








世界一長い5分間
私たちのヒーローはすべての悪の根源であるオーバーロード自身と対峙しますが、突然彼の冒険に関するすべての記憶を失います。
みんなの世界一長い5分間の評価・レビュー一覧

Mikan
2024年12月30日
戦闘開始から1分26秒、ヨツバ「[spoiler] ま……負けてられない……! [/spoiler]」のセリフからストーリーの進行が不可能になり、コントローラーもキーボードも反応しなくなりました。(背景のアニメーションは動いており音楽はなっています。コントローラーでの文章スキップのボタンを押したらシュッっと音だけはしました。)
30分間できる範囲で粘りましたが、改善がみられず諦めました。
もしかしたら、私が使っているPCが悪いだけかもしれないので他の方は大丈夫かもしれないですね(´・ω・`)(スペックは足りてるはず…)
それなりにガチでやってたので悲しいですが、何かしらのアップデートがあったりPCを変えたらまた遊んでみようと思います!

sumaneko
2023年10月06日
[h1]レトロRPG『風』ノベルゲーム[/h1]
ドット絵がかわいらしいレトロRPG風のノベルゲームです。
魔王との決戦開始と同時に「思い出」が消えてしまった主人公が、戦いの中で思い出していくというストーリー。
結論から言うと定価ほどの価値は無いが、セールなら買ってもいい70点くらいの作品といった感じ。
☆RPG部分☆
レトロゲーリスペクトゆえか非常にお粗末。戦闘はツクールデフォ戦のがまだ面白いレベル。
エンカ率も非常に高く、5歩ほどで出ることもザラ。バランスも雑(全体回復しながら殴ってれば相手は死ぬ)。
チャプターごとにアイテム固定で始まるので宝箱を探索する意味も無い。
と、まさに真面目にやる価値は無いと言えます。
・・・しかしこれを全て解決するように完璧な対策が施されています。
それは[b]エンカウント無効魔法[/b]がMP2で使えるということです。思い出補正Lvシステムというのも最後まで稼ぎを必要とされるレベルではありません。
結構長いマップをお散歩するゲームになりますが、まあつまらない戦闘何度もやらされる苦行よかマシです。
☆シナリオ☆
このゲームのメイン部分。ストーリー全体としては悪くない。やりたいことは伝わった。
しかし中盤まであまりに退屈なのと、伏線や演出が甘いので終盤の展開にいまいちのめり込めない(感情移入しづらい)という作り込みの甘さが感じられます。
もっとうまく料理出来たかもしれないのに。惜しい。
☆グラフィック☆
ドットキャラが非常に小さいサイズながら感情表現が素晴らしい。匠の技です。
☆ミニゲーム☆
面白くないハイスコア達成まで長いミッションに組み込まれてるという三重苦。クソでもいいんだけどミッションとかアチーブメントに組み込まないで欲しい。
このゲームの本当に嫌いな部分です。
☆総評☆
RPG部分に期待して買うことは絶対にNGですが、中世ファンタジーなノベルゲームを求めてるならセールならオススメできる小粒な佳作ゲーと言ったところです。

panitsu
2023年03月01日
RPGではあるが、レベル上げやアイテム採集は不要
主人公は過去を思い出せない
↓
思い出す為に過去はどんなんだったかなと気張り過去へ行く
↓
過去を操作して思い出す
↓
思い出したらまた未来の同じ時間へ戻る
的な事を繰り返します
他は、
・RPG要素としてはレベル上げが必要もなく、ボス戦などもそこまで難しいものではないので
主人公のエンカウント無し魔法を唱えての探索が主になり作業感がある
・分岐やセーブなど網羅するとなるとセーブデータの管理が大変になる
・ドット絵。このドット絵が非常に懐かしい雰囲気
・BGMが全体的に凄く良くドット絵とマッチしている
・実績解除の為のミニゲームが非常に難しいし、運要素が強いものもある
RPG、アクション要素共に薄いが短編小説をドット絵と共に楽しみたい人におすすめではある。

