1]
本作はメインとなる4つのエピソードと、サイドストーリー的な2つのボーナスエピソードで構成されている。総プレイ時間は4~6時間程度になるだろう。
ネタバレとなるため伏せて書くと、[spoiler]本作には起承転結の「結」がしっかり描かれていない。エピソード4を終えるとエンドクレジットが流れ、その先はプレイヤーの想像に委ねられることになるのだ。もちろんボーナスエピソードでも語られることはない。[/spoiler]
言わば「海外ドラマのシーズン1」といった感じだろうか。そうしたストーリーの描き方もあると理解しているので筆者としては許容範囲だし、実際にSteamレビューも好評だ。しかしその判断はプレイヤー次第だろう。
[h1]パートごとの温度差[/h1]
アクションパートとイベントパートにはその描写に温度差がある。
内面描写的なものはすべてイベントパートに任せられているため、アクションパートが少々味気ないような感覚を受けてしまう。仲間からの無線が入るようなことはあるが、基本的には無言で淡々と進んでいくだけだ。
割り切った構成ではあるが、せっかくのストーリーベースの作品なので、少々もったいないところだ。
[h1]QTEイベントの存在[/h1]
本作には、画面内に表示された特定のキー(ボタン)を一定時間内に押下する『QTEイベント』が存在する。QTEには賛否があるため、昨今ではそもそもそういった要素を入れないか、あっても簡素化するオプションが用意されることが一般的だ。
しかし本作ではそういったオプションが見当たらない。少し古めかしさを感じてしまったのは残念だ。
[h1]日本語翻訳/ローカライズ[/h1]
英語フルボイスの日本語字幕。ローカライズ品質は良好で、使用されているフォントも適切。多少ケアレスミスは見られるものの、全体的に違和感はない出来だ。
[code]余談だが、本作では例えば「我々」を「我ゝ」と書いている。ノマを使わずに「ゝ」の踊り字を使っているのは最近ではとてもめずらしい。翻訳担当のクセだろうか?[/code]
2020.7.31にSteam版がリリースされた当初は日本語はサポートされていなかったが、国内向けにDMM GAMESパブリッシングサポートでローカライズされ、2021.5.27にPC版(DMM)とコンシューマ版がリリースされた。この際にSteam版にも日本語が追加された形だ。
https://store.steampowered.com/news/app/875310/view/3026961501614940915
[code]DMM GAMESが国内パブリッシャーとなった場合、先行してSteamなど他のプラットフォームでリリース済であっても、同社の独自プラットフォーム独占で日本語が追加されるケースが多く見られるのは周知の事実だ。
しかし本作ではSteam版にも同時に追加された。これは開発者の意向に寄るところも大きいと思うが、この動きは素直に歓迎したい。[/code]
[h1]総評[/h1]
本作に見られる監視社会は、これまで様々な媒体で描かれてきたディストピアを体現したかのような世界観だ。いくつか頭に思い浮かぶ映画やゲームのタイトルもあるが、それだけ好まれた世界観という意味での既視感だろう。
本作はストーリーベースで展開するもので、プレイヤーの操作できるシーンや選択肢はあるものの、自由度は実はそれほど無い。少々強引な展開もあり、そういった意味でも実に映画的な作品だ。
モノクロームで描かれたアートワークもいっそうディストピア感を引き立て、良い意味で陰鬱な作品の中に放り込んでくれる。
ただし「ストーリー構成」でも少し触れたとおり、本作はすべてをプレイヤーに説明していない。クリア後にそれはそれとして受け容れ、自分なりに解釈して結論を出せるプレイヤー向けだ。
手放しにおすすめはしないが、プレイするだけの価値ある作品と言っておこう。
[hr][/hr]
[h1]実績解除されないバグ[/h1]
[strike]日本語環境で実績が解除されないバグを確認している。既にコミュニティのスレッドには報告済で、デベロッパーからは「調査する」との返答を得ているので対応を待ちたい。
https://steamcommunity.com/app/875310/discussions/0/3092263696198011490/[/strike]
2021.5.29 未明に実施されたアップデートで、このバグは解消された。デベロッパーの迅速な対応に感謝したい。

perfectsunday2
2021年05月27日
好きな演出なんですが、序盤のドローン破壊ミッションで破壊しても、破壊されてないバグで先に進めないです。
面白いんで早く直る事を祈ってます。