マグラムロード
マグラムロードは、「魔法の剣」を鍛造する冒険にあなたを連れて行きます。主人公は、かつて暴れ回ったが、その後力を失った魔王です。プレイヤーはゲームの開始時に男性主人公か女性主人公のどちらかを選択するオプションを取得します。
みんなのマグラムロードの評価・レビュー一覧
Yakutatazu JPN
2023年12月31日
悩んだけど、人へのオススメという意味なら、今の時代あえてこれをこの値段でオススメはしづらい。
ストーリー、登場人物は良い。
疎まれ封印寸前となった魔王が、突然の絶滅危惧種認定から数少ない忠臣たち、同じ絶滅危惧種の勇者、果ては政府や幼女や導師と共に送る新生活。
場面場面で好きな選択肢を選んで、プレイヤーがリアクションを選べるタイプの ADV としてみれば面白い。
しかしとにかく、ゲーム内のいろんなものが嚙み合っていない。
最初に二人の魔王からどちらかを選ぶときに、会話や選択肢による反応を楽しんでくださいのような説明が出る。
しかしこのゲーム、以下の点から人によっては好きに選択肢が選びにくい。
・Demonic, Cool, Funny の選択肢を選んだ累計回数で称号が得られる。(称号一覧に隙間ができることを無視すれば特に問題は無い。)
・サティウスの好感度を上げる選択肢は以下を望む場合は (おそらく全てを) 必ず選ぶ必要がある。
「イラストギャラリーを全て埋めたい場合」。実績を気にしないなら特に問題は無いが、この事実を知らないと常識的な労力の範囲では取り返しがつかなくなる。私はつかなくなった。
上記は、せめてニューゲーム+機能で一定の「称号」や「ギャラリー」の解放状態を引き継げば問題にはならなかった部分。
選択を自由にさせたうえで悩ませたかったのだとしたら余計なお世話だと思う。
アクションゲーム部分についても噛み合っていない。
あえてシンプルな作りを目指したのか、予算が無いのか、最初はスマホアプリを作ろうとしていたのか知らないが、結果出来上がっているものは「単調」につきる。
これがまじでスカスカで話の邪魔にならないなら良いのだが、以下のように変に不自由で、たちが悪い。
・魔剣鍛造の材料要求に対してドロップ率が良いとは言えない。同じマップを練り歩くかクエストの周回が必要になる。
・もしドロップ率を上げるのが幸運だとすると、せっかくあるキャラ選択の幅がぐっと狭まる。(とある称号を付けたジュレット一択になる。)
・マップがムダに長い。特に「忘却の塔」がいただけない。それ以降の物も難はあるが、塔は魔物の配置も悪い。
・クエストの (必須ではない) 特殊討伐のドロップが確定ではない物が存在する。
・この特殊討伐対象は大抵マップの最奥に配置される。もう一回言うが、忘却の塔は最悪で、必ず頂上に配置されたはず。
・特殊討伐のドロップを狙う場合は、近くのセーブポイントからのロードでやり直すのが手っ取り早くなる。
・討伐クエストは 10 体の同じ魔物を倒すのだが、ここで指定される魔物に限って、ムダに広いマップ内に分散配置される。しっかりとした設計により同じ場所でのリスポーンが封印されるため、見飽きたマップをぐるぐる走りまわさせられる。(対象 10 体ではあるが、1シンボルあたり2~3体出てくるので、最悪でも5体分のシンボルで済むと自分に言い聞かせると良い。)
・同一エリア内の敵シンボルは倒してもすぐに復活する。素材集めには良いが、今作は「しばらく何もせずに棒立ちしていると、魔王とパートナーとの会話ができる」ため、この要素と噛み合っていない。はっきり言って邪魔なのでエリア切り替えで復活で十分だったと思う。
・魔剣鍛造メニューはデコ (装飾) の付け替えメニューも兼ねているが、他のメニューと比べると若干展開がもたつく。というか全体的に UI のデザインは好きだが、UI の設計は成功しているとは言い難い。
そしてストーリー、登場人物が良いと初めに言ったが、ボリュームの薄さが目立つ。
私個人としては全体の尺が短いとは言わない。
そんなことより必要な箇所に投入すべきものがされていない。単調なアクション部分を支えるはずのパートナーとの掛け合いパターンが少なすぎる。ここで支えてくれていればオススメできたと思う。
・棒立ちからの魔王との会話はストーリー進行とともに変化もしているのだが……。どうせならセーフエリアでもうちょっとしっかりとした会話ができたほうが良かったと思う。話題も選択できるようにして。
・戦闘勝利時の掛け合いが本当に少ない。あれだけ単調な作業を強いられるのに、魔王との掛け合いは好感度の一定ラインごとに「1パターン」しかない。好感度が上昇すれば新しい掛け合いは聞けるが、最大に達したらもうずっと同じ掛け合いを聞くことになる。
・一応特殊な「チャーム」を装備させることで人格崩壊ものの面白戦闘ボイス&勝利トークを出せるが、魔剣のデコを付けなおす面倒さの割にやはりパターンが少ない。
・コンカツが実質1~2イベント程度で、あとは単調な場所選びだけなのは、魔王がピュアなのだということで納得する。
まあいろいろと書いたものだが、これだけの事が言いたくなるくらいには勿体ないゲームだった。
私はシンプルとかカジュアルとか凄いありがたいし、実を言うと本ゲームのアクション部分もそこまで苦痛ではない。だがゲームクリア後の総括は、やはり単調に過ぎるしダメな部分が悪目立ちする作品だったな、となってしまった。
mixfia
2022年05月30日
Switchにて2周プレイ済み。PC中心になりコンシューマ機からは離れているので、移植&バンドルありと聞いてこちらで買い直しました。