Aura
2022年11月02日
魔王との戦いが始まろうという時に、主人公は記憶喪失になってしまう。今まで会得してきた必殺技の出し方は分からないし、培ってきた仲間との連携も図れない。絶体絶命の中、主人公はこのピンチを乗り切るべく過去の記憶を追体験していく…
という冒頭で始まるのが今作だが、皆さんだったらどんなゲーム体験を期待するだろうか。
こういう「記憶喪失モノ」は自分の場合
・想起する記憶がばらばらであるがゆえに、それが時系列順で並んだ時に回収される伏線
・想起した記憶内容に実は巧妙な偽りがあり、明らかにされた時の驚き
のような2点を期待することが多い。記憶喪失をネタにしたミステリ風味とでもいえばいいのか。
が、結論から言うと2つとも特になかった。残念。
シナリオに言及する前にシステムについて触れておこう。
現実世界のノベルパート(AVGパート)と記憶を追体験するRPGパートを交互にして物語は進んでいく。そしてRPGパートは思い出す記憶ごとにブロック化されていて、ノベルパートに戻った後も「やり残したことがあったなあ」と思えば該当の記憶をオプションから選択すればいつでもやり直すことができるようになっている。このようにRPGパートがぶつ切りなため、各パートのキャラの装備、レベル、所持金は固定となっている。第1の記憶でどれだけレベルを上げて金をためても、AVGにもどり次の記憶にいくと設定されたパラメータに戻ってしまう。逆に言えば所持金をどれだけ使おうが次には戻っている。
なので実際のところはRPG+AVGというよりは、AVGをメインにしつつRPG形式の表現を使ったパートがあるという感じ。もちろんこれ自体は全然良いと思う。RPGの表現を使った物語作品で傑作的なものなど世にいくらでもあるし、自分も大好きだ。例えば、文章で「伝説の必殺技」とか書かれるより、ドデカいMP消費に桁の違うダメージを出してくれる方が受け手側に伝わるものがある。だけどこのゲーム、RPGパートも見せかけじゃなくてちゃんと作らないと思ったのか、ダンジョンが結構長め。だけどそこで躓かれると困るからか戦闘はかなり容易化してある。それでいて上記のように持ち越し要素がないので虚無感がすごい。これなら記憶である利点を生かして道中をキャラの掛け合いとかで省略して設定的には長いダンジョンでしたよ、とかすればテンポよかったのでは。
最後にAVGパートの選択肢は、想起させる体験が異なったりするが、大筋に影響はないので好きに選んで大丈夫。
さてシステムを踏まえてシナリオを見ると、うーんやっぱり「記憶を思い出す」という良さが薄いような気がする。結局これの使われ方は
ピンチになる→「思い…出した!」→敵「何ィ!?」
なんだけど、ワンパターンすぎて飽きてくる。
そして隙間なく時系列順で思い出すので「新しめの記憶で言ってた○○ってこれのことかあ」みたいな主人公たちの道程への考察みたいな楽しみ方もできない。結局、現在主人公と過去主人公とプレイヤーの持っている情報が一致しているから過去パートの楽しみ方がその辺のRPGと同じでしかない。
なので一番読み進める推進力を生みだしてくれているのが「なんで主人公は記憶喪失になったのか」なのだが… うーん。徐々に明らかになっていくというよりは割とパッと明かされてしまう展開だったので、自分は正直肩透かしだった。物書きでもないくせに上から目線過ぎて恐縮だが、もう少し序中盤から「誰によって引き起こされたのか」を匂わせてくれたらなー、と。
総括すると、ものすごく王道なRPG的なものを作りたいんだけど、そのままじゃ埋もれるから形を変えて興味をひきやすくしてみた、という感じ。
自分はミステリ的なものを期待してしまっていたためマッチしなかったが、熱血とコメディしてる少年漫画的なものが好きなら刺さる人も多いのかも。

山下佳子
2022年02月06日
ラスボス戦における5分間の出来事をめぐるアドベンチャーパートと、主人公の回想シーンにあたるRPGパートのふたつのシステムで物語が進んでゆく。
しかしこのRPGパートがとんだクセモノで、
・女好きでチャラめナンパウィザードボーイ、男勝りサバサバ暴力武道家ガール、大人しめ正統派ヒロイン系ヒーラーガールのメインパーティー3人が、とにかくキャラ付けがコッテコテで感情移入しにくい。「ナンパボーイが温泉を覗いて暴力ガールにボコられる」「暴力ガールも実はオバケ苦手という一面が」みたいな、その辺のRPGツクールゲーで100回は見たテンプレート属性すぎてつらい。
・チャプターごとに独立していて、レベルや道具や所持金は他チャプターに持ち越せない。せっかく強い装備を揃えても、次のチャプターに入るとデフォルト装備に戻ってしまう。合掌。
・戦闘自体はフルオート放置でなんとかなる。しかしAIが微妙にポンコツで、かゆいところに手が届かない。
基本的には主人公がMP2で唱えられるエンカ抑制魔法を使ってただただボスのところまで歩いてゆく作業。
・ワールドマップはあるが、ダンジョンマップが存在しない。似たような景色が延々と続くなかで現在地の座標もわからないのにワープ床とか迷路とかマジ勘弁してくれ。
あとは実績達成のためのミニゲームが虚無だとか、アドベンチャーパートの選択肢にあまり意味がなさそうとか、やたらと人が死ぬヘヴィなシナリオだけど全編ドット絵だから緊張感がないとか、そんな感じです。
セールで500円で買うにしてもおすすめはできないなぁ。

penta0
2021年07月11日
主人公が記憶を無くしたままでの魔王との最終決戦を描いたアドベンチャーゲームに思い出した記憶という形で短編RPGをシーンごとにぶつ切りにしたものを時系列シャッフルして挟み込んだゲーム。
それぞれのイベントは短く各キャラ達の登場回数もあまりないものの個性的な言動と解像度が低くて見づらいがコミカルにアニメーションするドット絵のおかげでよくキャラが立っていて強く印象に残る。
記憶をだんだん思い返していくというギミックもしっかり使われていて終盤に次々に謎が解けていく展開もいい。
ただRPG部分がとてもつまらない。
シーンごとのぶつ切りRPGというとサガフロンティア2が有名だがあれとは違いシーンごとにレベルや装備などが固定のため成長の喜びもアイテム取得の喜びも買い物の楽しみも全くない。
主人公は慎重に冒険を進める性格だったらしく戦闘はほぼオートで勝てるくらいの強さを常に保っている。オートで勝てなかったのは3体のボス位だ。戦闘で工夫して勝利する喜びも殆どない。一応戦闘やイベントクリアで得た経験値で思い出補正レベルというものが上がって規定値より強くなれるが強くなる必要自体ない。イベントクリアで得られる経験値だけで十分だったため雑魚戦をすることに何のメリットも見出せなかった。
またモブキャラたちの会話は細かく設定されているものの基本的に聞かなくてもいい内容なので街についてもスルーしがちだった。
これらの理由からRPG部分はノーエンカウントの魔法を常に使ってひたすらダッシュしながらゴールを目指すだけだった。
これならオートで進んでくれても良かったように思う。
他の不満点としてはマルチエンディングであるにも関わらずクリア後のセーブがないため、最後にセーブしたところからの既読フラグが立たないことが挙げられる。細かいセーブをしていないとかなりの量のやり直しを強いられるつくりになっていた。
あと実績をコンプリートする上でクリアが必要になる[spoiler] シューティング・スロット・ランアクション [/spoiler]のミニゲームの難度が結構高い。動体視力が死んでいる私にはかなりきつかった。
以上の事からキャラもストーリーも演出も良かったがお勧めはちょっとできない。
ちゃんとRPG部分も楽しめる他の良作短編RPGをプレイした方がいいのではないだろうか…

APM
2020年01月24日
7時間半ほどでエンディングに到達。形式上はレトロなJRPGだが、実質的にはビジュアルノベルのようなゲーム。
ストーリーについては細かく述べるわけにもいかないので避けるとして、明らかな難点として挙げられるのは、RPGの体を成すために設けられている「戦闘」と「ダンジョン探索」が苦痛でしかないこと。
オーソドックスなコマンド式で進む戦闘の難易度は激烈に低く、ほぼすべて「オート(おまかせ)」で済んでしまう。その割にエンカウント率が異様に高く、ひたすら作業感が募る。エンカウントをゼロにできる方法があるので、積極的に使っていきたい。ダンジョンは本当に申し訳程度のパズルがごくたまに置かれている程度で閑散としており、しかもシステムの都合、入念に探索する必要がほとんどない。
総じて、RPG要素はボリュームの水増しのために用意されているように見えてしまう。To The Moonのように戦闘を廃して成立させることはできなかっただろうか……
とはいえ軸となるストーリーは、王道寄りながらひねりがあり、(多少納得のいかない部分はあるものの)悪くはなく、それなりの満足感を得られる。序中盤の単調さから強くおすすめはしづらいゲームだが、RPG風味のアドベンチャーゲームが好きな人は手を付けてみるのもいいかも。