RPGとしてはかなりライトな方かと思います。システム的にもそれほど自由度は高くなく難易度も低め。
ですが元々そういう傾向のゲームが好きで、お話メインで楽しみたいタイプの私にはそれがちょうどよく、キャラのビジュアルと設定に惹かれたこともあって見事にクリティカル食らったので、多分に好感度補正強めなレビューとなっております。
「魔剣(マグラム)」を自在に操る能力を持ち、神も魔王も容赦なく斬り伏せてきたために「世界の敵」とされて討たれ、復活のための眠りについた“刃の魔王”キルリザーク。
時を経て目覚めたものの、力はまるで回復しておらず、いつしか神々も魔王もいなくなった平和な世界で最後の「魔王」として「絶滅危惧種」に指定されてしまう。
完全復活を目指して魔力を得るために、自身が“転身”する魔剣の使い手(パートナー)たちと共に魔獣狩りを行っていく中で、眠っている間に激変していた世界の謎や真実に触れていく…といったお話。
主人公の魔王はゲーム開始時に男女どちらかを選べます。
進行はリクエスト(頼みごと、いわゆるクエスト)形式で、主に「政府」からの依頼や仲間達の誘いなどを受けてフィールド探索に出向くことで話が進んでいきます。
魔王は魔力の消耗を避けるために魔剣に姿を変えていて自分では戦わないので、フィールドではパートナーが操作キャラになります。
戦闘はシンボルエンカウントからのサイドビューアクション。シンプル操作なので何となくボタン連打していてもどうにかなりますし、テンポが良く動きもスピーディで気持ちいいです。
攻撃を重ねてゲージを溜め、ここぞという時には本来の姿となった魔王様にチェンジして大ダメージ!というのがまた爽快なのですが、前述のキャラ設定上の事情もあって魔王様が戦える時間には限りがある(あるいは単純に強くてすぐ片が付く)ため、「ああもうちょっと…!」となりがち 笑
(余談ですが、この時のカットインが大変カッコいいのと、魔王も含めてキャラごとに専用の戦闘曲になっているのがとても良いです)
メインのストーリーと並行して、魔王はパートナー達を相手に「コンカツ」に励むことになるのですが、コンカツとはつまり「魂飢(コンカツ=文字通りの魂の飢え、空虚感)を満たす活動」であり、いわゆる「婚活」とは似て非なるもの…と思います、たぶん。
恋をして云々~などと言われたりするものの、実際のところ恋愛要素はそこまで強くないです。付き合うとかそういう話はないので、複数人とデートしまくっても誰も怒りませんし同時進行して全く問題ありません。
が、コンカツの結果はエンディングに影響し、[spoiler]最終的に「誰と」「どういう」関係(愛or絆)でいたいかを決めることになります。一部隠しルートもありますが、やっていれば察しはつくので狙うのは難しくないと思います。(チュートリアル等も含め随所にヒントあり)[/spoiler]
好感度は戦闘に連れていけばわりと容易に上がるうえ、イベントでも好感度の上がる選択肢にはキャラのアイコンがついていて分かるようになっているので、特に苦労するところはありません。
(このあたりは、コンソールでの発売時にプロデューサーさん?だったか「シミュレーションではないので易しくしてある」といったことを仰っていた記憶があります)
パートナーとなる各キャラクターたちも全員が魔王同様に「絶滅危惧種」とされていて、種族も抱える事情も様々。それぞれに個性的で、魔王に対しても最初から好意的だったりそうじゃなかったり色々ですが、みんな本当に魅力的で掛け合いも楽しいです。
魔王を男女どちらにするかで会話内容が結構変わる部分もあるので、ストーリーやデートのイベントはもちろんのこと、フィールドを探索している間も度々立ち止まって雑談してみたり、好感度が上がるにつれて戦闘後のセリフや表情が変わっていくのも楽しみで、両魔王×全キャラまんべんなくいろんなやりとりを見てみたくなります。
探索部分に関して付け加えると、最初にも書いたように難易度は低め、言ってしまえば結構ぬるいです。
リクエストのクリア条件は指定の敵を倒したり素材を集めるといったシンプルなもので、ターゲットマークのついた敵や光るポイントをチェックしていけばよく、マップも基本的にはほとんど一本道なので、迷ったり詰まったりすることは特にないと思います。
戦闘についても、テクニックを必要とするような操作はほとんどありません。
作れる魔剣はどんどん作って、苦戦する時はデコアイテムやスキル・称号で強化や耐性を付けていけばだいたい何とかなります。(何ならレベル上げてゴリ押しでも…)
このあたりが人によっては物足りないとか単調に感じたりするかもしれないですが、分かりやすいぶん気軽にさくさく遊べるところでもあり、それでいて収集系要素には結構なボリュームがあるので、刺さる人にはだいぶ刺さるんじゃないかと思います。(ソースは私)
長々書きましたが簡単にまとめると、
・難しいこと考えずに気楽に楽しみたい人
・アイテム収集や、クラフト・図鑑の類のリストを埋めることが好きな人
そして何よりも、
・(私のように)キャラクターや世界観が気になる人(魔王様推しでも!)
にはオススメしたいです。
では、3周目行ってきます🔥
※再びクリアしたので追記
実績コンプと、デコアイテムで遊んだりED一通り見たり等々していたのでプレイ時間が結構なことになっていますが、普通にやればおそらく30時間程度でクリアはできるかと思います。ちなみにレベルは50が最大の模様。
実績については、特に隠しもないし難しいものはなかったです。収集系が多いのでそれなりに手間はかかりますが…