mico
2020年01月17日
シナリオは王道だしBGMも良く作品としての出来は良好。長さは1周目で約7時間ほど。
欠点としてRPG部分がひたすらに苦痛。『初期の時点でボス撃破が余裕』『マップが異様に広い上にエンカウント確率も高い』『思い出を振り返る仕様上集めた装備などは別の思い出には引き継げない』などなど楽ではあるが面倒であるというのが率直な感想です。
ただチャプターセレクトといった読み返し、やり直し機能もあり全体的に難易度は低く、やや動作が面倒なノベルゲーとしてセールで1000円以下の時はおすすめです。
あとエンディング後セーブがなかったので別分岐を見るためにまたはじめからやらされたのでこれを読んだ皆様は4分過ぎた頃からこまめにセーブしましょうね。

nowf
2019年05月20日
バック君の記憶を辿りながら目の前の魔王をなんとかするゲーム
色々な思い出、そして魔王とのやりとりを見ているのが楽しく
ここでそうなるのか…というのがだんだんでてきて面白い
思い出の中でのやりとりで、かわいいなこいつ…ってなることも
一方、ダンジョン探索はガンガン飛ばしてもいいかなって感じ
マップが広くて多い(長い)上にエンカウント率が高く
ボスが弱くて雑魚敵を倒す意味もほとんどないために
常時ノーエンカウントの魔法を使いながら
雑魚敵を無視しひたすら長いマップを進みボスを倒すという
作業感増し増しなものにしてしまうプレイヤーはおそらく多い
ただそれが一番楽なのがなんともいえない
ゲーム全体の難易度はかなりやさしめ(某ミニゲームを除く)で
特につまるところはないはず。「!」のマークがとても親切
定価だとあまりオススメしないが、いい感じのセールがあって
ちょっと気になってたら買ってもいいのでは?という程度には
オススメ。個人的にグッドよりノーマルエンドのほうが好き

Haco Slacker
2018年12月30日
インゲームにVer.表示がないため、初回クリア時のVer.は不明。適度にチャプターセレクトで巻き戻りながら、色んなルートを触りつつ進行したので初回クリアまで約14時間。15時間で全実績解除達成したため、起稿。ファイルサイズは638MB。
[h1]Pros:[/h1][list]
[*]キャラクターの描かれ方
[*]緩急、ツイストの利いたシナリオ
[*]臨場感溢れるサウンドトラック
[*]懐かしさを覚える16bitビジュアル[/list]
[h1]Cons:[/h1][list]
[*]戦闘の作業感が強い
[*]コントローラーとマウスの共存環境下における誤動作[/list]
[h1]断片的な記憶の堆積が地層のようになり、それは失われたボクになる[/h1]
「あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね」「彼女は最後にそう言った」など、独特の台詞回しと意外性のある脚本でスマホアプリのヒット作を生み出した少人数DevであるSHUPRO-DXによる企画制作。魔王や仲間との対話によるアドベンチャーパート(現在)と、記憶を紐解いていくランダムエンカウントのRPGパート(過去)が交錯する構成となっています。
開始直後にいきなり魔王と対峙しているという最終局面を迎えていますが、勇者バックはなぜか原因不明の記憶喪失に陥っており、これまでの旅の経緯や戦う動機ですら忘れてしまっています。魔王の圧倒的な力の前に幾度となく窮地に陥りますが、その刹那に蘇る断片的な過去の記憶(フラッシュバック)から、どう逆境を切り抜けるのかのヒントを得て現状を打破する、その再帰構造が基本骨子となります。また、垣間見た記憶から少しずつ自身の身に何が起きたのかを紐解いていくことになります。
数ある物語の中で結末を冒頭に描き、時系列を逆転させたものは多く見られます。私も最初はそのような類の物語なのだろうと思っていました。何が原因で記憶喪失になったのか、それがずっと頭の片隅にあったので次の展開が気になり、惹き込まれる作りとなっていたことは確かです。しかし、本作の妙はパターン化されたテンプレートからの逸脱にあると思います。意外性のある展開とは総じてツイストによってもたらされるものです。
戦闘開始を告げるタイムカウントが表示され、威圧感を覚える緊迫した曲が流れる一方、思い出の中では仲間たちとの日常光景が描かれます。張り詰めた状況から一転、解放されてノスタルジーを感じさせる曲調になります。場面の転換による雰囲気と曲調の転換が、知らず知らずのうちに緩急のパターンとして刷り込まれていきます。サウンドとの一体感によって、よりシナリオが有機的に感じられるようになっている訳です。こうした緩急を見せることで、モノローグによる間もより引き立っています。
記憶の中で描かれる仲間たちとの日常光景は、記憶喪失の謎というミステリーを忘れさせるほど魅力的なものです。ある意味定番ともいえるキャラクターの個性付けで、最初はベタなRPG演出だなと思いながら見ていましたが、幾度となく繰り返し日常が描かれることで、そのキャラクターを構築する行動心理が自ずと分かるようになっています。この描写こそ、ミステリー調から王道へと回帰する疾走感溢れる終盤の怒涛のアツい展開、「思い出の奔流」を支える礎となっています。本作の優れている点を述べるなら、第一にキャラクターの描かれ方を挙げることができるのではないかと思います。
システム的な点に言及すると、RPGが大好きな人には少し物足りないかもしれません。というのも、場面ごとにチャプターが区切られており、チャプター間で装備やアイテムを持ち越すことができないからです。どれだけ装備やアイテムを購入しても、チャプターを跨ぐとアドル顔負けのように次のチャプターでは決まった装備に戻されてしまいます。序盤の思い出の中で町人からこの仕様について伺うことはできるのですが、銅の剣をスキップしてマイラの村で鉄の斧を購入するような人にとっては残念な訳です。
https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=1566791809
レベリングに関しても従来のRPGのレベルという意味においては、思い出の中で固定となっています。そうなると戦闘経験自体は無意味のように思えますが、経験は一応、従来のレベルとは別の「思い出補正」と呼ばれるレベルに還元されます。こちらが向上すると、パラメータ補正となって持ち越すことができます。一度クリアした時間軸にはチャプターセレクトにより、いつでも何度でもリトライできるため、より強くなった状態で過去を再訪できます。ここまでを聞くと、何かと有益なように聞こえます。
本作のエンカウント率は高めです。色んな状態異常魔法などが用意されていますが、基本は物理と回復で事足ります。ボス戦自体の難易度も低めで、様々な魔法を駆使して戦わないと勝てないようなボスはいません。エンカウント率が高いこと自体に対しても"エンカウントしない魔法"が用意されており、煩わしさから解放されているのですが、そうなるとレベリング自体が不要であり、戦闘そのものに必要性がさほど感じられません。スマホゲームのような時短プレイという点においては歓迎すべきところもあるのですが、却って作業感を強める結果に繋がっているように見受けられます。また「思い出補正」そのものが死に仕様と化しています。この辺りの言葉遊びのセンスは好きなのですが…。
[quote=memories(1995)]思い出は…思い出は、逃げ込む場所じゃない![/quote]
遊びやすさに関して補足すると、常時チャプターセレクトが行えるのでアドベンチャーパートにおける別の行動結果だったり、RPGパートの未達成ミッションの遂行に便利ではあるのですが、そのチャプターの行動結果を反映させるにはチャプターを通して終わらせる必要がある旨は注意が必要です。またコントローラーでプレイ時にマウスカーソルが表示されてしまうと、入力のプライオリティはマウスの方が優先されるため、コントローラーでいくら入力を行ってもマウス側の入力位置に補正される点も気を付けた方がいいです。最初はなんでカーソルが勝手に戻されるのか、パッと見で気付かなかったので…。
戦闘はやや単調に感じられるかもしれませんが、複雑になり過ぎると却って、肝心の物語が入ってこない可能性があったかも。懐かしい16bitビジュアルと、ライトモチーフを備えた有機的なサウンドが核となって物語を支えており、作家性と商業の程よいバランスを保っています。家庭用としては、PS VitaとNintendo Switchにリリースされており、PC最適化を含めて2000円を切る定価設定は妥当といえます。
描かれているのは、安易なアイコンとして描かれがちな勇者の体現。根底にあるのは、普遍的なテーマである思い。ふとしたNPCの言葉ひとつひとつに、やさしさが溢れている。みんな理由があるから、たとえどんなに膝が震えたって、どれだけ勝ち目のない戦いであっても、立ち上がらなくっちゃいけない。終盤の怒涛の展開は是非、皆さんご自身の目で確かめてください。
https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=1599160150